1時間で!? やるじゃん、Claude。あらすじ渡して小説書かせた、そのときの手順。
Threadsにこんなこと書いたんですよ。
小説=創作にAIを活用することのスタンスについて
AI生成された創作物を嫌う人はいるけれど、今後、世界は物語欲(物語を自分で発信したい気持ち)を持つ人は増加する。
たとえば広告に物語を取り入れたいとか、子どもや孫に自分の知っているなにかを物語にして伝えたい、とか、そういう物語欲は悪いものじゃないと思うんですよ。
そのお手伝いとしては、AIは決してプロの仕事を邪魔するものではなく、既存の物語世界を壊すこともなく、人々の気持ちと世界を穏やかにする方へ向かわせることができると思う。
そのためには、人間のなかに小説や物語を読むリテラシー、書けるリテラシーがあることが大事で、これがあればAIは手助けになるはず。
ただ、プロだから、自分の文章は自分で書いて責任取ります。 あくまで、AIでの創作支援はプロじゃない人向けだというスタンス。
物語欲という造語について
物語欲っていうのは最近自分で使い始めた言葉で、たぶん誰か使ってると思うけど、物語論勉強してきた身としては聞いたことがない単語。
これはユヴァル・ノア・ハラリの言い方も踏まえてる単語。もっとも人間が物語をつくることで組成されてきたって話は構造主義の根幹であって、ハラリが格別新しかったわけではないけど。
ハラリが言ってたのは「人間は嘘=虚構=物語を信じる素質を持っている。しかもそれが構造化された嘘である(嘘レベルなら哺乳類も持ってる)。その物語が全体に波及し、全体のほとんどがそれを信じているがために、人間社会の大半が形成されている」という考え方。
で、これを考えると幼児が嘘をついて自分を守るのも、虚言癖の人が出てくるのも、資本主義や全体主義、社会主義や虚無主義など主義というものが共通認識のように出回るのも(そして正確に伝播しないのも)、オレオレ詐欺みたいなものに引っかかる人が現れるのも、この人間の素質にある。
これを逆転させるのが物語欲。受け取る方じゃなくて発信する方。
先の例で言えば、詐欺をする人間、独裁する人間、専横する人間、などなどは物語を利用して人を支配しようとしているのだけど、これは今あえて悪い方で言ったけど、良い方向に物語欲を使う人もいるわけですよ。
良い方向としての物語欲
小説家とかではないですよ。もちろん小説にもその機能はあるし、ある種の児童文学は教訓的に使われたりする。道徳もそう(道徳という教科の悪い点は、倫理という授業の枠組みと比較して、道徳は道徳を批判的観点で見ないこと。倫理は自分を疑う)。
たとえば今日こんなことがあったよという日報
こんなものを見たんだという観察
明日こういうことをしたいんだという予定
将来こうなりたいんだという夢
むかし私はねという経験や歴史
これこれはこういう仕組みだけどあれに似てるよねという類推
あなたがやったことはこうだから悪い/善いという判断
そうしたものはそのまま直接単語だけで伝えるよりも、ある程度の文章にして伝えるわけです。最後のなんかは裁判の判決文というのがありますね。
判決は物語の一構造
判決文はまさに判決を伝える文だけど、そこには時、場、人、事というわたしが授業で、場面ごとに必須な初期情報だと口酸っぱく言ってるものを踏まえて書かれている。だからそれが具体的に伝わる。ときには臨場感溢れるシーンして伝わる。
なぜそうするかというと、時間経過や、場所の具体性、人格の立ち上げ(個性化=キャラクター化。キャラ化ではない。キャラ化は一面性のレッテルになるので)という三つの物語構造がどのように事に関わり動かしたのかをわからせるためです。
そしてこういうことは日常でよく起こる。裁判ではなくて、報告とか、連絡、約束、予定、夢、そういったものは物語として機能できる隙を全部持っている。
そしてそれを伝える時、うまく伝えたい。これが人間の欲。
物語欲とは、うまく伝えたいという欲
幼児が自分の要求や嘘を伝えたいとき、うまくいかなかったら泣いたり拗ねたり逆ギレしたりするでしょう? あれはこの欲がかなわなかったから。伝わらなかったと同時に、欲がかなわなかったので感情が激する。
こうした物語欲はいろんなところで発生する。人間と関わっていると必ず発生するし(たとえば接客スキームで笑顔を出すとかは「買い物体験の快楽」という物語を発生させる)、ひとりきりで閉じこもっていても自分と対話してしまうと物語は発生する。
後者はわかりますか。
なんて自分はだめなんだろう。
なんで自分はだめなんだろう。
自分は~~だから~~できない。
どうせ自分なんて。
こういうのは世界または社会、つまり人間の群れと自分という個が絡んでいる物語になってしまう。世界や社会は時が経過していて、場が成立していて、人がたくさんいて、そして事が生起している。それに対して自分は無と思ってしまう。ここを悔やんだり、キレたりするのですよ。
そうした物語欲は誰にでもある。
物語欲の昇華方法について、文章力という壁
そうした中で、物語欲を正しく昇華するには、文章を書けるようになるのが一番いい、とわたしは思っているんです。たとえばこの一連の文章はここまでに五分くらいで書いているけど、2100字くらいの垂れ流し的物語ならそれくらいで書ける。これは文章力の修練をしてきたからですね。
さて、一般の人が物語欲を満たそうとするとき、文章力という壁があるわけですが、その前に発想力がある。
なぜ前なのに後に語ったかと言うと、発想は常に必要ではないから。たとえば今日あったことを話すのは、発想は必要無くて情報の整理その力があればいい。
実は発想は必ず必要なわけじゃない
だから発想は、必ずしも必要はない。ありきたりなものでいいこともある。もちろんパクリはだめだけど、きょうやった良いことを伝えるというのは誰かと必ず似ているけど、パクリといえるほどのものじゃないですね。
ちなみに今回の本題は発想なんだけど、発想には三段階あって
単語レベルの思いつき
ある程度の構造の思いつき
複雑な経過が含まれる構造の思いつき
の単語レベルは、何食べたい?たいやき! くらいのレベル。小説を書けない人の半分くらいが単語から先にいかない。2に行くまでに挫折する。
は構造が入っているから文章レベル。1行で説明するレベルで、全部は説明してないけど、推移や経緯という時間が流れるレベルはわかる。これができればかなりましになる。それより難しいのは
で、複雑な経過が含まれるとき。2の構造は、たとえば、どういう主人公が何してこうしたら、こうなった。くらいで、一人の人物でいい。でも3の場合はメインが主人公であっても、他の人物が絡んだり、出来事が主人公の力を超越して関わってくる。
2については
このページにあるように、そういうアプリを作ったので、2に到達しない人は使ってみるとおもしろいかもよ。あくまで小説を書くためのアプリだけど(「術式!1行プロット生成!」ってアプリです。ボタン押すとプロットが出てきて、主人公の設定を少し入れると、それを踏まえたプロットを出してくれます)。
今回語りたいのは3なんですよ。長い前提ww だから売れないんじゃないか。ここまで読んでないんじゃないか。
今回やってみたのは、Claudeのチャットに対して3レベルのあらすじを、ちょっと乱暴に伝えてみたらどこまで小説になるかというテストです。
ではこっからは実際にどういう手順で書いていったか、実況風。
Claudeに小説を書かせる模様:準備段階
私:いまskillとかになってるか確認してほしいんだけど(っていうのもたくさんあって覚えきれないんだ)、noteに書くための文体スキルはこのチャットでも使える?
Claude:スキルフォルダを確認しますね。
あります!kubo-style というスキルで登録されています。
このチャットでも使えます。「くぼ英樹」スタイルの文体で書いてほしいとき、note記事・講座テキストの執筆・書き直しなど、上記のスキルの説明に該当する作業を依頼してもらえれば自動的に読み込んで使います。
ちなみに今登録されているユーザースキルを全部まとめると:
スキル名|用途名|
kubo-style|くぼ英樹文体でnote記事・本文執筆
novel-write|小説執筆汎用ルール
私:ありがとう。 短い物語を君と共作してみたくて。 ではkubo-styleとnovel-writeを適用させます。
と書いて、次があらすじです。
ある男、25歳のサラリーマン営業職が先方からの直帰で、夕方早い時間、ふだんはその時間に歩くことのない地元商店街をのんびり歩いてたら、知らないでもおいしそうな店を発見、入ってみるとそこはなんでも食べたいもの作ってくれる食堂で、出てきた店主=
ある男、25歳のサラリーマン営業職が
先方からの直帰で、
夕方早い時間、
ふだんはその時間に歩くことのない地元商店街をのんびり歩いてたら、
知らないでもおいしそうな店を発見、
入ってみるとそこはなんでも食べたいもの作ってくれる食堂で、
出てきた店主=同じ年くらいの美人女性が気軽に話しかけてきて、
というのも小学校の同級生だったらしく、
主人公は覚えてないんだけど、ちょっとデレデレしてしまい、
で、頼んだのは給食でよく出てたものだけど、
そんな料理はおとなになっても誰も知らなくて、
名前もわからないから調べられなくて、
そう話すとその店主、いいよって作ってくれたのは
単純なビーフンだった。
うまいって食べて、店を出て、また来るよって言って、
そしたらその店は存在しない。
当時の同級生に話をきくとそんな人いないって。
という話。
主人公はタクミ
ヒロインは、みち
友人はタナカ
タクミの一人称。 Threadsの2投稿か3投稿で乗せられるくらいの文章量。 タイトルは、「あのごはん何だっけ、そして、あの店どこ?」
1行プロットがさらに長くなった感じですが、あらすじの先頭で、時・場・人がわかるようになってますね。そしてその3つで事が進み、そこにもう1人現れる。で、情報としてもう1人追加されて最後に登場する。3人がそれぞれに情報を持っていてお互い知らないことがあり、自分だけが知っていることがあるなど、情報の保持が分かれてるので齟齬がおこり、その齟齬が物語としての核になってる。
というあらすじをスマホで字を間違いならが打って直して打って直して、五分くらいかかって、わたしたら、
スキルを読み込みます。
2個のファイルを表示しました
2個のファイルを表示しました
読み込みました。では書きます。
と言って、10秒で初稿を出してきました。しかもThreads連投を踏まえて、投稿ごとに分けてきました。
Claudeに小説を書かせる模様:初稿
タイトル:あのごはん何だっけ、そして、あの店どこ?
【1投稿目】
直帰って、いい。
先方から地元まで、一時間弱。
夕方五時には最寄り駅に降りていた。
いつもはこの時間、電話とメールに追われてる。
なのに今日は手ぶらみたいな気分で、商店街をぶらぶら歩いてた。
スーパーや居酒屋が並ぶ通りは知ってる。
でもそのひとつ裏、こんな路地があったっけ。
小さな暖簾が揺れてた。
看板らしい看板もない。
のれんに「食堂」とだけ書いてあった。
おなかは減ってた。
引き寄せられた。
【2投稿目】
「いらっしゃい」
奥から出てきた女の人が、二十五か二十六か、おれと同じくらいの年だった。
思わず固まった。
顔が、いい。
仕事中だぞ、おれ、ちがった、直帰か——
「拓海くん、だよね」
名前、いわれた。
「えっと……」
「みちだよ。道上みち。小学校、一緒だった」
覚えてない。
でも「そうだっけ」とも「覚えてない」ともいえなくて、なんかデレデレした顔で「ああ——」とうなずいてしまった。
【3投稿目】
「何でも作るよ。食べたいもの、いって」
みちはカウンターに肘をついて、さらっとそういった。
「何でも?」
「何でも」
おれは少しかんがえた。
ずっと気になってたことがあった。
「給食でよく出てたやつなんだけど、名前がわからなくて。タナカとかに聞いても誰も知らなくて」
「どんなの?」
「なんか——ビーフンっぽいんだけど、もっと薄味で、野菜が多くて」
みちは「ああ」と小さくうなずいて、厨房に消えた。
十分くらいで出てきたのは、白っぽい炒め物だった。
ビーフンに、人参ともやしと玉ねぎ。
あのころの匂い、がした。
うまかった。
ほんとうに、うまかった。
店を出るとき、「また来る」といった。
みちは「うん」といった。
——でも。
一週間後、路地に行ってみたら、暖簾はなかった。
タナカに「道上みち、覚えてる?」ときいたら、「誰それ」といった。
あのビーフンの名前は、まだわからない。
最初に出たスキルのkubo-styleってやつが、句点がくるごとに改行と指示してあるのでそれを見習って句点ごとに改行してきます(これは行単位で直しやすいから。句点単位で入れ替えがしやすい)。ほかにも言う、見る、聞く、考える、思う、は漢字を使わないというルール。好みの問題。
で、まあ、これでもできてるほうである。渡したあらすじに忠実で、そのうえ指示してない事が追加されている。
たとえば人間には苗字があるので、それを付加してくる。こっちはタクミと指定しているのに、字を当ててきてますね。なのにタナカはタナカだよw
Claudeに小説を書かせる模様:修正指示
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