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【創作】小さな君と森の僕

いつからだろうか
一人で綿毛を待つようになったのは

いつだったろうか
最後に赤い花を咲かせたのは

もう思い出せないくらい
何年何十年と人間ヒトには会っていない

森の奥に人間ヒトの声は聞こえてこない
森の外へ僕の声は届かない

僕はバケモノで人間ヒトの敵
所詮は互いに相容れない存在なんだ


綿毛は時どき僕の元に舞い降りてきては
目の前でパッと弾けて消える

その時感じるわずかな温もりに
いつも人間ヒトの存在を確かめていた

僕の身体は綿毛で出来ていて
昔は大木を見下ろすほどの大きさだった

それが今では木々に隠れることが出来るくらい
僕の身体は小さくなっていた

きっとこのまま僕は消えてしまう
けれどそれもいいのかもしれない

そんな風に思っていた頃だった
ふいにたくさんの綿毛が訪れるようになった


”もうすぐあのに会える” パッ
”大きくなったかしら” パッ
”元気な笑顔をみせて欲しいな” パッ


温かい言葉を宿した綿毛が次々と弾けて消える
温もりが僕の身体に浸透していった

まるで自分の存在意義を確かめるように
僕の身体はまた少しずつ大きくなっていった

僕の身体が大木くらいになったある日
綿毛と一緒に小さなお客さんがやってきた

麦わら帽子が良く似合う君は
僕に気が付くと不思議そうに尋ねたんだ


「わたしはアーヤ、あなたはここでなにをしてるの?」


君と出会って
僕はまた

赤い花を
咲かせたんだ


おしまい



🌹🌹🌹🌹🌹🌹🌹

8月2日(土)に名古屋の吹上ホールで行われる【絵本フェス】にコぐるみで参加いたします。もちろん『アーヤと森のモフモフ』は販売しますが、間に合えば新刊を出すかもしれません!間に合えば!!(笑)
たくさんの方のご来場を心よりお待ちしております!!


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