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2025年3月 伊豆大島

14年前、当時の山仲間たちと三原山に登ろうと同じ時期に伊豆大島に来たことがあるが、その時は雪が降り、山へは登れなかった。今回、そのリベンジで今の山仲間4名で大島へやってきた。折しも椿まつりの最中だが、大島の前に立ち寄った利島でいやというほどツバキは見てきてしまった。

椿まつり期間中は船の発着はすべて岡田港となる。利島から乗ったさるびあ丸は1時間あまりで岡田港へ入港した。
かわいいお嬢さん2人が手を振って出迎えてくれた。思わず、手を振り返す。
大島は明治時代から酪農が盛んで最盛期には1000頭以上のホルスタインが飼育されていたそうだ。大島牛乳は島で人気、アイスも美味しいと評判。桟橋に移動販売車が来ていた。

予約しておいたレンタカーを受取り、出発。料金はしまぽで支払い。しまぽは7000円で1万円分の島内で使えるしまぽ通貨に交換できるが、4万円分ゲットした時点で売り切れになってしまった。
すでに雨が降りそうで、夜まで雨の予報。山は明日、今日は島内巡り。波浮港を目指した。写真撮ってないが、地層大切断面を眺めていく。地学専攻のN君の詳細な解説。大きく地層がうねっているので褶曲に見えるが、もともと凸凹していた所に度重なる噴火による火山灰が堆積しただけで隆起したわけではない。さらに厳密に言えば地層ともいえないらしい。ま、何度聞いてもアタマを素通りしていくが。14年前にも聞いたはずだが…。
で、波浮。まずは上から見下ろす。冒頭の写真。火山の火口が海と繋がった。海沿いに昔ながらの集落、そしてその上にも集落。

波浮港の案内図。車は集落の手前に駐めるしかない。
木造2階建ての家屋が続く波浮の海沿い集落。

突き当たりまで行き、コロッケを買い食い。

この左はもう海。
コロッケ1個100円。ひっきりなしに買いに来る人がいるからか、アツアツを紙袋に入れてくれた。

通りの中に、少し前にテレビドラマで片桐はいりが主演した東京放置食堂というのがあり、そこで居酒屋として使われた古民家は今はカフェになっているが、残念ながら休みで中を伺うこともできなかった。また、14年前に食事した寿司屋は本日は予約で満席と書かれていた。

こちらはゲストハウス。繁盛しているようで人が出入りしていた。2階の造りは昔ながらの佇まい。
ここは普通のお宅かな。

坂を登って、くさやの店へ立ち寄った。

くさやの小宮山。
1枚数百円と良心的な値が付いている。地元の人向けなのだろう。

さすがにくさやそのものを持ち帰るわけに行かないので、瓶入りを各自購入。ご主人とあれこれ話していたら、作業場を見せてくれることになった。このメンツで動いていると、こういうパターンになることが多い。

ご主人は先代が始めたこの店をあとを継いで、くさやを造り続けている。東京放置食堂では、片桐さんの相方のような女性がくさや屋の社長、そのまんま小宮山姓だった。片隅には代々使い続けているくさやの漬け込み用原液があった。塩分濃度を測定し、薄くならぬよう調整している。
使い続けている小出刃包丁。研ぐうちに刃が小さくなっている。
10年ほど前に大島で作られている塩の旨さに気づき、以来、この塩を使うようになったそうだ。旨味が全然違うという。舐めさせてもらったら、甘味がある。思わず、あとで小袋入りのこの塩を買ってしまった。
こちらは乾燥小屋。中に顔を突っ込むと、くさやのあの香りが強烈に襲ってくる。しばらく乾燥させてないから、ニオイはこれでもしない方だと言われた。

くさや、面白かったなあ。帰って食べるの楽しみ。Yさんが熱烈くさやファンだったとは知らなかった。他の3名はくさや瓶入りでもムロアジ原料に少し醤油などで味付けをしたバージョンの方を、食べやすいよとご主人に勧められて買ったのだが、Y先輩だけはトビウオ原料で余計な味付けなし、素のままの瓶入りを、俺はこっちの方が好きだからと買われたのだ。
今夜の宿は元町港近く、素泊まり。シャワーはあるようだが風呂はない。大島には温泉が何ヵ所も湧いている。せっかくなので、そのうちの1軒、くるみやに立ち寄って、ひとっ風呂浴びた。

ナトリウム塩化物泉、源泉掛け流し。湯温も好い加減。利島での山歩きの疲れも癒やされた。こちらは宿泊施設でもあり、宿泊客の方も入っておられた。
湯宿の前にはカワヅザクラが満開。

ゲストハウス甚之丸。今風な名前なので、てっきり新しい宿かと思いきや、なかなか年季の入った下宿屋風の宿だった。2階の客室は洗面所を囲むようにしてコの字形に10室あまり。白板には部屋ごとの利用人数が記されていたが、大半は1名。たぶん仕事で長期滞在の方が多いんだろうね。素泊まり4500円はありがたい。
荷物を置いて、晩メシに出かける。1軒目は予約済み。喫茶酒場なべきち。歩いてすぐ。元町港のすぐ前。

突き出しはブリ大根。これが美味しかった。店主はもともとは割烹で修業したらしい。
おすすめメニューから、べっこう刺身とジャーマンポテサラ。
店内の装飾やメニューはハワイっぽい雰囲気を演出。ロコモコ風丼なんてメニューもある。聞いたら、店主は東京の江東区出身で釣りが好きで大島に通っているうちに移住を決意、2年前に店を開いたが、ちょうどその前年が伊豆大島とハワイ島が姉妹島の盟約を交わしてから60周年だったそうで、それならば店の特徴を出すのに使おうと決めたそうだ。
こちらもおすすめメニュー、アシタバ料理。左はアシタバ地のり炒め、右はスパム炒め。
新島の麦焼酎、嶋自慢羽伏浦。お湯割りで。
ブリカマの唐揚げ。これは美味しかった。

なべきち、悪くなかったが、せっかく和食の腕があるなら、もっと和食系のつまみも増やしてほしかったなあ。しまぽで支払い。
で、もう1軒ハシゴ。念のため電話で席を確保。次の店は寿し光。

大島はゴジラがよく登場する。映画ゆかりで、三原山にはゴジラ岩もあるしね。寿し光は2階。
アシタバ辛子和え、べっ甲寿し。この店、いける。はじめからこっちでも良かったかも。焼酎も小ぶりなカップだけど、濃くて美味い。
アシタバとシラスのかき揚げ。これもいい味出してた。

無事にしまぽも使い果たした。そうそう、宿代はしまぽ1万円のうち3000円分と決められていて、4500円のうち残り1500円は現金で支払った。7000円はレンタカー代と、2軒の晩メシ代で当初計画通り使い切った。
宿に帰り、つまみ用に買い求めたくさや小袋などを開けて、ドリンクタイム。と言っても、昨夜寄った竹芝のコンビニでも敢えて買わなかったし、ぼくは水で過ごす。今日は利島の山歩きで皆思いの外疲れたようで、早々に寝た。島へ来たら花粉症の心配はないはずと思っていたが、利島にも大島にも杉の木はあるようで、夜中、目が痒くて堪らんかった。
翌日は三原山。6時半、早起き。7時に出発した。雨は上がっているが、山は雲の中。一応、車で山頂口の御神火茶屋まで行ってみたが、真っ白で何も見えず、もちろん駐車してる車も他になし。いったん、元町へ戻ってきた。なべきちの隣で土産物も売ってるカフェみよしで一休み。

コーヒーは300円で、期待していなかったが、けっこう美味しかった。もう1杯、お代わりも無料サービス。いいねえ。
カフェの壁に東京放置食堂のポスターが貼ってあった。面白いドラマだったなあ。

元町港へも寄ってみた。

表にオオシマザクラが咲いていた。
ターミナル内は椿まつりのイベント会場。やっと、まつりらしい雰囲気に出会った。といっても朝早いので観光客しかいないが。
三原山方面、まだまだ雲に覆われている。

もう少し時間潰す必要あり。14年前にも寄った谷口酒造へ。杜氏さんがこれから蔵を開けるようで、外観を見ただけで、すぐに失礼した。

建築家、藤森照信氏の作った建物が目を惹くが、ずいぶんくたびれて見えるなあ。

さて、あとはこれまた再訪になるが、椿油を造る高田精油所。N君は利島ですでに2本購入済みだが、あと2本必要らしい。まずはお買い物。と、せっかく来てくれたから、とご主人が割引してくれる。というわけでぼくも一番小さいのを1本1000円で買った。前に来たときもいろいろ説明してくれたが、今回もD君が初めてなので、説明を聞く。

まずは、大島で椿油は産業になっていないという話から。もし、自分が新たに起業するなら、ここをツブして、きれいなオフィス、お洒落なブランドをつけて、美容や化粧品として高価格の商品ばかり作って売る、という。それしか商売にはならないと。島でツバキが産業たり得たのは、年貢代わりに炭を納めていた江戸時代と、昭和の火鉢があった頃、いずれにせよ油ではなく炭として売れた時代だけだそうな。
ツバキの実を採るために樹を植えたら、収穫までに30年かかるという。だから大島ではツバキを植えようとはならないとも。え? でも、利島じゃツバキの樹だらけだったし、モノレールもたくさん敷かれていたけど、と訊けば、利島は助成金をたっぷり出しているからという。そうしないと300名ほどの島人口が消えてしまうから。現実は相当厳しいんだなあ。ツバキの実の収穫高ならびに椿油生産量は、大島より利島の方が圧倒的に多い。
昔ながらの脂搾り器。
これはツバキの実の絞りかす。これをエサに飼育された豚はカメリアポーク。その脂は豚臭くないらしい。そして最近、ツバキの樹で備長炭を焼く人が現れたそうで、1000万で窯を作ったとか。いずれ、その備長炭でカメリアポークを焼いて食べられる日が来る。と、ご主人は嬉しそうに語ってくれた。

ツバキの話はこれくらいにして、そろそろ山へ。
で、この後の山歩きは別ページにある通り。
昼に、山から下りてきて、岡田港近くでガソリンを給油しようとしたら、日曜休みのスタンドが2軒も。なんとか引き返して給油し、岡田港駐車場へ車を置き、最後のメシタイムだあ。

港前の漁協直営、浜のかあちゃんめし、へ。
まずは缶ビールで乾杯。N君、毎度ながら運転おつかれさまでした。ぼくはウツボフライ定食を注文。ありゃ、メニュー写真はフライがもっと大きかったのに。ま、いいか。アシタバ天ぷらもついてるし。汁は全員目ん玉付きのアラ汁。いいねえ。
ウツボ唐揚げが美味しかった。

いろいろあったけど、三原山リベンジも果たせたし、見たかったものは見られたし、買いたかったものも各自買えたし。お天気もなんとかなってくれたし。文句の付けようのない旅だった。

元町港のターミナルより、ずっと立派な岡田港ターミナル。
やがて竹芝からやって来たジェット船の折り返しで、帰途についた。

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