野心と謙虚 | 知 | パワーワードの海で溺れるな
006
欲望より、
本能に応えよ
ビジネスでは商材やサービスを売るのが目的だから、生活者の日常にあるニーズに向きあうことになる。そこに一つのもどかしさがある。明確なwantやdesire以上に、人間の根源的なテーマや幸福につながっているかと。欲望は点だが、本能はもっと深く面だ。どんな商材でも要請に応じてスコープを再構築するときがやってくる。そのときの視座として。パーパスとかイノベーションとか賢そうな言葉を使う必要はない。世のためになるか、人のためになるか。愚直でいいじゃん。
007
パワーワードの海で
溺れるな
パワーワードが踊りまくっている。特に横文字の。外資系に長くいたから免疫はあるし、使いやすさがあるのは承知。だが、最近ちょっとお腹いっぱい。たとえば、トランスフォーメーション。さまざまな言葉とコラボするうまみを知り、あちこちで我こそはという顔をしている。その圧は煙にまく感じさえ。声高な掛け声が熟慮から人を遠ざけることを案じる。結論の決め手となるヒントは、心の奥底に転がっているかもしれない。パワーワードの海で溺れるな。そう、自分の心の声を聴け。
008
インフォメーションではなく、
インスピレーションを創れ
広告の世界に長くいるが、ビジネスは激変。メディアが変わり、伝え方が変わる。情報をみじん切りに細分化してターゲットに当てていく。でも、仕事の本質は変わらない。視聴率からコンバージョンに変わっただけ。製品やサービスのインフォメーションを伝える以上に、インスピレーションを創ることに意味がある。それは広告業界に限らない。ビジネスや広報、教育やスポーツ、政治においても。分野が何だろうと心を動かすアイデアは、人間への洞察から導かれる。みじん切りは森を見させてくれない。
(追記)
「野心と謙虚」は、ここ2,3年(2023年-現在)書きためていたメモをベースにまとめた短文集です。くわしくは、こちら第一回目の記事の追記をごらんいただければと思います。
「美」に続く「知」006〜008。今回の3つは、いま置き去りにされているかもしれない「知」に関して書いたものになります。
ノウハウやスキルではなく、根底への探究を「知」と呼びたい。それは、どんな分野であれ共通して、人間に対する洞察ではないか。それがなければ面白くもなんともない。そんな思いがあります。
と、偉そうに書いていますが、いまも日々あがいている自分への備忘録みたいなものです。パワーワードに罪はない。自分の頭で考えないとやばいぞと。
