藤井猛を救いたい
四間飛車と私
私は四間飛車と共に10年ほど将棋を指してきた。その甲斐あってなんとかアマ三段くらいにはなれた。
10年で何局指したかわからないが、そのうちの6割くらいが四間飛車や相振り飛車を指していると思う。最近は芸を広げるために居飛車を指しているが、将棋を勝つ面白さを教えてくれたのは間違いなく四間飛車だと言える。
四間飛車のおかげでここまで将棋をやってこれたと言っても過言ではない…かもしれない(過言かもしれない)
みんなのヒーロー、藤井猛
四間飛車を指す者のほとんどは「四間飛車を指しこなす本」や「四間飛車の急所」などを読んだことがあるだろう。私も特に「四間飛車を指しこなす本」にはお世話になった。本書に記されている戦法を私のnoteで紹介したこともある。
四間飛車を指さなくとも「相振り飛車を指しこなす本」で相振り飛車を学んだ方も多いはずだ。
角交換振り飛車を指してみたいと思った時、真っ先に挙げられる棋書のひとつに「角交換四間飛車を指しこなす本」がある。私が将棋初めてすぐくらいに発売されたような気がするが、今でも角交換振り飛車党のバイブルのようになっていると思う。
上で記した棋書は全て同じ著者である。そう「藤井猛」九段である。
竜王三連覇という華々しい実績だけでなく、藤井システムや藤井矢倉、角交換四間飛車といった革新的な戦法を編み出し、升田幸三賞を2回受賞するなど将棋界全体の技術向上にも寄与している。私も四間飛車名局集(これは藤井猛著ではない)に収録された彼の将棋を沢山並べたものだ。
普及活動にも余念がなく、軽妙な解説や「こちとら鰻屋の鰻だからね。」といったキレのあるワードセンスで人気がある上、先程紹介した棋書達はいずれも名著として名高い。
でけぇ出版社である河出書房新社はともかく、小規模の浅川書房にとっては今でも主力商品としてバリバリ売れていることだろう。
大学時代に部費で購入したり、自分で買って部室に寄付したものも多く、手元にあるものは少ないが、今でも卒業するときにこっそりパクってこれば良かったなと思うことがある。カスの思考。お金はともかくスペースの問題で買い直すか悩んでいる。
それはともかく、これほどまでに将棋界に貢献し、今でも大人気を誇る藤井猛九段だが……私は文句を言いたい。たとえ藤井猛ファンに針のむしろにされようとも。
藤井猛、聞け
ここ数年の藤井九段の将棋や活動っぷりを見ると、なんかもう「余生モード」に入っているように見えて仕方がないのである。
年齢も50を過ぎ、負けることが増えるのは仕方がないが、負け方が悪いのが多い。
そもそも対局が減ったこともあって棋譜中継されることも少なくなったが、たまに中継されたと思えば持ち時間を残して終盤で寄せ損なったり、終盤に入らずポッキリ折れたり、攻めが切れてはい投了みたいな将棋が悪目立ちする。
勝つ時はガジガジして上手く勝つのだが、「あっ、心折れやしたー投げやーーすあざした〜」みたいなのが棋譜から伝わってくる将棋を観ると悲しくなってしまう。
少なくとも、ずーっと前のA級順位戦で羽生先生に逆転負けして駒台の駒を盤にぶちまけて体育座りしていた時のような気迫は感じられない。その時はまだ私は将棋を初めていないが、後になって心を打たれた1枚である
数年前にAbemaTVトーナメントに出た時もポッキリ折れたような投了をして藤井聡太を困惑させていた記憶がある。
駒台に力なく手をかざすだけの、「アッス」みたいなおよそ青少年の教育に相応しくない投了シーンが無惨に晒されていた。
解説に出てくる時も将棋の解説じゃなくてトークショーをしに来ただろみたいな時がある。
ファンを批判するのはお門違いなのだろうが、ファンもファンである。藤井猛を盲信し、一挙手一投足を神のように崇め、しょーもない負け方をしても褒めちぎっている。
最近の藤井猛は「棋士」としてではなく「ブランド」で飯を食っていると言わざるを得ない。何してもファンは褒めてくれるんだからそれでも十分食べていけるだろう。たまに立会人や解説、イベントに出て、後は印税でのんびり暮らせば良いのかもしれない。
ただ、厳しいことを言うとそれならフリークラス宣言をすればいい訳で、せっかく今でもB級2組、竜王戦2組に所属するだけの力は保っているわけなのだから、今の余生モードみたいな姿はとてもつらいものがある。
本当に厳しいことを言うと、今の藤井猛は「ブランドで食ってるおしゃべり振り飛車おじさん」でしかない。そんな藤井猛を見たいわけじゃない。
今一度「棋士 藤井猛」や「序盤の伝道師 藤井猛」をみたいのである。
一個人の思いとしては、まだまだ棋書を出して欲しいという思いがある。「四間飛車上達法」が最近出版されて、あれも素晴らしい棋書だが、今一度彼に四間飛車や相振り飛車の定跡をまとめあげてほしい。
彼ならば藤井システムだけでなく、角交換振り飛車や普通の組ませる四間飛車、最新の振り飛車ミレニアムなどもわかりやすく、そして高度に整理できるはずだ。
棋書を出版するのはどう考えても大変である。これから先はもう出ないかもしれない。それは仕方がない。
しかし、それならば棋士としてもう一花咲かせて欲しい。漫談に花を咲かせるおっさんに終止しないでくれ。
さいごに
藤井猛、聞け。
こんな戯れ言をほざく26の若者を結果で黙らせてくれ。
