短歌〜鏡心の短歌「じぶん応援歌」(50首連作)/麻千子
テスト中 まわりの書く音 気になって 焦り続けた あの頃と同じ
出来なくて 情けなくて 空回る 出せない結果 夢見る逆転
くやしくて もがきあがいて くるしくて 開かない窓の 曇ったガラス
失敗か 引き返せない トンネルで 浅い呼吸と 足りない装備
あおぎみる なんとかしなきゃ さまよえど 欠けたつるはし 泉はあるのか
地図を読む そもそもここは どこなんだ 止まった脚と 途切れた気持ち
長い夜 どうしたらよいか わからずに 渇きだけが 積み重なって
低気圧 風がうずまく 音響く 色んなことが 強すぎるんだ
さがしもの これじゃないよ 繰り返す つかめぬ手のひら 残ったものは
燃料が どんどん減りゆく 先細り 恐怖抵抗 明けの三日月
くいしばり 備え対策 精を出し 損得勘定 おぼれた浅瀬
届かない 頑張ったんだよ 本当だよ 上がらぬ偏差値 近道教えて
雨が降る なまけてないよ さぼってない 傷つき傷つけ 見えない虹は
ゆるしてよ なぐさめてよ 認めてよ やぶれたカバンに 詰め込み続け
報われたい 成果評価 うずくまる 求めた正しさ 眠れない夜
あっている あっていない こたえあわせ 私のではない 解答集で
向かい風 どう歩けばいい 笑えばいい 古い地図と 使えぬコンパス
うつむいて もたつき戸惑い びくついて 乱れた薄い 迷子の足跡
身構えて 反射的に かみついて 遠吠えのよう 流した涙
今日また すねてねたんで 恨み言 過剰反応 丸めた背中
ずるいなぁ 文句を言いたい ぶつけたい 見せつけあてつけ 重たい荷物
特効薬 私だけが 持っていたい 優位であると 錯覚してたい
狭き檻 見くびり見くだし 張り合って 響く秒針 静かな窒息
苛立って 削り削られ ささくれて あなどりあざけり 遠のく温もり
劣等感 こじらせ尖らせ 責めなじる 外に内に 飛び散る破片
虚勢はり つくり笑いで ごまかした すり抜け離れた 正しい人生
むなしくて ぶれゆく輪郭 色あせて 欲した役目と 価値ある時間
くもり空 誰かといても いなくても 孤独と退屈 うまらぬ隙間
やり過ごす にぎりしめた 想いたち 奥底のかなしさ 押し込め隠す
うろたえる ずれた編み目の 長き布 どう直せばいい 聞こえぬ歌声
こぼれ落つ こんなはずじゃ なかったんだ もう言わないと 誓っていたのに
先々の みじめな予感と これまでの 無駄を悔やむ 目の前に空
知らなくて わからなくて 混乱して つぶやくたすけて かすかな風あり
視界不良 さむいよこわいよ 疲れたよ ふわり訪れた かなしくない朝
雨の中 役に立たたない レインコート それでもここまで やってきたんだ
おなかすく すべてをチカラに かえてみる わからないまま こわいままでも
軽やかな 小さな安堵が 重なって 運と縁の 河に委ねて
やじろべえ 納得後悔 ゆれうごく にじむ視界と ふんばる中心
目の前に 映し出された おもてうら 無意味有意義 選び捉えて
深呼吸 気付く気付かぬ 思い込み 希望絶望 雲は流れて
遠い空 憧れ続けた きれいな線 仕方なかった ほどける鎖
妄想の 痛みにつながる 回路断つ 傷つかなければ 傷つけられずに
続きゆく 螺旋階段 すくむ脚 悲観楽観 決めれる方向
夜明け前 わたしはわたしの 味方だよ 心細さも 友だちとして
成さずとも 受け容れてくれよ ねぇわたし カーテン越しに 朝の光
そのまんま 開き直って 見る景色 いつも同じで いつもと違う
朝焼け空 あの涙も 傷痕も 大切だったと いうことにして
手探りで 割れた鏡を 何度でも つなぎ合わせる ため息つきつつ
ああなんだ ゆるされていたのか 今までも 続く続ける さあいこうか
どんとこい 私はまるっと しあわせだ 精一杯の じぶん応援歌
(了)
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ご縁に感謝!!です
【春霞 遠くの富士は 見えぬけど 確かにあると 信じられる朝】(←鏡心の短歌:137)