自分らしく生きていくための【ひとりブランド論】
はじめに…
私はもともと美大出身でもない、資格もない、ビジネススキルもない、しがない会社員でした。
あるとき、うつ病で退職し、しばらく社会を離れた後、小さな作品を作って、ハンドメイド作家になりました。
ハンドメイド作家として長く活動していくために、ブランドコンセプトを立てました。
それは、ひとつのブランドとして『社会の中でこのような価値を作り上げていきます』という意思表明。
私と世界の約束、のようなものでもあります。
これをもとに、私は10年以上もハンドメイド作家として活動を継続し、
知り合いのいない田舎に一人で移住し、
本業作家でありながら、自分のペースでのんびりと暮らし、
地域でサークルを立ち上げたり、 新しい土地で新しい人間関係を築いたり、
時には海外のアート展に出展したり、
メディアや百貨店やギャラリーなどで作品を扱っていただいたり、
時々このように文章を書いたり…
ノンストレスかつ、バラエティに富んだ活動を行っています。
…そう。
ブランドコンセプトを作ったことで、作家活動のみならず、人生そのものが充実し始めたんです。
なぜかというと、私がつくっているブランドコンセプトには秘密があるからです。
一般的なブランドコンセプトなら、「売る」ことが一番の目的なので顧客のニーズや市場調査を重視しますが、
私のブランドコンセプトは、自分の中に深く埋まっている本当の自分の核を見つけて、創作の源泉にすることを最重視します。
これによって、創作者本人の独自性が発揮され、独自性そのものがブランドの世界観を構築します。
本人の核から発するものなので、熱量やモチベーションを生涯に渡って自然と維持できることもメリットのひとつ。
さらに、作家活動自体がライフワークのように感じるようになり、人生全体を創造している感覚に発展します。
つまり、ハンドメイドなどの小さな領域を超えて、自分の内側から生きがいを創造し始めるわけです。
それによって、仕事も人間関係も、住まいも夢も価値観も、身の回りのことが自然と変化し、一貫性を持つようになります。
そうして年数が経つごとに人生の中の様々な要素が太く濃く繋がり、自分の人生という1本の軸にまとまって強化されていく。そんな感覚。
私は、このような感覚や想いを持ち始めたことがきっかけで、「人生を生きるためにみんながコンセプトを立てたらいいんじゃないか?」と考えるようになりました。
名付けて『ひとりブランド論』です。
何か物理的なものを作るわけではありません。
一人の人間が人生そのものを創造するブランドです。
会社員でも、主婦でも、誰もが持てる、肩書きや所属などではない、「あなた自身」という存在の価値。
それを明確にすることで、その人らしさが表れて、周りの価値観に揺さぶられることなく、自然体で生きられる自分だけの道が見えてくる。
それが、私がこっそり伝えたい『ひとりブランド論』。つまり、一人一人がブランドコンセプトを胸に抱いて生きていきませんか、という提案です。
~最後に~
コンセプトは一般的に、企業が持っているものですが、考えてみれば、ひとつひとつの企業も、それぞれ個性や性格を持って社会の中に自立している人間のような存在だなと思います。
会社の中ではたくさんの社員が働いているので、その大勢をまとめあげて同じ方向へ向かって進むためにも、わかりやすい言葉に落とし込み、共有することが重要になるわけですが…
人間も、一人の中にいろいろな面があります。そのうえ、他人や世間の価値観に振り回されて、いつもブレブレ。
あんなに好きだったことが急に嫌になったり、昨日は青を選んだはずが、今日は赤の気分だったり。それって、一人の中に大勢の社員がいるようなものかもしれません。
それなのに、一つにまとめ上げるための手段が何もない状態では、生きづらいのも当然。
そんな迷えるひとりの人間だからこそ、社会の荒波の中にすくっと自分の足で立ち、一つの方向へ向かっていくための軸を持つことが重要なのではないかと、そんなふうに思えます。
