見出し画像

デアデビルのコミック紹介④(3期&4期)

【はじめに】

 「アメコミ初心者がデアデビルをたくさん読んだので自分の覚書のためにもTPごとに感想などをまとめておこうという記事」の第4弾です。第3弾となる前回の記事では1998-2011年の第2期デアデビルの後半を本誌でのシャドウランドイベントまでについて書きましたが、今回は、どちらもマーク・ウェイドのランである2011-2014年の3期と2014-2015年の4期の、合計11冊をまとめて記事にしてゆきます。

 記事内で取り上げているエピソード・本はすべて読み、間違いなどはなるべくないようにできる限り努力していますが、膨大なマーベルコミックの海に埋もれる初心者であることは依然として変わりはないので、ちょっとした間違いなどはご容赦くださいね。ひどい間違いはこっそり指摘してください。それではここからスタートです!

☆3期☆

<Vol.1> ※Daredevil (2011-2014) #1-6

Daredevil By Mark Waid Vol. 1(Amazon.co.jp)
デアデビル:サウンド & フューリー (Amazon.co.jp)

 マットの精神をこれでもかと痛めつけまくってシリアスに展開した2期デアデビルと、その結果としての闇落ちイベント「シャドウランド」を経て、直前まで改心の旅に出ていたマットが、開き直ったかのように明るくなってニューヨークへ戻ってきた、という幕開け。世界中の人々にマット=デアデビルだと知られている状況は変わらず、そのせいで弁護士活動もままならないけれど、マットとフォギーは知恵と経験でそれらを乗り越え人助けをしようと奮闘している。キルスティン・マクダフィーとも出会い、デアデビルとしても、今後のクロスオーバーに繋がる事件に足を突っ込みつつ、ひとまずは鮮やかに解決。本全体として明るくチャラく、それでいてマットの大人っぽさや優しさもしっかりと表現され、流れるように読めて爽快な本だと思います。このあいだ邦訳が出たので再読しましたが、初読時の記憶どおりかそれ以上に楽しかったです。取っ掛かりとして最高の本かと思います。オススメ!


<Vol.2> ※Daredevil (2011-2014) #7-10, #10. 1, Amazing Spider-Man #677

Daredevil By Mark Waid Vol. 2(Amazon.co.jp) 

 Amazing Spider-Man #677は、Daredevil #8と前後編になっていて、3巻めで始まるクロスオーバーの本格的な序章です。スパイダーマンとデアデビルが共闘するだけでも楽しいのですが、マットがフェリシア・ハーディを寝取ろうとしてピーターを闇落ちさせかけたり(?)など、一筋縄ではいかない内容になっていて必読です。Daredevil #10.1は面白いナンバリングですがこれも普通にデアデビル誌としての内容で、やはりクロスオーバーの準備回です。

 「マットが盲目の子供と出会い、導くつもりが逆に導かれる」というような内容の話は他にもいくつかあるのですが、この本の最初のエピソードの、盲学校の遠足をボランティアで引率するマットの話のDaredevil #7がその究極形のような心に残る素敵ないい話で、何度も読み返しています。この話だけでも読んでみてほしいです!


<Vol.3> ※Daredevil (2011-2014) #11-15, Avenging Spider-Man #6, Punisher #10

Daredevil By Mark Waid Vol. 3(Amazon.co.jp)

 デアデビルが所持してしまった、「オメガドライブ」という世界の犯罪組織のデータが入ったディスクをめぐる、デアデビル・スパイダーマン・パニッシャーの3誌クロスオーバー回が収録されています。この3人プラスアルファの軽妙なやりとりや、共闘や裏切りはそれだけでもワクワクします。また、それに続くDaredevil #12-15もこのディスクの話の続きで、こちらにもアベンジャーズが登場したりラトヴェリアが舞台になったりと華やかな話が続き、まったく飽きさせません。わたしはマーク・ウェイドのランを読むより前に3誌クロスオーバー部分だけを先に読んだりしていましたがそれだけでも充分に楽しかったので、クロスオーバーに興味があるのならこの巻だけ読んでも大丈夫な作りになっていると思います!


<Vol.4> ※Daredevil (2011-2014) #16-21

Daredevil By Mark Waid Vol. 4(Amazon.co.jp)

 ヴィランのスポットやコヨーテにはめられたマットがフォギーからの信用を失い、しまいにはマットはフォギーから事務所を解雇されてしまいます。あらすじだけをみるとまたドのつくシリアス展開になりそうなのですが、デアデビルがヴィランと対決する流れはするすると読めますし、このランの根底にある明るく軽やかな雰囲気でのできごとで、且つ、話がだんだんとフォギーとの仲にフォーカスされてゆく予兆があるので、妙にワクワクさせられます。


<Vol.5> ※Daredevil (2011-2014) #22-27

Daredevil By Mark Waid Vol. 5(Amazon.co.jp)

 なんとかフォギーと仲直りしようと画策するマット。それがうまくいきそうなとき、フォギーが病魔に侵されていることが判明します。今後のマットとフォギーの行く末を揺るがすことになる大事件で、二人の悲痛は読んでいても心が痛い…。これを機に二人の関係は元の通り親密なものに戻ってゆきますが、フォギーの病状は一進一退で、マットと一緒にかなりハラハラさせられます(ちなみにフォギーの治療を最先端技術で何かと助けてくれるのがあのハンク・ピム。ピム博士は3巻でのオメガドライブに関する話にも登場しマットを助けてくれます)。読みごたえたっぷりのTPで、このあたりのストーリーの機微は本当に好きです!


<Vol.6> ※Daredevil (2011-2014) #28-30, Indestructible Hulk #9-10

Daredevil By Mark Waid Vol. 6(Amazon.co.jp)

 ストーリーアークとして考えると繋ぎのようなエピソードが多い本です。ですが、子どもの頃のマットを苛めていた人物の現在の顛末を取り上げたものだったり、シルバーサーファー(ノリン・ラッド)とデアデビルが出会って一緒にサーフィンをしたりなど、妙に心に残るエピソードばかりでなかなかよかった。

 同時収録されているIndestructible Hulkのほうもデアデビル誌の内容とは関係はないようですが、ハルクが一時的に盲目になりデアデビルが手助けしたり、ハルクもマットを助けたり、というストーリーでマットがメインゲストとして活躍するのでデアデビルファンなら読んで損はないかと!


<Vol.7> ※Daredevil (2011-2014) #31-36

Daredevil By Mark Waid Vol. 7 (Amazon.co.jp)

 サンズ・オブ・ザ・サーペントという犯罪組織と戦う過程で、いろいろあってニューヨーク州での弁護士資格を失ったマットとフォギー(まあ、失うのはこの10年前でもよかったくらいですが)。キルスティンの「以前に弁護士として活動していた実績がある州でなら弁護士の仕事もできるかもしれない」というアドバイスによって、1期の頃にナターシャ・ロマノフと暮らしていたことがあるサンフランシスコへの移住をマットが決意するのがこの本のラスト。マットが引っ越し荷物に埋もれる36号のカバーが面白い(笑)。そんなわけでマットやフォギーは一大転機をむかえます。フォギーの身がどうなったか、などは4期へと持ち越されます


☆4期☆

<Devil At Bay> ※Daredevil (2014) #0.1, 1-5

Devil At Bay (Amazon.co.jp)

 Daredevil #0.1は‘Road Warrior’というサブタイトルでのインフィニティコミックで、コマ割りなどがいつもと違う形になっています。マットがサンフランシスコへと向かう旅路で巻き込まれる事件を描いたもので、風変わりな敵が登場してなかなか面白かった。それらの事件を経て、サンフランシスコへ無事に(?)引っ越しをしたマットは、キルスティンと弁護士事務所をなんとか開設し、デアデビルとしての活動も再開します。デアデビルの「椅子の人」をやってるキルスティンが生き生きしていてかっこいい!そしてデアデビルが転勤先で苦労しているようにしか見えないのがくすっと笑える。フォギーは思ってもみなかった形でマットとキルスティンに協力しています。フォギーがどうなったかは読んでのお楽しみ!


<West-Case Scenario>※Daredevil (2014) #1.50, #6-10

West-Case Scenario (Amazon.co.jp)

 マットはワカンダへ拉致された母マギーを救出に行ったり(イベント「オリジナル・シン」タイインとのこと)、出版社を経営しているキルスティンの父親から自伝を書くよう依頼されたことから自分の過去を掘り起こしたマットが、結果パープルチルドレンに精神を潰されそうになったり、波乱の日々を描いたエピソードでなかなか読み応えがあります。
 また、TPの冒頭に収録されているDaredevil #1.50は、デアデビル誕生50周年記念として刊行された、別アースを舞台にした短編3篇。「50歳のシングルファーザー・息子のジャッキーくんがいる・元サンフランシスコ市長」という属性のマットの話と、おそらくこのジャッキーくんの母でマットの妻だったらしいスタナ・モーガンという女性を主人公にした話、マットの“双子の兄弟”である「マイク・マードック」が主人公の話です。どの話も興味深いものばかりですし、別アースであるにもかかわらずこの時点の現在のマットの状況・今後のマットの行く末に繋がる話ばかりでかなり面白かったです!


<The Daredevil You Know> ※Daredevil (2014) #11-15

The Daredevil You Know (Amazon.co.jp)

 サンフランシスコまで来てオウルと戦う羽目になるマット。マットとキルスティンはそれまでフォギーの存在(生存)を隠していましたが、オウルたちの陰謀でそれが白日のもとに晒され、またマットたちが懇意にしていた副市長たちの信頼も失わされることになり、彼らのサンフランシスコでの生活もだんだんと窮地に陥っていきます。
 ちなみにここでシュラウド(マクシミリアン・コーリッジ)を読んで知っていたことで、後にジェド・マッケイのムーンナイトに登場したときに「あ、あのときデアデビルで読んだ人だ!」となれたのでちょっと嬉しかったです(笑)


<The Autobiography of Matt Murdock> ※Daredevil #15.1, 16-18

The Autobiography of Matt Murdock (Amazon.co.jp)

 結果的にサンフランシスコでの最後の戦いとなる相手は、スパイディにニューヨークを追放されたらしいウィルソン・フィスク。みんなデアデビルが恋しいとみえて、ニューヨークから追いかけてくるヴィランが多すぎてこのへんでは笑いながら読んでいました。そういう日常の空気のまま最終回を迎えます。
 また、このランは特殊なナンバリングのエピソードがいくつもありますが、これも変わったナンバリングであるDaredevil #15.1は「マットの自伝として書かれるはずだったエピソードをまとめた」という体裁の話です。ゴーストライターはフォギーなのでエピソードにも信憑性と愛があってとても楽しかった。作中で結局発売されなかったマットの自伝、読みたかったな…

 そんなわけで、楽しかった3期&4期もここで終わり。サンフランシスコでの彼らの今後の生活がどうなるかということは明かされず(5期の後半で分かります)、ここでは西海岸の明るい空気感のまま終わっていくのが「らしい」なと。
 デアデビルというヒーローの持つ本質はしっかり保ったまま、明るい雰囲気を前面に押し出してぐいぐいと読ませるエピソードばかりで、いっさい中だるみせずに読むことができました。ある意味異質ともいえる時期ではありますが、ネットで感想を追っていてもマーク・ウェイド期がいちばん好きだという意見をよく見かけるのも頷ける、ほんとうに楽しいランでした。


【次回予告】

 次回はチャールズ・ソウルのランである2015-2018年の5期についてまとめたいと思います。更新時期は1~2か月後になる予定です。
 それでは、今回も読んでいただきありがとうございました!


更新日時:2025年9月14日 23時20分
文責:kude
当ブログの文章の無断転載・無断引用・生成AI学習を禁じます

いいなと思ったら応援しよう!