空想科学日記:サボってモテて出世したらパワハラ上司。セブンの職場あるある。
ヒーローとは、誰よりも働く存在なのか。
誰よりも責任を背負い、誰よりも命を削る者なのか。
ウルトラセブンを観ていると、そんな幻想はすぐに崩れ去る。
彼は“すべてを引き受けるヒーロー”ではない。
むしろ──働きすぎないことの天才だった。
カプセル怪獣という業務委託
セブンには、他のウルトラ兄弟にない“外注スキル”があった。
戦場にカプセル怪獣を投げ込み、戦闘を代行させる──
それは明らかに任務のアウトソーシングである。
これは一般企業なら、ほぼ就業規則違反だ。
本来自分が出るべき会議に、業務委託の派遣社員を送り込むようなもの。
だが彼は、「仕事を丸投げする勇気」を持っていた。
そして出世後──『ウルトラマンレオ』でMAC隊長となった彼は、
今度は“怪獣ボール”と呼ばれるセブンガーを投入する。
形こそ違えど、やっていることは同じ。
現役時代のカプセル怪獣に続き、隊長になっても外注を手放さなかったのだ。
恋とサボりと若手時代の奔放さ
現役時代のモロボシ・ダンは、戦いと並行して公私混同の極みをやっていた。
アンヌ隊員と行動を共にし、目に見えてデレている。
怪我による長期休職もあり、「この人、本当に稼働してるのか?」という回も少なくない。
だが現場にいるからこそ得られる“恋の機会”もあった。
人は接触頻度の高い相手に好意を抱く──これは心理学における「単純接触効果」だ。
モロボシ・ダンはそれを実践し、現場という戦場を“恋愛資源”に変えた。
現代でいえば、居酒屋バイトに近い。
3K(キツい・汚い・キケン)の象徴のような職場にもかかわらず、
バイトカップルが大量発生するのは、苦労の共有と接触頻度のなせる業だ。
恋愛と任務が交差する場所に、モロボシ・ダンは確かにいた。
出世してパワハラ上司になる男の末路
そんな彼も、MACの隊長になった。
が──ここからが本当の地獄だ。
部下であるゲン(ウルトラマンレオ)に対し、
「お前が弱いからみんな死ぬんだ」と罵倒を繰り返し、
まともなサポートも教育もせず、次々と隊員が殉職していく。
しかも自分はほぼ無傷で生き残る。
これはもう、職場にひとりはいるタイプだ。
若い頃に女遊びとサボりばかりしていた人間が、
出世した途端に過去を棚に上げ、ドヤ顔で説教してくる──いる。会社に、そういうやつ。
そして結末。
モロボシ・ダンが隊長を務めていたMACは、シルバーブルーメによって壊滅する。
これはウルトラシリーズ史上、防衛チームが“全滅”した最初の例だった。
指揮官の責任が問われることもなく、物語はそのまま新展開へ進んでいく。
だが、現場は──忘れない。
働きすぎない才能と、働かせすぎる地獄
セブンには“働きすぎない勇気”があった。
だがその才能は、部下に丸投げする才能でもあった。
ヒーローは、すべてを背負う必要はない。
だが、背負わせたなら──せめて、そばにいてほしい。
そう思わせてくれるのが、セブンという名の上司だ。
※記録者:イズミ隊員
地上での観察はXでも継続中。
怪獣とソフビの動向、国家のエラー、社会という構造物のひび割れをポストで記録しています。
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