(短編小説)豆腐メンタルの行方③
「〇〇高校野球部は部員による暴力事件のため、
甲子園大会出場辞退を発表しました。
同校では上級生による暴行が日常的で、、、」
ニュースは連日、甲子園常連の名門校で発覚した
暴力事件の話題を報じていた。
「こーいうの、一切ダメな時代になったよなぁ」
この手の話題を聞くたびに、新井は思う。
昭和時代に育った新井としては、
「こーいう事」は日常で見聞きしてた事である。
もっとも新井自身は学生時代、
「こーいう事」からは逃げていた。
野球が好きで、野球部に興味はあったけど。
毎日厳しい練習に晒されて、
「血の○○が出る」とか言ってる野球部員を見てると、
自分もそこに挑もうとは、正直思えなかった。
だからだろうか?
新井には、体育会系をやりきった人への尊敬の念と、
一種のコンプレックスが、昔から常にある。
それは、自分がそこから逃げたからであり。
やり切った人達が、自分より大人に見えたからだ。
「辛い仕打ち、厳しい仕打ち。
そーいう事に耐えないと甲子園に行けない。
まして、プロ野球選手とか夢の夢。
そういう考え方が、古いんですよね」
「そういうのと、野球が上手くなる事って。
全く関係ないですよね。」
SNS等で聞こえてくる論調は、もっともだと思う。
下級生に対するリンチなど、論外なのも当然だ。
けど、厳しい環境を耐え抜ければ。
人として、成長はあるはずだとも思う。
自分が身を置いた環境が辛かったなら、
自分が逆の立場になった時、
そうならないように行動できるはずだ。
いや、行動するだろうと思う。
それは「その辛さを知らない人」には、
多分できない事のはずで。
だから、新井は「その辛さを知ってる人」を
尊敬していたのだが。。。
このお話は筆者の実生活をベースにした創作です。
実話を元にはしてますが、
登場する人物名・団体等は一切存在いたしません。
(登場人物)
・新井 ・・・ 筆者の分身(総務部長)
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