会社を辞めたいけど理由がうまく言えない40代へ|「仕事がつらい」を5つに分けて整理する
辞める・残るの結論より先に、負担の正体を言葉にする
会社を辞めたい。でも「なぜ?」と聞かれると答えられない
「会社を辞めたい」と思っているのに、「何がそんなにつらいの?」と聞かれるとうまく答えられない。
上司が嫌なのか。仕事が多すぎるのか。評価に納得できないのか。それとも、このまま10年働き続けることが不安なのか。
「会社を辞めたいのに、理由が自分でもわからない」という状態は、理由がないというより、性質の違う負担が重なり、一言では説明しにくくなっているのかもしれません。
40〜50代になると、家族、収入、年齢、これまで積み重ねてきたキャリアも判断に絡みます。
「嫌なら辞める」
「つらくても残る」
そんな単純な二択では整理しにくいこともあります。
厚生労働省の「マイジョブ・カード」でも、仕事を辞めたいと思ったときには、自分が置かれている状況や、これからどうしたいのかを一度整理して考えることが案内されています。
この記事では、「仕事がつらい」を整理しやすいように、
①人間関係
②業務量
③評価
④将来
⑤生活条件
の5つに分けて考えてみます。
これは状態を診断するためのものではありません。
読み終えたときに、
「今の自分は、何を一番重く感じているのか」
そして、
「今日は何を1つ確認すればいいのか」
が少し見えていれば十分です。
なお、心身の不調が強く、日常生活や仕事に大きく影響している場合は、この記事だけで整理しようとせず、医療機関や専門・公的な相談先を利用することも選択肢です。
厚生労働省の「こころの耳」では、働く人やその家族向けに、電話・SNS・メールなどの相談窓口が案内されています。
「会社を辞めたい」は、1つの理由とは限らない
「会社を辞めたい」は、それ自体が理由というより、いくつもの負担が重なった末に出てくる“結論の言葉”になっていることがあります。
たとえば、架空の46歳会社員。
仕事内容そのものは嫌いではありません。
それでも、人員が減って仕事量が増え、帰宅が遅くなり、家族との時間も減ってきた。
本人の中では「業務量」と「生活条件」が重なっているのに、一言で説明しようとすると、
「仕事がつらい」
「もう会社を辞めたい」
となってしまいます。
厚生労働省の「こころの耳」でも、職場について考える項目の一つとして「人間関係」が扱われるなど、仕事上の負担は一つの要因だけで捉えられるものではありません。
だからこそ、いきなり「辞めるか、残るか」を考える前に、まず負担を分けてみます。
見るのは次の5つです。
① 人間関係
② 業務量
③ 評価
④ 将来
⑤ 生活条件
全部に当てはまっても構いません。
今の段階で、原因を1つに決める必要もありません。
まずは、自分にとって何が重いのかを順番に見ていきます。
人間関係|「誰と働くか」が負担になっていないか
「仕事が嫌だ」と感じていても、仕事内容そのものではなく、特定の人とのやり取りが負担になっていることがあります。
たとえば、普段の仕事には大きな不満はない。
でも、上司へ報告や相談をする前になると、気持ちが重くなる。
そんなケースです。
上司だけとは限りません。
同僚、部下、顧客、職場全体の雰囲気、コミュニケーションの取り方など、
「誰と・どんな場面で負担を感じるのか」
を分けて見てみます。
「仕事そのものが嫌」
と、
「その人とのやり取りがつらい」
は、同じとは限りません。
ここを切り離してみるだけでも、負担の見え方が変わることがあります。
業務量|仕事そのものより「多すぎる」が原因ではないか
以前は問題なくできていた仕事でも、仕事量や条件が変われば、感じる負担も変わります。
たとえば、
人員が減った
担当範囲が広がった
納期が短くなった
突発対応が増えた
休みにくくなった
といった変化です。
架空の例として、以前は普通にこなしていた仕事なのに、人員が減った時期から急につらくなった人がいたとします。
その場合、「この仕事に向いていない」と考える前に、
仕事そのものがつらいのか、それとも現在の量や条件が重いのか
を分けて見たほうが整理しやすくなります。
残業、納期、責任範囲、人手不足、突発対応、十分に休めているか。
こうした「仕事側の負荷」を一度確認してみます。
評価|「頑張っても報われない」が積み重なっていないか
仕事そのものは嫌いではなくても、
「頑張っているのに報われない」
という感覚が積み重なることがあります。
たとえば、仕事量や責任は増えている。
でも、給与や役職は変わらない。
何をすれば評価されるのかも分かりにくい。
頑張っても、それが当然のように扱われる。
そんな状態が続けば、仕事内容よりも、
「この評価のされ方が続くこと」
に重さを感じる場合があります。
確認したいのは、
給与
昇進
評価基準
責任との釣り合い
感謝や承認
などです。
ここで会社側が正しいか、間違っているかを決める必要はありません。
まずは、
自分は評価の何に引っかかっているのか
を言葉にしてみます。
将来|今より「この先」が不安なのではないか
今の仕事は、何とか続けられる。
それでも、
「この働き方をあと10年続けられるだろうか」
と考えると、不安になることがあります。
たとえば架空の例として、現在の仕事内容には大きな問題がなくても、55歳、60歳になった自分が、今と同じ働き方を続けている姿を想像できないケースです。
確認したいのは、
会社の将来
自分の市場価値
定年までのキャリア
AIや技術の変化
今の働き方を続けられるか
といったことです。
厚生労働省のジョブ・カードも、これまでの経験を振り返りながら、今後のキャリアプランを考えるために活用できる仕組みです。
「今日の仕事がつらい」のか。
それとも、
「このまま続く未来が見えないことが不安」なのか。
ここを分けるだけでも、次に確認することは変わります。
生活条件|会社ではなく「働き方」が合わなくなっていないか
生活条件は、仕事そのものではなく、
「今の働き方と、今の生活がかみ合っているか」
を見る項目です。
同じ会社、同じ仕事内容でも、生活側の条件が変われば、負担の感じ方も変わります。
たとえば、
以前は気にならなかった通勤がつらくなった。
残業が増え、家族との時間が取りにくくなった。
休日にも仕事のことが頭から離れない。
そんなこともあります。
確認したいのは、
通勤
勤務時間
休日
家族との時間
親のこと
子育て
体力面
などです。
家庭や生活の事情は、人によって違います。
「会社が嫌なのか」だけではなく、
「今の働き方と今の生活が合っているのか」
という角度からも見てみます。
ここまで5つを見て、複数に当てはまったとしても問題ありません。
5つが混ざったままだと「辞める・残る」を判断しにくい
人間関係、業務量、評価、将来、生活条件。
いくつもの負担が重なると、
「もう全部嫌だ」
と大きくまとめてしまったり、
「自分が我慢できないだけなのでは」
と全部を自分の問題にしてしまったりすることがあります。
でも、最も重いものによって、次に確認する内容は変わります。
たとえば、
Aさんは「人間関係」に◎
Bさんは「将来」に◎
Cさんは「生活条件」に◎
だったとします。
3人とも「会社を辞めたい」と感じていても、次に見るべき場所は同じではありません。
今は最終的な結論より、
「自分は、どこを優先して見ればいいのか」
を決める段階と考えてみます。
ここから5分だけ、自分の状態に○と◎をつけてみます。
5分でできる。「辞めたい理由」を5分類するメモ
紙か、自分だけが見る個人用のメモを用意してください。
厚生労働省の「マイジョブ・カード」でも、仕事を辞めたいと感じたときには、自分が置かれている状況やこれからのキャリアを整理して考えることが案内されています。
今回は難しい分析はしません。
次の5項目を書きます。
① 人間関係
② 業務量
③ 評価
④ 将来
⑤ 生活条件
やることは2つだけです。
① 今つらいと感じる項目に○をつける
② その中で、今いちばん重い1つに◎をつける
たとえば、
人間関係 ○
業務量 ◎
評価 ○
将来 ○
生活条件 -
となったとします。
この場合、
「会社全部が嫌」
とまとめるのではなく、
「今は業務量を優先して見てみよう」
と仮置きします。
これは点数をつけて状態を診断するものではありません。
○が多いから危険、少ないから大丈夫、というものでもありません。
今の自分が、
どこを優先して見ればいいのかを決めるためのメモ
です。
書く内容は、自分に分かる程度で十分です。
勤務先名、顧客名、個人名、社内の機密情報などを書く必要はありません。
◎をつけたら、今日はそれをもう1段だけ具体的にします。
今日は「一番重い1つ」だけ確認する
◎をつけた項目について、
「誰・何・いつ・どの条件が特に重いのか」
を1つだけ考えてみます。
人間関係:誰との、どんなやり取りが重い?
業務量:何の仕事・いつの時期が特にきつい?
評価:給与・役割・評価基準・承認のどこが引っかかる?
将来:会社・仕事・収入・年齢の何が一番不安?
生活条件:通勤・勤務時間・休日・家庭との両立のどこが重い?
たとえば「業務量◎」なら、
「仕事が多い」
で終わらせず、
「月末3日間に集中する突発対応が一番きつい」
まで具体的にしてみます。
すると、
「会社が嫌」
という大きな塊から、
「月末の突発対応が大きな負担になっている」
という、もう少し具体的な対象に変わります。
目的は、今日中に解決策を決めることではありません。
次にどこを確認すればいいのかを、少し具体的にすること。
ここまで見えれば、今日の整理としては十分です。
「辞める・残る」を決める前に、負担の正体を1つずつ見る
「会社を辞めたい。でも理由がうまく言えない」というとき、無理に理由を一言でまとめる必要はありません。
今回見てきたのは、
人間関係・業務量・評価・将来・生活条件
の5つです。
「理由がわからない」と感じたときは、まず混ざっている負担を分けてみる。
そして、
「今の自分は、どこを一番重く感じているのか」
を確認します。
今日決めるのは、
「辞めるか」
「残るか」
でなくても構いません。
5分類につけた◎を見ながら、
「今の自分にとって、一番重いのはこれかもしれない」
と仮置きできれば、次に確認する場所が見えやすくなります。
そして、つらさの正体が少し見えても、
「家族を心配させたくない」
「職場の人には言えない」
と感じる人もいます。
次は、その「言えない」という負担を整理していきます。
次は「弱音を吐けない」こと自体を整理するA-F02へ
「家族を心配させたくない」
「同僚には言えない」
「この程度で弱音を吐いてはいけない気がする」
負担の正体が見えても、誰かに話すことには別の難しさがあります。
次の記事では、「つらい」と言えないこと自体に、どんな気持ちが重なっているのかを整理していきます。
