うちの猫のおはなし#2
以前書いた記事からだいぶ時間が経ってしまいました。もしよろしければ、前回のおはなしも併せてご覧ください。
今回は私の生涯の相棒、みけさんのお話です。

みけさんは、私が高校生のときに学校に捨てられていたところを拾ってきた子です。
テスト期間中だったその日、下校時間近く音楽室に忘れ物をしたのを思い出し、人の少ない校舎を歩いていたところで、段ボール箱を抱えた英語の先生に出会いました。
「猫好き?」と聞かれ、「めっちゃ好きです!家にもいます!」と答えると、抱えていた段ボールの箱の中を見せてくれました。中には、まだ歩くこともおぼつかない4匹の子猫。おそらく生後1ヶ月前後です。
学校の敷地内に捨てられていたところを見つけて保護したのだとか。4匹のうち2匹は引き取り手が見つかって、もう1匹は先生自身が飼うつもりだということ。
「どの子が引き取り手が見つからないんですか?」と聞くと、灰色の子と、白の中にうっすらミケ模様が浮かんでいる子だと。そのとき精一杯鳴いている白い子と目が合った気がして、「この子うちで引き取ります!」と宣言しました。灰色の子は、そのまま先生が引き取ることに。

母に「猫引き取ったから連れて帰るわ」と事後報告で電話し軽く怒られました。先住猫のひまさんのことを考えれば、軽率だったなぁと今は反省しています。
猫を捨てた人間は許せないし、この時の自分の行動は軽率だったけど、それでもみけさんと出会えたことは私の中では一生の宝物です。
そんなみけさん、拾われたことが分かっているのか、四六時中私にベッタリとくっついている子でした。朝は部屋のドアを開けてコールで目覚め、休みの日はそのまま布団に招き入れて一緒に眠り、椅子に座れば膝に乗りそのままひと眠り、学校から帰ってくるときには玄関でお出迎え。愛情をめいいっぱい表現してくれる子でした。
家族の誰に聞いても、「手のかからない良い子だった」と評されるみけさん。穏やかで優しくて人が好きで、猫というよりは犬に近いような性格だったのではないかと思います。
そんなみけさんにいちばん懐かれている自負はありましたが、みけさんは誰に対しても愛嬌を欠かしません。
そんな姿に少し嫉妬して名前を呼べば振り向き、膝をポンポンと叩けばダッシュで飛び乗ってゴロゴロと喉を鳴らしながら甘えてくれる。私が実家を出るまでの約3年間、一緒に暮らした時間こそひまさんに比べると短かったけれど、時間が経っても、いつでも家に帰れば全力で愛情を示してくれる。
唯一の大事な大事な存在でした。
コロナ禍で2年近く実家に帰れなかった時期。
結局最後に会うこともできないまま、みけさんは息を引き取りました。今でも実家に帰ると、ドアを開けた瞬間にお腹を見せて出迎えてくれる姿がないのが不思議でなりません。
みけさんとお別れして随分と経ちますが、私はその頃からずっと、機種を変えてもスマホの待受を変えられていません。きっとこの先も、変わることはないでしょう。
今読んでいる「湊かなえのことば結び」のなかで、「わたしはあなたの猫。猫は一人の飼い主に毛皮を九度着替えて会いに来る」という一節がありました。おそらく「猫に九生あり」ということわざを湊さんなりの解釈で表した言葉だと思いますが、私の心に深く響いたその言葉。
もし本当にそうなら、みけさんは間違いなく、わたしの猫だと思います。そしていつか毛皮を着替えて会いにきてくれるなら、その時はまた全力で愛情を注ぐよ。
私にとって一生のかけがえのない相棒。
今回は、そんなみけさんのお話でした。

