🦋メイ&カレン06|食後のスイーツと、週末の約束
2人は、街のカフェに座っていた。
可愛いスイーツとゆっくりほどけていく時間。
「こういうの、したことありませんでしたの」
お嬢様は、顔いっぱいに笑顔を浮かべて言う。
「とても……楽しいですわ」
「でしょ?」
メイはスプーンをくるくる回しながら続けた。
「あれから一人暮らしどお?少しは慣れた?」
お嬢様は、照れたように笑う。
「まだまだですわ……。こないだ、
キッチン雑貨店という場所に行きましたの」
「お? それでそれで?」
「ええ。それで、わたくし“値段を見て選ぶ”という感覚を、ほとんど知らなかったみたいで……」
メイは思わず吹き出した。
「わかるー。お金ってさ、ほんと一瞬で消えるよね」
お嬢様はフルーツを取りながら続ける。
「……ええ本当に。比べて、計算して、自分で選ぶ。それが思っていたよりずっと難しくて」
メイはうなずく。
「あるある。最初それ全部、向いてない気がするやつ」
「……そうですの?
わたくしが世間知らずだからではなくて?」
「全然関係ないよ」
メイは即答した。
「私なんて、いっつも使いすぎだって言われてるし」
ふと思い出したように、メイが言う。
「あ、そうだ。マダムって覚えてる? 」
「あら」
お嬢様はぱっと顔を上げる。
「マダム……覚えてますわ。あのお上品な女性でしょう?気品があって、とても素敵で……」
「見た目はね!!」
メイは即座にツッコんだ。
「中身はね、マジでおっかないから。
私なんて、毎回ちょっと怒られてる」
「まあ……」
「でもさ」
メイは少し考えてから言った。
「それがね、なんか……いいんだよ」
「この前なんてさ。お金の話聞いてただけなのに、気づいたら部屋、ちょっと綺麗になってて」
「……え?」
お嬢様は目を丸くする。
「どうしてですの?」
「いや、わかんない」
メイは笑う。
「ほんとに。なんでかは不明」
お嬢様は、カップを両手で包みながら、少しだけ視線を落とした。
「……羨ましいですわ。部屋のこともそうですし、その……お金の心配も」
「えっ?」
メイは一瞬きょとんとしてから、ニヤッと笑う。
「じゃ、一緒に行く?」
「……え?」
「ちょうどさ、今やってるんだよ。マダムの講座。一人で怒られるより、二人で行った方がマシでしょ」
お嬢様は少し考えてから、うなずいた。
「……それなら。心強いですわ」
「やった!じゃあ決まりね」
「……ええ。楽しみにしていますわ」
メイは席を立ち、最後に付け足す。
「じゃ、次の土曜日、森の入り口に集合ね〜」
#メイ森
#お嬢様森

この森をもう少し歩く⬇︎
2人が初めて出会った日⬇︎
