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デアデビルのコミック紹介⑥(6期&7期)

【はじめに】

「アメコミ初心者がデアデビルをたくさん読んだので覚書としてまとめておこう」記事の第6弾です。前回の記事ではチャールズ・ソウルによる5期をまとめたので、今回はチップ・ズダースキーによる6期&7期。わたしが初めて通して連載全体を読んだアメコミであり、これが面白かったからこそ、デアデビルもマーベルコミックそのものもその後も読み続けることになるきっかけになったものなので、いつも以上に気合いを入れて書きたいと思います。今回は全10冊です。
 ちなみに今回初めてnoteでAmazon商品ページのリンク埋め込みができることを知ったのでレイアウトが若干変わってます…もっと早く知りたかった…(いつか気力があれば過去記事のリンクも直すかもしれません)

※Marvel Unlimitedで読む場合はこちら(6期)こちら(7期)、もしくは下記リンクから飛べます


~6期~

<Vol. 1: Know Fear> 

※Daredevil (2019) #1-5

 チャールズ・ソウルのデアデビルの最終回にて、交通事故でほぼ死亡、すんでのところで生き返ってきたマットが現場に復帰するところから始まります(ちなみに5期と6期の間を繋ぐ、リハビリ中のマットを描いたミニシリーズもあります。デアデビル関連のミニシリーズを紹介する記事もいずれ書くつもりですので、詳細はそちらで紹介します)。
 このTPでは、本調子ではないままデアデビルとしてヘルズキッチンに戻ったマットが、誤って強盗犯の一人を死に至らしめてしまい、デアデビルが殺人犯として追われるという事件が軸になります。ネトフリ版ディフェンダーズのメンバー(ジェシカ・ジョーンズ、ルーク・ケイジ、ダニー・ランド)やパニッシャー、スパイダーマンが登場したり、新キャラであるコール・ノース刑事も魅力的で、とにかく華やかで、「生き返った」デアデビルの幕開けとして申し分のない楽しさ。裏腹に、マットの精神がどんどん追い詰められてゆくのでストーリーそのものからも目が離せません。
 それから特筆したいのが、この巻での本文の大部分を担当しているアーティスト、マルコ・チェチェットのアート!このアートに魅了されたのがきっかけでデアデビルを本格的に読み始めたといっても過言ではない。美麗なマットを是非とも見てみてほしいです

「ここから読み始めてデアデビルにはまった」私というサンプルがいますし、邦訳は電子書籍もありいつでも買えますから、読み始めるための環境は整っています。ここから読むの、おすすめです。是非!


<Vol. 2: No Devils, Only God> 

※Daredevil (2019) #6-10

 弁護士や地方検事補ではなく、そしてもちろん市長や副市長でもなく、保護観察官として働くようになったマットは、書店で働くミンディという女性と知り合います(そして不倫もします)。彼女の夫や家族がニューヨークでも知られる有力ギャングのメンバーだったことから、裏社会のゴタゴタに少しずつ引き戻されてゆきます。そしてその裏ではフィスク市長がオウルなど市内のギャングのボスたちと取引を始めており、また、覆面自警団を憎むNYPDのコール・ノース刑事は謎の覆面の男(マット)と共闘せざるをえなくなることで少しずつ心境が変化してゆく…という内容です。
 ズダースキー期デアデビルで初登場したコール・ノースはこんなふうに、一面的ではないキャラで(見た目もイケてるし!)、しかも後々マットやフォギーにとって重要な人物になってゆくのにも拘らず、せっかく登場したディズニープラスでのドラマ『デアデビル:ボーン・アゲイン』ではあまり良いところがないキャラにされていたのでとても残念でした(あのドラマで唯一といっていい嫌いな箇所です。俳優さんはよかったのに)。コールの名誉を挽回するためにもズダースキー期を読む人が増えてほしい!
 また、地味に好きなのが公園でマットがリード・リチャーズとチェスをするシーン。難解なセリフの応酬とシリアスなムードが二人の間の歴史を感じてワクワクさせられますし、また6期の最終回・7期の最終回にも繋がってくるので、読み返すと特にグッとくるのです

 この2巻めまでは邦訳が出ています。1巻と同様に電子書籍もあり。続きも出てくれないかなあ…


<Vol. 3: Through Hell> 

※Daredevil (2019) #11-15

 自分が殺した強盗犯の兄弟の保護観察にあたらなくてはならなくなったマットはデアデビルを引退しようとしますが、ヘルズキッチンでは一般市民たちがデアデビルのマスクを被り自警団として活動し始めていました。同時に、本調子ではないマットに、エレクトラはまるでスティックのように格闘の訓練をほどこすようになります。ここからエレクトラがマットと並び立つように次第になってゆくのですが、その自然なストーリー展開がとても良い。
 また、フィスクが再び殺人を犯し、これまで市長としてあるていど堪えていた精神のタガが少しずつ外れてゆきます。ギャングとの取引も活発化してくる中で、フィスクは、ニューヨーク最大のギャングであるストロムウィン家の影響下に置かれてゆく流れ。フィスクまわりでも息つく間もなく話が進み、目が離せません 


<Vol. 4: End Of Hell> 

※Daredevil (2019) 16-20

 このあたりからエレクトラがマットと共に活動するだけでなく、彼を凌ぐ動きも見せることから(アクション面だけでなく、政治的な面においても)、彼女がデアデビルとなる準備が少しずつ進んでいるのが分かります。
 終盤ではストロムウィンがヘルズキッチンの通信を遮断。タイフォイド・メアリーやブルズアイ、スティルトマン、ライノ、クロスボーンズなど旧知のヴィランたちが、19号・20号のサブタイトル‘Inferno’という名前の通りに地区をめちゃくちゃにする中、マットに代わって名もなき市民たちがデアデビルのマスクを被って戦い、それを知ったマットがデアデビルとして立ち上がる展開が熱い!まるで「最終回」みたいだったなあと今でも思い出します。そして強盗犯殺害容疑をかけられていたマットは(マスクを被ったまま)素直に警察に出頭することとなります…

<Vol. 5: Truth/Dare> 

※Daredevil (2019) #21-25, Daredevil Annual (2020) #1

 逮捕されたマットは裁判を経て(覆面・匿名のまま)収監されます。裁判があるのでフォギーが活躍しますし、替え玉の必要性からマットの「双子の兄弟」であるマイク・マードック本人が登場したり、キルスティン・マクダフィーや地方検事ホックバーグが再登場したりと盛りだくさん!また、エレクトラからハンドの再興とそれに対抗する方法であるフィストという組織のことが示され始め、7期への道筋ができていきます。
 アニュアルは、その「マイク・マードックの過去」を扱うという興味深いもの。存在しなかったはずのマットの幻の兄弟、という不思議な立ち位置の彼が深堀りされてかなりエモーショナル…地味に大好きな本かもしれません。このアニュアルはデビルズレインのタイインの中には入っていないようなのですが、マイクと、彼の相棒でフィスクの息子であるブッチ・ファリスとの関係も描かれているので、イベントの理解のためには必読かと思います。


<Vol. 6: Doing Time> 

※Daredevil (2019) #26-30

 26号は『キング・イン・ブラック』タイインで、刑務所にいるマットにシンビオートが取り憑き、それが刑務所でのマットの処遇に関わってきます。初めて読んだときは「タイイン」という概念もよく分かっていなかったのですが、キング・イン・ブラックも読んだ今になっては、デアデビルの話とヌルの話をうまいこと絡めるものだなー!と感心してしまいます。また、マットが収監中であることから、エレクトラがヘルズキッチンの守護をするデアデビルとなる様子も描かれてゆきます。トニー・スタークなども登場してこれもまた華やかな巻。このあたりでのマットのトニーとの付き合いかたがちょっと面白くて印象に残っています

<Vol. 7: Lockdown> 

※Daredevil (2019) #31-36

 現実世界がコロナ禍に見舞われた2020年の翌年。実際のロックダウンの記憶も生々しい時期に刊行された‘Lockdown’、という時点でまず唸らされます。ただしこのコミックではマンハッタンのロックダウンの原因は疫病ではなくブルズアイのクローンによる襲撃という恐怖。ひでえ惨状だ…そしてマットとエレクトラという「二人のデアデビル」が確立してゆきます。
 何かとフィスクと距離が縮まっていたメアリー・ウォーカー(タイフォイド・メアリー)が彼と結婚することになるのもこのあたり。激ヤバカップル誕生に唖然とさせられた初読のときの衝撃を思い出します(笑)。そしてフィスクのとある苛烈な怒りが、イベント‘Devil's Reign’へと直接繋がってゆきます

 このズダースキー期デアデビル(6期)は電子書籍のセールでTP全巻イッキ買い・イッキ読みをしたのですが、ここまであまりに面白くて7巻を1週間くらいで読んでしまいました。今だと絶対こんなスピードで読めない!このときの経験が今のアメコミ趣味に繋がり、そしてコミックを読むことでますますデアデビルを好きになりました。ドラマでしかデアデビルを知らなかったときよりも、親密度や好感度が何倍にもなったなと思います。自分にとって大きな転機となったのが、このズダースキーのデアデビルでした。このときの興奮を共有したくてこれらの記事を書いているといっても過言ではありません。みんな読んでみてくれー


~7期~

<Vol. 1: The Red Fist Saga> 

※Daredevil (2022) #1-5

 イベント‘Devil's Reign’を経て(このイベントもまたいずれ別途で記事を立てて書きたいと思います)、マットの環境はがらりと変化します。マット・マードックは公には死んだことになって葬儀さえも行われた。さらにマットやエレクトラのみならず、コールやフォギーまでがニューヨークを離れ、千島列島に建てたザ・フィスト(ハンドの対抗組織)の本部へと身を移します
 この7期のTPのタイトルがすべて‘DAREDEVIL & ELEKTRA’であることからも分かるように、ここでは「デアデビル」というヒーローはマットとエレクトラの二人のことを表しています。デビルズレインの時期にはデアデビルとなるエレクトラが主人公の‘Daredevil: Woman without Fear’というミニシリーズもありました(このミニシリーズもまた別途紹介します)。そしてこのThe Red Fist Sagaで二人はついに「結婚」をします。役所などない場所でのことですから、法律にもとづいたものではありませんが、神や立会人スティックの前で誓ったものなので、きちんとした結婚なのでしょう。このシーンがまたグッとくる絵だったんですよねえ…忘れられない。こういう感情の高揚は、実際にコミックを読まなくては得られないものだというのを身をもって感じます。私のデアデビルのコミック紹介記事はあらすじはほんとうに概要だけに留め、コマを貼ったり詳しい内容を書いたりしないようにしていますが、それは「やはり実際に読まなくては得られないものがある」と信じているからです


<Vol. 2: The Red Fist Saga Part Two> 

※Daredevil (2022) #6-10

 結婚し、「フィスト」の王と女王になったマットとエレクトラ。二人は、ハンドに対抗するためミュルミドン刑務所から大勢の囚人を脱獄させたり、エレクトラがアメリカ大統領(バイデン)を暗殺したとしてアベンジャーズに追われたり、一見して迷走とも思える行動に出ます。これは、同時期に進行していた、フランク・キャッスルがハンドの首領になる展開のジェイソン・アーロンのパニッシャー誌との連動もあったようで、連載が終わったあとに両誌のことを思い返してみるとなかなか興味深い。そしてマットとエレクトラはハンドを制圧することもできず、大きな失意を抱えたままフィストを去ることになります。
 この巻でのデアデビルがアベンジャーズに追われるシーンでの、ピーター・パーカーとマットとのやりとりはまたいろんな感情が渦巻くもので忘れられません(マットへの怒りと憤り、ピーターへの切なさが今でも蘇る…!)。ここ以来おそらくピーターとマットはまともに話もしていないはずで、二人の間でどれだけ遺恨になっているのかずっと気になっています…それとも何事もなかったかのように再会・共闘する日が来るのかもしれませんが…



<Vol.3> 

※Daredevil (2022) #11-14

 すべてを失いニューヨークへ戻ったマットは、フィストにあった古い書物を頼りに、ハンドをつかさどるビーストを倒し、友人たちを取り戻すために地獄への旅に出ます。ここからの話は幻想的で、とにかく美しい。ここでまたマルコ・チェチェットの美麗なアートも強い効果をもたらしています。今では月イチのアメコミショップ通いも日々の楽しみの一つになっていますが、電子書籍派であり、アメコミの買いかたも分からなかった私が初めてアメコミ原書の紙の本(リーフ)を手に入れるためにアメコミショップに足を運んだのも、ここでのチェチェットのとある大コマを紙でほしい、額に入れて飾りたい、と思ったことがきっかけでした(無事に手に入れました!)。
 そして迎えた最終回。7期の後半はTPのセールを待たずに電子書籍でリアタイ読みをしていたのですが、最後のシーンを読んでいるときは「感無量」としか言いようがなかったなと、いま思い出してもグッときます。終わってしまう寂寥感、マットが辿った旅の無常、その無常さをさらにひっくり返すような展開、それでいて爽やかな空気にも満ちていて…。海外ドラマ民の出身者としては、長く続いた大好きなドラマの、「寂しいけれど完璧な最終回」を観ているときの感覚と近かったと思います。ほんとうに大好きです

 そんなわけで、マットがデアデビルを捨てようと命を賭けてまで藻掻き続けたチップ・ズダースキーのデアデビルはここで幕を下ろしました。5期までとはまた違った空気を纏うデアデビルで、且つ、フィスクとの戦い・ハンドとの戦い・エレクトラとの共闘など、ある意味では原点に戻った連載でもあったと思います。ほんとうに中身が濃くて、そして格好よくて面白かった。この記事で興味を持って実際に読んでくれる人が一人でもいればいいなと願っています


【次回予告】

 おそらく次回の記事は、8期デアデビルではなく、シャドウランドとデビルズレインというデアデビルをメインにしたふたつのイベントについてのものになると思われます。順番通りだと8期なのですが、まだ次の9期が始まっておらず、評価が定めにくいので…(加えて、8期は有り体にいえば盛り上がりに欠けたので、感情で文章を作るタイプの私のような人間には記事が書きにくいんですよね…)。更新予定時期は2026年3月頃の予定。できれば、ドラマ『デアデビル:ボーン・アゲイン』シーズン2配信の直前にアップできればいいなと思っています

 それでは、今回も最後まで読んでいただいてありがとうございました!


更新日時:2025年12月19日 18時00分
文責:kude ※今まで使っていたTwitter(X)のアカウントは更新停止し、Blueskyへと完全移転しましたのでよろしくお願いします
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