13.ゴミ出しとマダム・ザマスの雷
メイの家の玄関には、きちんと口を縛ったゴミ袋が置かれている。こないだテキパキたちと一緒に片付けた時のゴミだ。
メイはソファに横になりながらそれを見る。
「あー、今日ゴミかぁ」
壁の時計を見る。
「……ま、次でいいや」
そう呟き、まだ眠たそうな目をこすった。
数日後の朝。
同じ場所に、同じ袋がある。
「あれ?まだあったんだ。ゴミの日いつだっけ」
カレンダーを見る。
「あー昨日か。じゃ、また今度で」
そう言いながら外に出て、コーヒーをひと口。

大きなあくびをした瞬間、そこに
マダム・ザマスが通りかかった。
「あ……、マダムこんにちは」
(見られたかな……?)
マダム・ザマスはメイの顔をじっと見た。
「……目の下、すごいざますね」
「え?」
「クマが住んでるざます」
メイは頬をかく。
「あー、ちょっと夜更かししちゃって」
「ふむ」
マダムの視線がゆっくり下に落ちる。
「それ、何ざます?」
メイは素直に答える。
「あ……出し忘れたゴミです」
「いつからそこにあるざます?」
メイは天井を見る。
「この前シレットと片付けたやつだから……
先週?」
眉間にシワを寄せ考える。
「……いや」
「先々週です!!」
一拍。
「二週間も玄関にゴミを住まわせてるザマスか!!」
家が揺れた。
「ひいぃ」
マダムは腕を組んだまま袋を指す。
「その袋は観葉植物ザマスか?」
「それとも玄関の置物ザマスか?」
「……違います」
「ではなぜ」
メイがぼそっと言う。
「あの……、タイミングを逃して……」
マダムはうなずく。
「暮らしが崩れる理由はだいたいそれザマス。
判断の先送りがすべての原因ザマス!」
メイは袋を持ち上げる。
「……確かに。でも明後日なんだよな」
「ではあと二日、玄関の家具ざますね」
メイが笑い出す。
「家具!」
マダムはうなずいた。
「ゴミは二週間で景色の一部になる。
次は家具になる前に捨てるざます」
「……はぁい」
マダムは微笑む。
「その返事、判断の先送りにならないことを祈るざます」

マダム・ザマスって何者?⬇︎
