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週刊「世界のスマートグラスのニュース」#16 2026/04/19~2026/04/25

概況

今週の大きな話題は以下の通りです。

  1. 日本・世界のスマートグラス事情の分析

  2. VIVE Eagle日本発売

  3. Apple関連ニュース

  4. Snap関連ニュース

  5. スマートグラスの舞台鑑賞への応用

  6. 新製品スマートグラスの紹介



1. 日本・世界のスマートグラス事情の分析

 最近、Xにて、「急に『ディスプレイ無し』スマートグラスの話題が増え てきた。」という話があり、少し思うことがあったので見解を述べました。
 まず、始めに「日本のスマートグラス市場」について話すと、日本で売られている頃には次世代機が出始めている。というような状況です。

 本国での発売後、約半年から1年遅れぐらいの速度感です。Ray-Ban Metaに関してもGen2が発表されたのが2025年9月18日、そして、日本に「数か月以内に出るよ」とニュースが出たのが2026年4月1日でした。(この辺の詳しい話は以下にまとめました)

なので、このMetaの動きに合わせて各社が動いている。という形だと思います。
 最初に市場を切り開く。他人に認知させることが大変です。そこをMetaが風穴を開けてくれることを期待して、他の企業も参入してきています。例えば、探せば8,000円くらいで似たような機能を持つスマートグラスはAmazonで買えます。

 私は自分から情報を取りにいっているので知っていますが、そうでない人に対しては、大規模なマーケティングや認知活動を行わなければならないので、高コストになります。なので、そこを加味して、Metaが大きなマーケティング活動をしてくれることを期待して動いている。と私は認識しています。
 逆に言えば、私からすると「カメラ付きグラスは去年の流行り」であって、「単色ディスプレイ付きグラスが現段階だと最新で使いやすいですね」という感じで、最先端と日本の情報のズレというのは大きいと思います(だからこそ、このnoteが成り立っているわけですが)。

 一方で、このスマートグラスが遅れて日本に入ってくることに問題意識を持つ方もいらっしゃって、「iPhoneが生まれたころには、まだガラケーでi-modedだった。スマートグラスにおいても周回遅れ感がある」という話をしてました。
 私からすると、もっと絶望的だと思っています。それは、もともと日本メーカーはガラケーを作っており、その後も、Androidのスマホを作っていました。しかし、日本企業でスマホを作っているメーカーはほぼ死滅(Sony除く)しました。もともとスマホが入ってきたころは、日本でも製造能力やノウハウがまだあった。まだマシだった部分があったにも関わらず、スマートグラスに関してはほぼ日本に技術がない。みたいな状況がまずいのではないか。という危機感があります。
 ちょっと話はずれますが、TSMCという最先端の半導体を作っている会社があります。これはNVIDIAやAppleのGPUやSoCを一手に担っている台湾企業です。しかし、近年、トランプ政権下で関税トラブルが発生しているのは、みなさんご承知かと思います。そんな中でアメリカ政府がIntelの株を取得した。という動きを見せています。intelは半導体企業では珍しく、設計から半導体製造まで一気に行う企業です(ARMは"基本的に"は設計のみ)。これは半導体の製造産業をアメリカ国内回帰する必要がある。という判断を下したようにも思います。例えば、人工知能においてGPUは重要ですが、それがNVIDIAでTSMC一本足打法だと、国家レベルへの影響があることは想像に難くないと思います。この動きが良いかはわかりませんが、自国で産業を復興する。という判断が、実は国レベルで必要なことなのかもしれません。

 また、おもしろい記事があったので解説画像を作りました。スマートグラスのディスプレイ技術には色々あり、LCoS、microOLED、microLEDなど複数あります。これがどのような製品にどのような意図で使われているのか。将来的にどう使われていくのか。ということをまとめました。
 私としてはLCoSがMeta Ray-Ban Displayに使われたのが衝撃的でしたね。てっきりフルカラーのmicroLEDだと思っていました。しかし、おそらくは輝度が足りず、コスト感も高かったので、そのような選択になったのだと思います。また、説明不足だった点もあり、microOLEDに関しては、XREALやVitureなどバードバス形式のスマートグラスに利用されています。

次の記事も個人的には面白かった記事です。スマートグラスの展示や、他人に見せてよく言われることは、

「スマートグラスって何に使うの?」

です。たいていの場合、

「俺はこれが楽しいし技術ロマンにあふれてるから買ってる。」

と言います。完全なスマートグラス好事家でしかないのですが、そろそろ業界も長くなったVR系では一周回った感じがあります。「面白いよね」では「ビジネスできない」というあたりまえの事実に気づき、「どのように効率価値を生み出せるか?」にシフトしている。というむしろ当たり前の話をし始めた。という内容の記事でした。
 「ビジネス」という言葉を出し始めた瞬間こじれだす。というのはよくあることだと思います。ある意味で、VRというロマンの熱を帯びていたものが、冷やされ、固くなる時期にVRが来ているのだと感じました。

最近、東京のヤフーのオフィスでLODGE XR Talkというイベントが行われました。

 今回は、「スマートグラス会」だったらしく多種多様なスマートグラスが集まったそうです。そこで「電気眼鏡検定 Lv.100」という投稿があったため、知る限り答えてみました。
 知らない人からすればまったく意味が分からないと思いますが、これくらいスマートグラスってあります。まぁ、ここにあるやつで普通に日本で買えるのは、XREALかRokid Maxぐらいですが・・・それくらいマニアックなスマートグラスが集まった会だったみたいです。

2. VIVE Eagle日本発売

 2025年8月14日に台湾のみで販売されていたHTC VIVE Eagleですが、これが2026年4月24日に日本から発売されました。Ray-Banとほぼ同じ動き。au shopやヤマダ電機などで取り扱いがあります。

 VIVE Eagleの開発SDKも公開されています。確か、中国本土ではハッカソンなどをやっており、それのコンテストがあった記憶があります。そのためクローズドβ版的に配布されていることは知っていたのですが、今回、ドキュメントを漁りなおしてみると、VIVE Eagleの開発SDKが一般配布されているのを発見しました。

VIVE Eagleは販売店のリストや処方箋レンズを作ってくれる眼鏡屋のリストが公式で公開されています。しかし、VIVE Eagle自体、カメラ付きグラスに過ぎないのでレンズ部分は一般的な眼鏡屋さんでも入れ替え可能です。いつも兵庫県尼崎にあるメガネSHOPアイ(https://www.shop-ai.jp/) さんに処方箋レンズを入れてもらっており、VIVE Eagleにも入れてもらいました。そのメガネSHOPアイさんの入っている建物のキューズモール内のauショップにてVIVE Eagleの取り扱いがあるので、買ったその足で処方箋レンズに入れ替えてもらえそうです。
 一応、話しておくと"一般的な眼鏡屋さんでも理論上はレンズ取り換え可です"。しかし、こういう電子部品が入っている高価なフレームは眼鏡屋さんによって嫌がられる場合もあります。自分の経験からすると、INMO Airというスマートグラスの処方箋レンズを近場の眼鏡屋に入れてもらったのですが出来ない。ということで、それ以降、変なスマートグラスの処方箋レンズは眼鏡SHOPアイさんにお願いしています。

VIVE Eagle自体は2025年8月に手に入れていたのですが、紹介動画を撮らないうちに日本に来てしまったので慌てて撮った動画。

そして、こたうち企画2本目のYouTube動画のVIVE Eagle紹介。となっております。発売日に間に合うように、録画・編集を駆け足でしたので、RokidGlassesほど詳しくは説明はしなかったのですが、これくらいでもいいのかな・・・?と思ったりしています。みなさんいかがでしょう・・・?

3. Apple関連ニュース

 今回、一番驚きの大きかったニュースはAppleCEOのティム・クック氏の退任でしたね。スティーブジョブズの死去が56才、ティム・クック氏の退任が65才だと考えると、時期だったのかもしれません。「ジョブズ以降、ティム・クックはAppleは先進的な製品を出せていない」という話もあるかもしれません。しかし、Appleの時価総額をあげ、「伝説的な天才であるスティーブ・ジョブズですら代替が効く」ということを体現したのがティム・クック氏の一番の価値のあることだったのかもしれません。

Appleの人事面の話をもう1つあり、マイク・ロックウェル氏という人物の進退が業界から注目されているという話題があります。

特段、書いたときには、まぁそういう人もいるかな。と思っていたのですが、以前に別のニュースで見たことが有りました。

AppleVisionProはVision Products Groupという独立した組織で開発され、その責任者がロックウェル氏だったそうです。しかし、2025年3月20日、Siriにテコ入れをするために、Vision Products GroupをOS部門とハード部門へ分離。visionOSとSiriの統括を任されたのが、ロックウェル氏でした。しかし、AppleIntelligence(Siri)はおおむね失敗し、Siriのバックエンドは主にChatGPTか、最近だとGeminiに置き換えられたようです。

そう考えると、ロックウェル氏はかなり大変な立ち位置にいるな。ということが分かると思います。そう考えると「会社を辞めるか。コンサルタントになるか。」みたいな言葉の重みというのは、だいぶ変わるな。という気持ちになりました。

 いつもAppleのリーク情報を拡散するマーク・ガーマン氏の情報によると、6つの主要な製品が生まれるようです。ウェアラブル関連だと、AirPods、スマートグラス、ペンダントは割と先んじてリークされていましたが、スマートディスプレイ、卓上ロボット、防犯カメラに関しては、本当に出るかな?という気がします。スマートディスプレイはGoogleで言うところのNest Hub、防犯カメラはGoogle Nest Camみたいなものはあるので、一定市場はあるのかと思います。一方で卓上ロボット?みたいな気持ちは正直あります。ただNest HubにそろNest Camにしろ、私は持っている人は見たことが無いので、本当に市場投入してくるか?と疑問には思っています。

 AppleGlassの最新リーク情報です。マーク・ガーマン氏曰く、スマートグラスは最速2026年9月という話だそうです。私としては、ないかな。と思っています。M5 Apple Vision Proの時、6か月前にはリーク情報として製造の情報が上がっていました。また、Apple Vision Proの時も、Reality Proみたいな名前でレンダリング画像のリークもあり、結構あってました。そういうものが出てこないことを鑑みると、9月は無いのではないか。と思っています。6月のWWDCでティム・クック氏が意味深なことを言って退任する。みたいなそういうストーリーぐらいしか今のところ思いつきません。実は、過去、Apple Vision Proの時は、そんな感じで次世代のコンピューターを匂わす発言だけして、何も出さずに終わった。みたいなことが有りました。

私が好きな半導体回りの話です。そろそろ半導体プロセスが1nmを切るという微細化の極み。みたいな状況になりつつあるそうです。

 しかし、この"nm表記"には若干の嘘がある。という記事もあります。この辺になってくると、自分の半導体の知識を超え始めるので、再度勉強し直さなきゃなぁ。と思ったりしています。

4. Snap関連ニュース

この1ヵ月ほどSnapChat関連のニュースが絶えない印象があります。SnapChatは2025年時点で、「新型スマートグラスであるSpecsを2026年に発売する」と公言していました。しかし、その後、SnapChat自身のお家騒動などがあったため、Specsの出荷が立ち消えるのではないか。という記事や、私もそういった印象があったのですが、6月に詳細情報が出る。ということをCEOが明言したそうです。

 Snapは何を考えているんだろう。と混乱を呼ぶ記事を多発している気がします。今度はCFOの解任だそうです。記事では「他の予定された役職への就任のため退任」とされています。ある意味で、SnapChat社からスマートグラス専門会社としてのSpecs社をスピンアウトをしたことで、財務的に一息ついたのかもしれませんね。

5. スマートグラスの舞台鑑賞への応用

 今週、スマートグラスのニュースをまとめるにおいて、よく目についたのが「舞台鑑賞」への応用でした。スマートグラスの応用例としては、「聴覚障碍者のサポートとして字幕を出す」であったり、「視覚障碍者のサポートとして音声案内する」といった社会実装例が多かったです。また、よく言われるユースケースとして翻訳がありますが、そこまで私は日常的な機能であるとは思っていません。
 そんな中で面白いな。と思ったのが、この舞台鑑賞のスキームでした。確かに、最近だとハリーポッターの日本での舞台化がありましたが、これは日本人の役者による演劇でした。そうすると輸出に時間がかかったりするケースはあるだろうな。とか、原作の雰囲気を壊してしまうのではないか。という懸念があるのかな。と思いました。しかし、このように現地の役者さんが、そのまま演技をし、それをスマートグラスによる字幕というシステムで見れるのであれば、これは面白い試みだな。と思いました。
 これが韓国から出てるのも面白くて、やはりK-POPなどのコンテンツ輸出、特にアイドル等の生身の人間によるコンテンツ力の強化に力を入れているな。と感じました。これは日本のアニメ文化と対比して、また違った力の入れ方がされているな。ということを感じた一面でした。

6. 新製品スマートグラスの紹介

ずっと出るぞ出るぞと言われていたHuawei AI Glassesがようやく出ましたね。スペック的には標準的かな。と思います。重さ自身もだいぶ軽く40gを切っており、レンズ入れても42~43gじゃないかと考えると、かなり実用的だと思います。そして、値段としても5.8万円とRay-Ban MeaやVIVE Eagleに比べて2万円ほどお安いのも良心的な感じがします。

 上記のHuaweiに合わせるようにRayNeoがRayNeo V4をぶつけてきたのが面白いな。と思った一幕でした。RayNeo V3は日本では展開されていないスマートグラスで、これもRay-Ban Meta、VIVE Eagle同様の、カメラ付きディスプレイ無しスマートグラスです。出すよ!というリリースだけなので、それ以上の情報がないのですが、それゆえ、Huaweiとぶつかるように仕込んでるのかな。という感じがしました。

 一応新商品としてとりあげたカメラグラスです。すごくOakley Meta Vanguardに似た製品が出てきたな・・・と気持ちが出たので、取り上げました。それでいて2.0万円とはお安い。
 割とカメラグラスはコモディティ化してしまい、ブランドで殴ってポジション作るか、安くてポジションをとるかの2択な感じがあり、これは後者を選んだのかな。という感じのする製品でした。

YouTubeチャンネル「こたうち企画」

スマートグラスやガジェット、AIに関する動画投稿を行う(予定)のチャンネ
ルです!!
今週はVIVE Eagleの発売があったので合わせて動画作りました!!見てください!!

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100本以上のスマートグラスを調査した内容となっています。
スマートグラスってどんなもの?どんな種類がある?どういう仕組み?という話から、スマートグラスの技術的な限界、スマートグラスが流行るのはいつ?といった疑問にお答えする一冊になっています。

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