家族旅行記|ほろ酔いパンナコッタ 予想外の「奇跡」を歓びたい
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予約という行為が苦手だ。
前もって準備することに疲れを感じる。
旅行という未知の領域で、予約した時間に縛られることが窮屈に感じる。
責任も負いたくない。
だから苦手というより、積極的に「決めたくない」のかもしれない。
なんとかなるという気持ちだったけど、
夕食の予約をしてないことで、夫がピリピリしていて、私も常識的な頭が働いて、片っ端から電話を掛けた。
ホテルのそばの居酒屋は、予約が必要な人気店が多かった。
かといって、地元にあるようなチェーン店に入るのも味気ない。グーグルマップでなるべく星の多いところに電話してみた。
どこもいっぱいか、8時か9時からならいいけどってお店ばかりだった。
5軒目くらいで、「7時半からなら」って言われた。
一瞬の間のあとすぐ、「6時半からも大丈夫ですね」とドラマチックに告げられ、予約が取れた。
お寿司と天ぷらが売りのカジュアルな居酒屋。
星4って結構いいんじゃない!?
「ちゃんと、うまくいくんだわ笑」
予約取れたから言えるセリフだからね、と何回か言われたが、「なるほど!」とスルーした。
錦市場から歩いてすぐのそのお店は、広々として賑やかだった。
とりあえずビールってずっと思ってたのに、一瞬の気の迷いで「抹茶ビール」を頼んだ。

コップ一杯で満足したので、隣の人におすそ分けした。
(押し付けた形にはなる笑)
ここでちょっと嬉しい出来事があった。
「さっきアスパラにありつけなかった人がいる気がする」
と、夫がアスパラを頼んでくれた。
そんな優しいことを言ってもらえるなんて思いも寄らなかった。
私は、つい先ほど錦市場で、注文したアスパラと夫を置いて、雑踏に繰り出した。歩きたかったのだ。子どもたちが何やってんのと心配するくらい、自分勝手で怒られてもしょうがない案件だったのに。
夫は優しい人なのかもしれない。
子どもたちも安心しただろう。いつもこういう安心が続いたらいいのに。
いや、素直にうれしかったので、ありがとうございます。
子どもたちは16歳と18歳。一緒にお酒飲めるようになるのもあと少しだね、と楽しみになった。
春分を過ぎたから、何か抱負を言お!と投げかけて、一人ずつ言ったはずなんだけど、すっかり忘れた。その席で喋ったことをあんまり覚えていない。でも、楽しかった感覚だけは残っている。
居酒屋を後にして、ホテルへ向かう道すがら
「スイーツ食べたいね」
とつぶやいてみた。
他のメンバーにも聞こえるように何回かつぶやいて、「スイーツ食べたいね」を浸透させ、みんなの気持ちを高めることに成功した。
急に言われてもとスマホで夫が調べてくれていた。クロワッサンとワインの店、と聞こえた気がした。
その矢先、目の前に素敵な町屋カフェが現れた。
営業してるのか?夫のグーグルマップでは営業終了の時間が迫ってるっぽかったけどとりあえず入ってみる。
ラストオーダーまであと10分。営業時間はいつもより長くて、あと1時間は開けてるから大丈夫とのこと。
奇跡ですね!
外側も素敵だったけど、内装もまたおしゃれだった。中庭もあり、本当に落ち着く空間。すぐに、お客は私たちだけになった。贅沢だなぁ。

もう少しだけ呑みたい。でも、呑めるかなぁ。甘いものも食べたい。どうしようと迷っていると、夫はサングリアを頼むとのこと。それ一口ください、とお願いした。おいしかったら半分くらいもらおうと思っていた。ジャイアンなので笑
もう夜は目がよく見えなくて、ぱっと目に飛び込んできたパンナコッタを頼んだ。
そして運ばれてきたパンナコッタに驚いた。

「ほろ酔いパンナコッタ」とのこと。洋酒をかけるスタイルになっていた!
「もう少しだけ呑みたい。でも、甘いものも食べたい」
という自分のわがままが叶えられた、夢のスイーツだった。
予想外の歓び、というのは、調べて準備した時には味わえない格別感があるのだと思う。
私は心から満たされた。
写真を撮りまくっていたら、充電なくなり、夫のモバ充を借りた。
そして、モバ充を床に落とした。あはは、ごめんなさいね。
何が転がっても楽しくなれるくらい、ほろ酔いパンナコッタが最高すぎた。
息子に一口ちょうだいって言われて、ごめんね、洋酒をかける前にあげればよかったね、あはは。とまた笑えてきた。
(私の素敵なパンナコッタですので。あげられないですね。真っ先に洋酒をかけてしまったの。ひどいお母さんですかね?しょうがないですよね。今に始まったことじゃあないですしね。うふふ)
至福の時を過ごしてお店を後にした。
予約しなくてもちゃんとうまくいくんだよ~ すごいね~
ちゃんと今一番食べたいものが食べれた。
幸せ~
って熱弁していたら
たまたまうまくいったからいいものの、普通は予約してくださいと釘を刺された。しかし私はぬかだった。
しばらくフラフラ歩いていると、さっきのカフェの店員さんが走って追いかけてきた。
「お客様のですか?」
夫のモバ充の布カバーだった。わっすいません。さっき落とした時気づかなかった。
「人に迷惑をかけがち」と指摘されたので、
「いつも皆さんに助けていただいてありがたいです」と感謝の気持ちでいっぱいになった笑
もっと歩きたい気分だったけど、ホテルにおとなしく帰り翌日に備えることにした。
花粉症と思い込んでたら、怪しい喉の痛みがあって、風邪かもしれないと予感した。旅行先で風邪でダウンだけは避けたい。
少々不安もありつつ葛根湯が効きますようにと祈って眠りについた。
つづく
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