ペルー・インカを巡る旅:インカトレイル編④
え、これ足踏み外したら、死ぬよね。
って感じの、一段一段が、やたらと高い(いうか低いというか)石段が待っていた。
ガイドさんから、ポールを長くしてとアドバイスを受けた理由がよーく分かった。
ポールの先を次のステップの石段にしっかりとつき、安定させ、足を降ろす。それをひたすら繰り返す。バランスを崩したら終わり。そんな緊張感から、写真を撮るなんて余裕はない。
少しなだらかなポイントで、振り返ると、相方マックがゆっくりと降りてくるのが見えた。あまり体調が良くなさそうだ。
高山病は、下りで発症する可能性もある。こんな下りで発症して、よろめいたら一巻の終わり。下りは、一緒に進もう。
私の方は、登りに比べ、下りは足元さえ気をつければ良い。息が上がることはない。私にもちょっとは余裕がある。
でも、一緒に進んだとしても、何ができるわけでもないんだよな。
結局、自分の脚で進むしかないのだから。
人生も同じ。自分の人生は自分の脚で進むしかない。
でも、側でお互い見守り合うことで、安心感がある。それだけで、意識をしっかりと保てたりする。変な方向へいかないように、フラつきそうな時は、声を掛けたりって大切よね。
なんとかかんとか転げることも、つまずくこともなく、ランチ場所に辿り着いた。先に到着していたチームアイオアとHP、そして、下りの極意を得たチームシカゴの全身刺青のライアンが、ポーター達が準備してくれていたマットレスの上で寛いでいた。
ポーターから、紫トウモロコシ原料のチチャモラーダジュースを渡され、自分たちが降りてきた山間を眺めながら飲む。ああ、私、本当にインカトレイルにいるんだなぁ。そして、デッドウーマンズパスを乗り切ったんだなぁ。
沸々と実感が湧き起こる。
荷物を下ろし、水の入った洗面器で、手を洗い、私もマットレスの上に転がった。ひゃーっ、なんて、気分が良いのだ。極楽、極楽。
日差し避けに、顔の上に帽子を乗せ、目を瞑ると睡魔に襲われる。数分?数十分ほど、寝ていたらしい。後ろがからやってきたメンバーの到着に向けたポーター達の拍手で、目が覚めた。
用意されたランチを食べ終え、今日のもう一つの攻略イベント、4,000m超えを目指す。4,200mを超えた自分たちにとっては、4,000mは余裕であろう、なーんて気持ちは、早々に打ち砕かれた。
疲労の蓄積した肉体+お昼ご飯を食べ、すっかりリラックスモードに切り替わっている肉体と化した状態で、デッドウーマンズパスの登りとは違い、形のバラバラなでかい石を乗り越える状態での登頂は、地獄としか言いようがない。

これはキツい。息もキツいが、脚で身体を持ち上げるのがキツい。だが、やらねばならぬ。ゆっくりで良い。一段登ったら、息をつけ。
大丈夫、いつかは辿り着く。誰と競争するわけでもない。自分のペースで良い。さぁ、行こう。
そして、辿り着いたのが、標高4,000mランクラカイ。

自分の記念撮影をして、荷物を下ろし、後はマックを待つだけ。
お、あの服装はマックだな。石段をポールを使いながら、必死で登っている様子の相方を発見し、ビデオを構える。
登頂までの姿を撮影。おめでとう。(※このビデオのアップロードがうまく出来てなければごめんなさい。)
さて、登ったら、次は下ります。今度は、これまた踏み外したら転落モードな石の階段を命掛けで下ります。今夜のキャンプ地チャクイコチャは、標高3600m。今夜は、富士山の山頂付近で寝る感じかな。
キャンプ地手前に、99段の小さく細い石階段があり、その上にインカ遺跡サヤクマルカがある。売れ切った脚と疲労度マックスの身体で、この階段を登るのは相当の覚悟と熱意が必要で、結構、見学をスキップするハイカーも多いよう。
え?私はどうしたかって?
そりゃ、登りましたよ。石遺跡フェチですもの。見逃すわけにはいきません。




ここで、またまたAIさんの力を借りて、サヤクマルカ遺跡についての解説を。
サヤクマルカ遺跡の概要:
場所とアクセス:
サヤクマルカは、インカトレイルのルート上、標高約3,600mの山の尾根に位置します。
2日目のワルミワニュスパス(デッド・ウーマンズ・パス、4,215m)を越え、トレイルのルンクラカイ遺跡(4,000mのパスの場所)を過ぎ、チャキコチャ(Chaquicocha)キャンプ場(今夜のキャンプ場)から約2~3kmの地点にあります。
遺跡には急な石段を登ってアクセスします(「サヤクマルカの階段」として知られる)。
名称の意味:
「サヤクマルカ(Sayacmarca)」はケチュア語で「近づきがたい町」または「隠された町」を意味します。この名前は、遺跡が険しい山の尾根にあり、アクセスが難しいことに由来します。
歴史と役割:
サヤクマルカはインカ帝国時代(15世紀頃)に建設されたとされ、宗教的・儀式的役割を持つ施設だったと考えられています。
マチュピチュへの巡礼道の一部として、休息所や監視所、または宗教的な中継地点として機能した可能性があります。
スペイン征服者には発見されず、ジャングルに覆われていたため、良好な状態で残っています。
特徴と見どころ:
建築:インカの特徴的な石組み(精巧な花崗岩の壁)が残り、テラス、住居、神殿、広場、水路が見られます。コンパクトながら、インカの高度な建築技術が感じられる。
ロケーション:雲霧林(クラウドフォレスト)に囲まれた絶景の場所。周辺のアンデス山脈やウルバンバ川の谷の眺めが素晴らしく、霧に包まれた神秘的な雰囲気がある。
半円形の構造:遺跡の中心には半円形の建物(おそらく太陽の神殿)があり、インカの天文観測や宗教儀式に関連していた可能性。
水路システム:インカの先進的な水路が残り、雨水を管理する技術が見られる。
ここまでにもインカ遺跡はいくつかあったものの、この隠れ里のような秘密めいたインカ遺跡は初めてで、神秘的というか、一人で通路を歩いていると神隠しに遭ってしまうような不気味さも相まって、最高でした。まさに、電車でマチュピチュに行くだけでは出会えない体験と言えるでしょう。
この遺跡を最後に、キャンプ場に到着したら2日目終了。
尚、故障者リストメンバー全員も、なんとかかんとか、ガイドのラウルとサブガイドのエルフィンのサポートで、キャンプ場まで辿り着きました。
ところで、お気づきでしょうか?
そうです、私たちグループは、サポートが必要なメンバーが多すぎて、2名のガイドがそこに付きっきり状態。元気メンバーは、自主行動と化しておりました。まぁ、元来、自主行動が好きな私たちですから、それはそれでいいんですが、同じアルパカエクスペディションズの他のグループは、メンバー同士が、結構、同じようなペースで進んでいるらしく、ガイドさんがポイント、ポイントで説明や映えフォトショットを撮影してくれていたりしており、ちょっと羨ましい気持ちも湧きました。
ファミリーになる、か。
確かに、ファミリーってこんな感じなのかもね。自分にとって全て都合の良いように振る舞ってくれるばかりじゃないのがファミリー。
時には足を引っ張られるような気持ちになるけど、見捨てるわけにいかないのがファミリー。
隣のファミリーはなんだか自分たちファミリーより素敵に思えてしまうのも、よくあること。
私のファミリーは、私が選んだわけじゃないけど、でも、きっとそこには意味があるんだろうな。
2日目のディナーは、初日以上に打ち解けた気がした。
でも、全身刺青ライアン、ここでピスコリカーのボトルを取り出すのは失敗だったのではないでしょうか?乾杯したいのは分かるけど、標高3,600mですぜ。一番の難所を超えたとはいえ、明日も明後日も、まだまだタフな日は続きますぜ。
そんな心配を抱きつつ、2日目も午後8時には就寝。
(続く)
