介護業界の魅力を発信なんてあほらしい|逆効果な理由について語る
介護業界の魅力を発信?あほらしい。
— 黒澤春|YouTuber・note執筆中!フォロバ100% (@kurosawaharu02) June 11, 2025
汗まみれで矛盾だらけの現場を、キラキラPRでごまかすな。
尊い仕事とか言って称賛で包んで、待遇は最低、理解もゼロ。
介護職が表に立つほど、真実は歪む。
本物のプロは裏方でいいと思ってる。
その地味さに誇りがあるんだよ。#介護士 #介護福祉士 #介護施設
介護の魅力を発信しようとする動きがある。最近は役所も、業界団体も、企業も、なぜか「キラキラ系介護士」みたいな幻を生み出そうとしている。若者向けのインスタ広告、笑顔で高齢者に寄り添うティーン、派手なBGMで編集された職業紹介動画、そして「感動」が売りのポスター。正直、見ていていたたまれない。そんなものに金かけるくらいなら、手当の一つでも増やせって話だ。
もちろん、人手不足は深刻だ。取り組みの方向性そのものを全否定するつもりはない。ただ、その「見せ方」があまりにも軽薄すぎる。まるで、つや出しスプレーで古びたドブ板を磨いて「ほら、新築みたいでしょ?」と言っているようなものだ。
介護という仕事は、本来「魅力」で語れるものじゃない。これは生活の最前線だ。人間の最も無防備で、最も不条理な部分に触れる。人間の「終わり」に寄り添う。それは泥臭く、報われない瞬間の積み重ねでしかない。そこにあるのは、表舞台のスポットライトではなく、薄暗い舞台裏の雑音と汗と疲労と矛盾だ。
なのに、なぜ今、それを「魅力」として語ろうとするのか。
介護職が「尊い仕事」という呪い
介護職に付きまとうフレーズがある。「尊い仕事ですね」「大変だけどやりがいがあるでしょ」「すごい、私にはできない」。これらは、全て“称賛”という形をとった搾取の方便だ。
実際、これを真に受けて業界に飛び込んだ若者がどれだけ潰れていったか。現場に入って初めて気づく。「尊い」と言われながら、待遇は最低ライン。人間を相手にしているのに、業務はコンビニのバイト並みにマニュアル化され、時間に追われ、クレームに怯え、サービス残業で帰れない。理不尽な家族対応や、同僚の離職、理事長の謎方針に振り回され、それでも「笑顔で寄り添う姿勢」を求められる。
気がつけば、「好きでやってるんでしょ」という空気が、逃げ場をふさぐ。
介護職が表に立ってはいけない理由
介護職がメディアで語られるとき、大抵は“感動”でコーティングされる。NHKのドキュメンタリー、民放の再現ドラマ、自治体の広報。どれもこれも、「やりがい」「ありがとう」「笑顔」「人と人のつながり」。確かにそれがゼロではない。でもそれを前面に出しすぎると、介護の本質から目を逸らしてしまう。
本当は、介護はもっと不安定で、生々しくて、時に絶望的ですらある。人間の矛盾、社会制度の不備、家族の崩壊、貧困、孤独、暴力…そういったものと真正面から向き合う場所だ。
だから、表に出て「こんなに素晴らしい仕事です!」なんて語るべきではない。むしろ、裏側にいるからこそ、真実を保てる。人前でキラキラした言葉を発した瞬間に、俺たちの現場は、またひとつ「勘違いされた労働」へと貶められる。
「介護業界の魅力を発信する」ことの滑稽さ
介護業界の中には、PRに熱心な人たちがいる。TikTokで介護施設のダンス動画、Instagramで“おしゃれ制服”の紹介、YouTubeで「一日密着!現場のリアル」なんてものも。悪くない。悪くないんだけど、空回りしている。
というか、そもそも「若者を呼び込むには、SNSだ!」みたいな発想が、時代錯誤も甚だしい。介護に向いてる人間が、SNSのノリでこの仕事に来ると思うか? 「バズってる介護職」で本気になれると思うか? そうじゃないだろう。
介護職の魅力を演出しようとするほど、本質から遠ざかる。
そういう表現が逆に、「実際は違うよね」という不信感を生む。「キラキラ発信」はむしろ逆効果だ。
介護職が発信すべきものとは?
じゃあ何を発信すべきなのか? それは「ありのまま」だと思う。美化もせず、脚色もせず、むしろ“しんどさ”を正直に伝えること。それを受け止めたうえで、「それでもやりたい」と思う人間だけが残ればいい。
現場には、そういう本物が必要だ。
私は現場で働いてた時にはこう思っていた。別にそれで誰かを変えたいわけじゃない。むしろ、私自身が「ここにいるぞ」と言いたいだけなのかもしれない。
介護の本質は、派手じゃない。目立たない。でも、社会を支える“重し”みたいなもんだ。
だからこそ、私たちは表に立たなくていい。むしろ立ってはいけない。裏方として黙々とやる。それでいい。
そしてその姿を、誰かが、ちゃんと見ていてくれたら、それで十分だ。
終わりに
「介護の魅力?」と聞かれたら、私はこう答える。
「介護職の魅力を発信?あほらしい」と。
でもその一言の奥に、本当の意味での“誇り”がある。誰にも見せびらかさない、誰にも媚びない、でも確かにそこにある、重くて厳しい仕事の誇り。
それをわかる人が、ひとりでも増えてくれたら、少しだけ報われる気がすると思う。
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