厳しい面会制限
母の入院した病院では、厳しい面会制限がありました。
面会できるのは、家族カードをもった家族2人までで、週一回、しかも10分という制限です。
おまけに面会できる場所は、他の家族や患者などがいるエレベーター前。
多くの人が見ている前で面会をするのは、かなりやりずらいものがありました。
病院がここまで慎重になるのは、新型コロナウィルス感染症の感染対策を徹底させたいからです。
新型コロナウイルスが感染症法上の5類に移行して2年も経つのにと思いますが、病院側の気持ちもわかります。
免疫力が弱った患者がいる病院で、面会者がもちこんだウィルスにより、クラスター(感染者集団)が起きたら大変なことになります。
「あなたにその責任を取れるのか」と問われたら無理ですし、他の面会者のせいで母が感染したら、その人を恨むでしょう。
しかし余命宣告をされた患者と家族には、1日がとても貴重です。
病気の進行が早く、家族との会話ができる残り時間が少ない母と会える時間が大幅に奪われるのは、とても辛いことでした。
面会制限は、患者にも悪影響を与えると思います。
家族と会えず、一人ぼっちにされることで、気分が落ち込み、食欲も落ち、認知機能も低下し、余計に弱ってしまうのではないでしょうか。
事実、母の認知機能は急に低下し、看護師が何度説明しても、自分がどこにいるのかわからなくなってしまいました。
母との面会の時に、「忘れられちゃかったと思ったわ」と涙ぐんで言われたときは、とても切なかったです。
認知機能が低下した母には、私たちが面会にあまり来れない原因が病院が面会制限をしていることにあると認識できないのでしょう。
「寂しい思いをさせてしまって、ごめんね」と謝りながら、1週間に1度しか面会できない理由を説明しました。
しかし、その理由もしばらくしたら忘れてしまい、私たちのことを薄情だと思って寂しく過ごすことを想像すると、やるせない気持ちになりました。
でも、コロナ禍の真っ最中は、面会を一切できず、そのままお別れになった家族も少なくないと思います。
その患者と家族は、もっと辛い思いをしたでしょう。
世の中には仕方のないことが多くありますが、大切な家族との別れの時間が奪われることは、とても残酷なことだと、その立場になって深く実感しました。
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