旅の息づかい ~2024富山旅行記②「富山を味わう(その1)」~
富山を味わう(その1)
兵庫県から北陸富山は意外に遠かった。
最寄駅から大阪まで行き、特急サンダーバードに乗る。敦賀でさらに北陸新幹線に乗り変え富山駅へ、およそ4時間の列車旅だ。
京都を超えたあたりから空気の質感が変わりはじめる。建物が低くなり、やがてそれもまばらになる。
自然が土地を所有する優しい圧力。車窓を流れていくのは木と田園と民家、そして空。
さっき見た光景が繰り返し再生される。大人にはこういう退屈が必要だ。
富山駅は閑散ともしていないし、ごった返してもいなかった。
駅のエントランスから外に出るとさっそく路面電車に遭遇した。電車が道を走る街に住んだことのない私は、控えめなその踏切を危うく見落しそうになる。電車ですらのんびりしている。
どこか遠くの異国にきたような心持だ。

Cちゃんとはホテルのロビーで待ち合わし、大きな荷物はフロントに預けた。
海鮮を食べるために「氷見」へ向かうのだ。Cちゃんは旅先で列車に乗るのが好きだ。
氷見線は高岡駅から出る雨晴海岸に沿って走るローカル線で、条件がそろえば海の上に立山連峰が浮かび上がるらしい。
その日はあいにく曇りで、見えるのは空と同化した薄鈍色の海。
ガタゴトとただ時間が流れていった。
平日だからか、氷見は閑散としていた。
富山は藤子不二雄さんの故郷らしく、まんがロードと名がつく通りには、怪物くん、喪黒福造、忍者ハットリくんなどのキャラクターが点々と置かれており、愛くるしく歓迎してくれた。
(ちなみに、ドラえもんたちは高岡にいます。)


商店街を抜けて小さな川沿いに出ると行列が見えたのでそれだとわかった。
北陸本の氷見のページで、海鮮料理を出し抜いて最初を飾っていた「貪瞋痴」というラーメン屋さんだ。お昼はお寿司を食べる予定だが、この行列に並ばないわけにはいかない。
店には30分ほど待って入ることができた。

注文したのは「氷見産煮干しラーメン」
まずは、ミシュラン・ビブグルマンを獲得したという透き通った黄金色のスープをレンゲですする。
「美味しい!!」
思わず顔を見合わせた。
煮干しでこんなに上品なスープができるのか…。一口、また一口…
「このスープ、ずっと飲んでたい…」
幸せそうにCちゃんが言った。
チャーシューは後乗せ。麺はまっすぐでコシがあり和風のスープと調和していて、麺とスープだけで完璧な仕上がり。
これまで食べた中でおいしかったラーメンのトップにランクインした。

~次回↓ へつづく~
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