会社を辞める決断ができない日に|今すぐ決めなくていいこと・先に確認すること
「会社を辞めたい気持ちはある。でも、本当に辞めていいのか分からない」
考えても考えても、なかなか答えが出ない。
そんな状態になることがあります。
会社に残れば、今感じているつらさが続くかもしれない。
けれど、辞めれば収入や生活、家族への影響が気になる。
転職したとしても、次の職場が自分に合うとは限りません。
「会社を辞める決断ができない」とき、ひとつの大きな問題に見えて、実際にはいくつもの問いが重なっていることがあります。
仕事のこと。
お金のこと。
家族のこと。
これからの働き方。
そして、自分が本当はどうしたいのか。
これらを全部まとめて考えようとすると、何から手をつければいいのか分からなくなります。
さらに、会社を辞めたいという悩みは、誰かに話しにくいこともあります。
家族に話せば心配をかけるかもしれない。
職場の人には言いにくい。
友人に相談しても、「辞めたほうがいい」「もう少し頑張ったほうがいい」と、すぐに結論を求められてしまうこともあるでしょう。
でも、今必要なのは、すぐに「辞める・残る」を決めることではないかもしれません。
この記事で考えたいのは、
「今、本当に決めなければならないことは何か」
という問いです。
大きな決断の中には、今決められることもあれば、情報を集めてから考えたほうがいいこと、今はいったん保留にできることもあります。
この記事では、会社を辞めるかどうかの正解を決めるのではなく、頭の中にある問いを、
「今決める」
「調べる」
「保留」
の3つに分けられるところまで整理していきます。
まずは、「会社を辞める」という大きな決断そのものを、少し小さくしてみましょう。
第1章 大きな決断を一括処理しない
「会社を辞めるか、残るか」
この問いだけを見ると、答えは二択のように感じます。
けれど、その中身を少し分解すると、
今の仕事をこのまま続けられるか
転職という選択肢は現実的か
収入が変わっても生活できるか
家族と何を話し合う必要があるか
今の会社で変えられる条件はないか
別の働き方を検討したいのか
など、いくつもの問いが含まれていることに気づきます。
「退職するか」ではなく、問いを小さくする
たとえば、48歳の会社員Aさんが、
「もう会社を辞めたい。でも住宅ローンもあるし、家族のことを考えると決められない」
と悩んでいたとします。
ここで、
「辞める/辞めない」
だけを考え続けると、仕事への気持ち、お金、家族、転職への不安が全部つながってしまいます。
そこで、
「毎月の生活にいくら必要なのか」
「転職すると収入はどの程度変わりそうか」
「今の職場で変えられることはあるか」
というように、確認できる問いへ小さくしてみます。
この段階では、答えを出す必要はありません。
大切なのは、「何を決められないのか」から「何がまだ分かっていないのか」へ視点を移すことです。
問いが小さくなったら、次はそれぞれを同じ重さで抱えないようにします。
第2章 今決める・調べる・保留
小さくした問いを、ここでは3つに分けてみます。
① 今決める
今の自分で決められる、小さな行動です。
たとえば、
今週末に生活費を確認する
求人を一度見てみる
今の仕事で変えたいことを書き出す
などです。
ここでの「今決める」は、「退職を決める」という意味ではありません。
次に何をするかを一つ決める、くらいの大きさで構いません。
② 調べる
判断するための情報がまだ足りないものです。
たとえば、
希望する仕事にはどんな求人があるのか
転職すると収入や働き方はどう変わりそうか
退職前後に確認すべき手続きは何か
今の会社で使える制度や相談先はあるか
などです。
分からないことを、想像だけで答えにしないための区分です。
③ 保留
今考えても答えが出ないことや、まだ決めなくてよいことです。
たとえば、
「会社を辞めたら、5年後に後悔しないだろうか」
と考えていたとします。
将来の自分がどう感じるかは、今の時点では確定できません。
それなら、無理に答えを作らず、
「これは今は保留」
と置いておくこともできます。
会社を辞める決断ができないとき、すべてを「今決めなければならないこと」として抱えると、整理しにくくなります。
まずは、
今決めることなのか。
調べることなのか。
それとも保留できるのか。
この3つに仕分けるだけでも、扱う順番が見えやすくなります。
では、実際の生活では何を分ければよいのでしょうか。
次は、特に絡みやすい「家族・お金・働き方」を例に考えてみます。
第3章 家族・お金・働き方の確認例
先ほどの48歳の会社員Aさんで考えてみます。
Aさんは、
「会社を辞めたい。でも家族もいるし、この先が不安で決断できない」
という状態です。
このとき、「退職するかどうか」だけを考えるのではなく、
家族・お金・働き方
の3つに分けて確認してみます。
家族について
「家族は退職に賛成してくれるだろうか」
と想像するだけではなく、
生活が変わるとしたら、家族と何を確認したいか
まだ共有できていないことは何か
いつ、どこまで話したいか
という問いに変えてみます。
まだ話し合っていないことなら、家族の反応を自分の中だけで決めつけず、**「確認が必要」**として置いておけます。
お金について
「辞めたら生活できないかもしれない」という不安も、確認項目に変えていきます。
たとえば、
毎月の生活費はいくらか
収入が変わった場合、どの支出に影響がありそうか
退職を考える前に確認しておきたい制度や手続きは何か
といった形です。
ここでの目的は、楽観的になることでも、必要以上に不安になることでもありません。
分からない数字や条件を、確認できる形にすることです。
働き方について
「今の会社を辞める=すぐ転職」と決める必要もありません。
今の職場で変えたいことは何か
異動や働き方の変更で変わる部分はあるか
転職するなら何を優先したいか
副業や学び直しなど、調べてみたいことはあるか
と分けてみます。
こうして見ると、「退職」という一つの大きな悩みが、いくつかの確認事項に変わっていきます。
一方で、問いが増えてくると、
「書き出したけれど、今度は全体を整理できない」
ということもあります。
そこで、もう少し体系的に整理したい場合の全体像も見ておきます。
第4章 有料版7ワークの全体像
家族、お金、仕事、自分の気持ち。
それぞれを書き出していくと、今度は情報が増えてきます。
有料版では、そうした頭の中の未処理を順番に整理できるよう、次の7つのワークに分けています。
7つのワークで整理すること
頭の中の未処理を書き出す
決まっていないこと、分からないことをいったん外に出します。事実と気持ちを分ける
実際に起きていることと、自分が感じていることを整理します。家族について確認する
誰と何を話したいのか、まだ確認していないことは何かを整理します。お金について確認する
生活費や収入など、数字で確認したい項目を洗い出します。働き方の条件を整理する
今の仕事で変えたいこと、これから大切にしたい条件を言葉にします。選択肢を並べる
退職だけに絞らず、残る、転職する、働き方を変えるなどの選択肢を並べます。「今決める・調べる・保留」に分ける
最後に、それぞれの問いを3つに仕分けます。
厚生労働省も、ジョブ・カードを、在職者がこれまでのキャリアや経験、強みなどを整理し、今後のキャリアを考えるために活用できるツールとして案内しています。
ここで大切なのは、7つすべてを一度に完成させることではありません。
まずは一つ、頭の中にあるものを外へ出すところから始められます。
その最初のワークを、この無料記事の中でも実際に試してみましょう。
第5章 無料で1ワーク体験
紙かスマホのメモを一つ用意してください。
そして、次の問いを書きます。
「会社を辞めることを考えたとき、まだ分からないこと・決まっていないことは何だろう?」
きれいな文章にする必要はありません。
思いついた順番で書いていきます。
たとえば、
家族にまだ詳しく話していない
毎月最低いくら必要なのか確認していない
転職すると収入がどの程度変わるのか分からない
今の会社で働き方を変えられるのか確認していない
本当に退職したいのか、今の仕事内容を変えたいのか整理できていない
といった内容です。
ここでは、書いた項目をすぐに解決しようとしないでください。
目的は、
「会社を辞める決断ができない」という大きな悩みを、自分がまだ確認できていない小さな問いに変えること
です。
5個でも10個でも構いません。
頭の中だけに置いていたものを、いったん外へ出してみてください。
書き出してみると、
「これは今できそう」
「これは情報を調べないと分からない」
「これは今考えても答えが出ない」
という違いが見えてくるはずです。
ここから、5〜15分のミニワークに進みます。
ミニワーク|「今決める・調べる・保留」に分ける
このワークの目的
このワークは、会社を辞めるかどうかを決めるためのものではありません。
書き出した問いを、
「今決める」
「調べる」
「保留」
に分け、今の自分が扱う範囲を見つけるための整理です。
5〜15分程度を目安にしてください。
手順1 3〜7個選ぶ
先ほど書き出した「分からないこと・決まっていないこと」から、気になるものを3〜7個選びます。
全部を整理しなくても構いません。
手順2 3つに仕分ける
選んだ項目を、次の基準で分けます。
今決める
→ 自分で今、小さな行動を決められること
調べる
→ 情報が足りず、確認してから考えたいこと
保留
→ 今は答えが出ないこと、急いで決めなくてよいこと
そのまま使える記入欄
今決める
・______________
・______________
調べる
・______________
・______________
保留
・______________
・______________
架空の記入例
48歳の会社員Aさんの場合です。
今決める
・土曜日の30分を使って、毎月の生活費を確認する
調べる
・希望する仕事には、どんな求人や条件があるのか確認する
保留
・半年後に実際に退職しているかどうか
Aさんは、このワークをしても「会社を辞める」とは決めていません。
ただ、
「今やること」と「まだ決めなくてよいこと」
は分けられました。
ワーク後に確認すること
3つに分けたら、最後に一つだけ確認してください。
「この中で、本当に今日決める必要があることは何だろう?」
答えが一つでも見つかれば十分です。
人生の結論まで出す必要はありません。
今日できる小さな一歩
「調べる」に入れた項目から、一つだけ選びます。
そして、
「何を、どこで確認するか」
まで書いてみてください。
たとえば、
「求人の条件を、求人サイトで30分だけ確認する」
「生活費を、今月の明細を見ながら書き出す」
という程度で構いません。
退職や労務、公的制度など正確な確認が必要な項目は、勤務先の正式な窓口や公的機関など、信頼できる情報源で確認してください。
まとめ
「会社を辞めたい。でも、辞める決断ができない」
そんなときに、無理に一つの答えを出す必要はありません。
この記事で整理してきたのは、次の4つです。
「辞める・残る」を一度に決めようとしない
大きな悩みを、確認できる小さな問いに分ける
家族・お金・働き方を別々に確認する
それぞれを「今決める・調べる・保留」に分ける
ここまでできれば、まだ退職するかどうかは決まっていなくても、
「何が分かっていないのか」
「次に何を確認すればよいのか」
「今は何を決めなくてよいのか」
を見分けやすくなります。
今日できることは一つで十分です。
ミニワークの「調べる」から1項目を選び、
いつ、何を、どこで確認するか
を書いてみてください。
大きな決断は、一度に全部決めなくてもかまいません。
今決めなくてよいことを切り離すことも、自分の状態を整理するための一歩です。
ここまでのミニワークだけでも、今日できる一歩は始められます。
もし、
「家族・お金・働き方まで含めて、もう少し体系的に整理したい」
と感じたら、次の記事では、今回紹介した7つのワークを使って一つずつ整理できる形にまとめています。
今すぐ結論を出すためではなく、自分の中にある「今決めること・調べること・まだ決めなくてよいこと」を、必要なタイミングで整理したい方へ向けた内容です。
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