デアデビルのコミック紹介⑤(5期)
【はじめに】
「アメコミ初心者がデアデビルをたくさん読んだので自分の覚書のためにもTPごとに記憶や感想をまとめておこう」という記事の第5弾です。前回はマーク・ウェイドによる3期&4期をまとめたので、今回はチャールズ・ソウルによる5期です。ちょうどこのランが連載されていた時期にNetflixでデアデビルのドラマが始まったこともあってかコミックのほうでも内容の密度が濃く、さらに2025年のディズニープラスでのドラマ『ボーン・アゲイン』ではこのソウル期から多くの要素が採用されているので、特に人気の高い時期だと思います。今回は全8冊です!
※Marvel Unlimitedで読む場合はこちらから飛べます
※毎度のことながら、間違いなどのないように努力していますが、小さなミスなどがあった場合は流していただけると有り難いです。大きなミスがあったらこっそり指摘してください
<Daredevil: Back In Black Vol. 1: Chinatown> ※Daredevil (2015) #1-5 and All-New, All-Different Point One #1

4期から5期の間に何かがあって(後に分かります)、「(フォギーを除いた)世界中すべての人がデアデビルの正体を知らない」という、マットをとりまく環境がそれまでとはガラッと変わった状態で始まります。マットはサンフランシスコからニューヨークへ戻り、事務所を構えた弁護士ではなく、地方検事補として裁判所勤めの身分になっています。そしてデアデビルは黒いコスチュームを身にまとい、何の説明もなくサイドキックを持つようになっている。興味を引く要素もたくさんありますし、何もかもがいかにもリランチという感じでとっつきやすい!わたしもドラマからデアデビルに入った人間なので、いちばん最初に読んだのがソウル期だったらきっともっと分かりやすかったのではないかと思っています。ここから読むのはかなりのオススメです
巻末のAll-New, All-Different Point Oneには、この新しい世界に登場したデアデビルのサイドキック(ちなみにマットはサイドキックではなく「弟子」だ、と主張しています)、「ブラインドスポット(サミュエル・チャン)」くんについてのバックグラウンドの説明にあたる話が収録されているのでこれも必読。サムくんはいつかぜひとも実写化してほしいキャラです
<Daredevil: Back In Black Vol. 2: Supersonic> ※Daredevil (2015) #6-9, Daredevil Annual (2016) #1

マットがとある目的でマカオのカジノに出向き正装でポーカーゲームをしたり、記憶を操られたエレクトラから「あなたとの間に子供がいる」と言われたりする話が特に印象深い1冊です。
そういえば他の時期ではだいたい付き合っている人や結婚相手がいたり、いなくても異性にかまけている描写が多いマットですが、ソウル期においては恋人はおらず、そういうことになりそうな相手もいないという珍しいことになっています(恋愛以外のことで忙しすぎる状況なのでそれも納得)。唯一少しだけ女性とそういう雰囲気になりそうだったのがこのマカオでのことでした。まあ、特に何も起こらなかったのですが。
アニュアルはユリシーズ・クロウの放つ音響兵器と戦うエコー(マヤ・ロペス)とデアデビルの話。音響兵器という、効果がきれいに正反対に出る武器を相手にする二人の描写がよくて、そう派手ではないけれど好きな話です
<Daredevil: Back In Black Vol. 3: Dark Art> ※Daredevil (2015) #10-14

ディズニープラスのドラマ『デアデビル:ボーン・アゲイン』にも登場したヴィランの「ミューズ」をめぐる騒動がメインとなります。コミックのページそのままをドラマで再現した部分もあり、類似点や逆にまったく違う点を探すだけでも楽しい。また、中国系の非正規移民であるサムくんの境遇とそれを法律の観点からなんとかしようとする弁護士としてのマット(しかしアメリカ国民で白人男性であるマットには“見えて”いないことも多いと描写されている)、彼らがそれぞれの立場でなんとかヒーローをやろうとしている描写も多く、そちらもかなり印象深い。排外主義が蔓延る今こそ読まれるべきコミックではないでしょうか?
<Daredevil: Back In Black Vol. 4: Identity> ※Daredevil #15-20

突然、「デアデビルの首に賞金が賭かっている」という話から始まります。は?誰が?何のために?それでここでマットは何してるの?と疑問だらけの状況なのですが、2話めのラストに状況がすとんと飲み込める。そういうことだったのか…となる瞬間がもはや快感といっていい。
そしてこの後すぐマットは、カレン・ペイジが死んで以来初めて教会をおとずれます(マットに「敬虔なカトリック」要素をどれだけ付与するかは、ライターによって大きく左右されるということがよく分かります)。ここで初対面の神父に、マットは自分がシークレットアイデンティティをいかにして再び得たか、という話を告白します。1話冒頭の時点で読者みんなが知りたかった話をするタイミングとしては絶妙で、内容も荒唐無稽ではあるもののストーリーの筋は通っていますし説得力も大いにあって、引き込まれて読んでしまいました。前半の「デアデビルの首に賞金」の話も併せて、チャールズ・ソウルのライティングは凄いな…と唸ってしまいました。本当に面白かった…
<Daredevil: Back In Black Vol. 5: Supreme> ※Daredevil (2015) #21-28

マットは、自分たち覆面ヒーローが犯罪取り締まりをもっとやりやすくするための法改正を目論んでいる。マットのこれまでのすべての行動はこのためにあった。そのために裁判所内でも入念に根回しをし、喧嘩別れをしていたフォギーにも力を借りて、ワシントンDCの最高裁へ乗り込みます。裁判所内での話がほとんどなのに何故かアクション満載で、そしてかなりの緊張感もあってマットが格好良く、とても好きなパートです。チャールズ・ソウルは弁護士でもあるということも影響していると思いますが、裁判シーンの臨場感がハンパない!
法律の件でカタがついた後、行方不明になっていたブラインドスポットくんからのメッセージを受け取り、マットは中国・湖南省の山地へと向かいます。そこでハンド堕ちしたブラインドスポットくんと出会い、大変な目に遭うマット。そしてそれをようやく切り抜けてニューヨークへ戻ったとき、マットはとんでもないニュースを耳にします。そう、それは…
<Daredevil: Back In Black Vol. 6: Mayor Fisk> ※Daredevil (2015) #595-600

Daredevil: Mayor Fisk (Amazon.co.jp)
マットが中国に行っている間にフィスクがニューヨーク市長になっていた!という、やはりこれ以上ないくらいに強いツカミで始まります。ドラマでも採用されたのも頷けるインパクト。デアデビルはフィスクの敵として公に警察から追われ、しかしマット・マードックとしてはフィスク市長から副市長就任の依頼を受けるという二面性にワクワクさせられます(マードック副市長も実写で観たい)。また、フィスクに対抗するためデアデビルの招集に応えてルーク・ケイジやジェシカ・ジョーンズ、エコー、アイアンフィスト、ムーンナイト、ミスティ・ナイト、スパイダーマンが集結するページは圧巻!
<Daredevil: Back In Black Vol. 7: Mayor Murdock> ※Daredevil (2015) #601-605

「マジかよ…そんなのアリなのか…」と呟きたくなるような荒業を(ライターが)使って、TPのサブタイトル通り、マットがニューヨーク市長になります。しかしマンハッタンにはハンドニンジャの大群がなだれ込んできて、マットの市長としての初仕事はハンドとの戦いとなるという通常営業。しかし何故か中世の騎馬隊と共に戦うことになり、馬を乗りこなして大剣をふるうデアデビル、という珍しい姿を見ることができます(これがまた格好いい)。荒唐無稽なストーリーではあるのですが、デアデビルの信念はまっすぐに貫かれていて胸を打ちます。「マードック市長」のインパクト以上に、その精神が心に残っています
<Daredevil: Back In Black Vol. 8: Death Of Daredevil> ※Daredevil #606-612

マットはフィスクの選挙不正の証拠を掴むため、ミュータントのサイファ(ダグ・ラムゼイ)やインヒューマンズのフランク・マギー、同じくインヒューマンズの「リーダー」などに文書解析をしてもらうよう依頼をします。その行為がとんでもない事態を生むことになるとも知らずに…
ということで最終巻でマットに「家族」が増え、そしてマットが死にます(デス・オブ・デアデビルなので)。それらをめぐるさまざまな物語は、やはり荒唐無稽ではありますが、とてもパワーと熱量を持ったものばかりで、読み応えという意味では今まで読んだデアデビルの中でいちばんだったと思っています。おおまかなあらすじをこのブログのために書き出してみただけでもあのジェットコースターに乗ったような感覚が蘇ってきます…ソウル期デアデビルはこれまで2回(2周)読みましたが、2回読んでもインパクトはまったく変わりませんでした。ソウル期デアデビル、めちゃくちゃだけど(この記事内で「荒唐無稽」って何回書いただろう)ほんとうにおもしろい。大好きです
【次回予告】
次回はチップ・ズダースキーによる6期&7期のデアデビルをまとめたいと思います。だんだんと現在に近づいてきました。次回更新時期は、およそ1か月後を予定しています
それでは、最後まで読んでいただきありがとうございました!
更新日時:2025年10月20日 23時10分
文責:kude
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