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【学生編0】俺、何になりたかったっけ?

*この物語は、人生の半分は終えたと思われる
 筆者の半生を小説風に振り返るものである。
 これまでを思い返し、これからを考える物語。
 登場する人物・団体等は全て仮名であり
 モデルはいますが、実在はいたしません。

(登場人物 現代編)

・新井 ・・・ 筆者の分身。
        平社員の事務員社歴20年超。
・鈴木 ・・・ 営業部の部長。
        新井とは同じ事務所で20年一緒。

昼休み。
閑散とした事務所で、新井は黙々と仕事をしていた。
今月の社員の給与明細の封詰め作業だ。
自分以外では電話番の1人しかおらず、
その電話番も半分寝ている。

昼休みなのだから、当然と言えばそれまでだが。
それでも昔はもっとガヤガヤしていたし、
食堂では10人近い社員がひしめき合って、
弁当を食べていたものだ。
最近は、みな外食したり自分の車で食べたりで。
「昼休みまで会社にいたくない」と、
暗にほのめかしている。

その意見には賛成だな、と思いつつも。
当の新井は昼休み、いつも事務所にいる。
昼食も食べない。

別に「そうまでしないと仕事が終わらない」
というわけでもない。
まぁ、そんな日もあるにはあるが。
単に朝出社してやっと入る仕事モードのスイッチが、
昼休みで切れるのが怖いのだ。

「たまには昼くらい食べれば」

不意に声をかけられ顔を上げると、
営業部長の鈴木が弁当箱をぶら下げて立っていた。
昼食を終えたところのようだ。

「いや、もう面倒くさいんですよ色々」

スイッチ云々の話をイチからする気にもなれず、
適当な事を言ってみる。

「相変わらず忙しそうだけど、今日は早く帰れそう?」

「え、人生どこに帰りたいですかって?
 どこ帰っても、多分この有様ですよ。」

部署は違うとはいえ上司にあたる彼に、
こんな軽口を叩いてはいけないのだが。
年は自分より少し下な上、
20年以上同じ事務所で働いてきた甘えもあってか。
周りの目が少ない時は、悪ふざけもしてしまう。
自分なりのガス抜きなのだとは思う。

「俺は帰れるんなら、小学生くらいまで帰るね。
 そんでめっちゃ勉強して、宇宙飛行士になるわ」

意外にも話を広げてきた。
宇宙飛行士なんて夢がでてきたのも、意外ではあった。

「・・・やり直したところで、
 宇宙飛行士とか無理ですって。
 なれたところで、ロケットが爆発するかもですよ」

我ながら、ちょっとヒドイ事を言っている。
そう思いながらも軽口が止まらなかった。
思いのほか、自分の機嫌は悪いのかもしれない。

鈴木部長も、こちらの機嫌を察したのか。
苦笑いを浮かべて外回りに出て行った。
昼休みの時間も終わりが近づき、
パラパラと他の社員も事務所に戻り始めていた。

「・・・帰れるんなら何になる、か」

適当な返事をしたが、実際どうだったろう。
なりたいものはなかったか?
「宇宙飛行士」のような難しい夢も、
かつては思ったりしてただろうか。

地方にある中小企業の某事務所。

自分も含め、目に映る他の社員にしてみても
「中小企業でサラリーマンがしたかった」
そんなヤツはいないだろう。

子供の頃、島で育った小学生時代、、、
何になりたかったかなぁ。

新井は小学生時代を思い出していた。。。

【第1話 小学生編】

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くりす 日々の色々を面白おかしく書く事で、日常を楽しく色付けできればと思ってます。書く事はもとより好きなので「毎日更新」頑張ります。よろしければ応援お願いします!