見出し画像

「頑張っています」が伝わらない人は、数字にできていない

「頑張っています」

この言葉は、本当だと思います。

毎日、真面目に働いている。
人が足りない中で回している。
急なトラブルにも対応している。
上司や部下の間に入っている。
お客様やご家族にも気を使っている。

それでも、相手に伝わらないことがあります。

上司に伝わらない。
本部に伝わらない。
転職先に伝わらない。
お客様に伝わらない。

頑張っていないからではありません。

共通言語になっていないからです。

数値化とは、
人を冷たく管理することではありません。

自分の頑張りを、
相手に伝わる言葉へ変えることです。


頑張りは、そのままだと伝わりにくい

「忙しいです」

この言葉を聞いて、
何を想像するかは人によって違います。

1日30分の残業を想像する人もいます。

でも実際には、
毎日2時間の残業かもしれません。

「人が足りません」

この言葉も同じです。

1人足せばいいと思う人もいます。

でも現場では、
特定の時間帯だけ2人足りないのかもしれません。

「丁寧に対応しています」

これも、人によって受け取り方が違います。

少し声をかけているだけだと思う人もいます。

でも実際には、
ご家族対応に毎日60分使っているかもしれません。

言葉だけでは、ずれます。

だから数字が必要です。

数字にすることで、
同じ景色を見られるようになります。

これが、数値化の本当の意味です。


数値化とは、共通言語化すること

数字は、相手を論破するためのものではありません。

「こっちは大変なんです」
と怒るためのものでもありません。

数字は、
相手と同じ土俵で話すための言葉です。

忙しいなら、何時間足りないのか。
人が足りないなら、どの時間帯に何人足りないのか。
売上が厳しいなら、いくら足りないのか。
採用が厳しいなら、どこで止まっているのか。
丁寧な対応なら、どれくらい時間を使っているのか。

ここまで出すと、
感覚が判断材料になります。

判断材料になれば、
人が動きます。

配置を変える。
業務を減らす。
採用を強める。
価格を見直す。
営業先を変える。
評価を見直す。

数字にすることで、
「頑張っています」が、
相手に伝わる形になります。


数字にしにくい仕事ほど、数字が必要だった

私は、医療介護の現場でこれを痛感しました。

医療介護は、
数字にしにくい仕事が多いです。

ホスピタリティ。
安心感。
ご家族対応。
職員の疲労感。
看取りの時間。
必要なケア時間。
現場の空気。

どれも大切です。

でも、大切だからこそ、
感覚だけで扱うと危険です。

「もっと丁寧に対応しよう」

これは正しい言葉です。

でも、丁寧に対応するには時間が必要です。

時間には、人が必要です。

人には、お金が必要です。

この順番を見ないまま、
現場に丁寧さだけを求めると、
真面目な人から苦しくなります。


保険ビジネスでは、単価を簡単に上げられない

医療介護が難しいのは、
保険ビジネスだからです。

飲食店なら、
材料費が上がれば値上げを考えます。

小売でも、
仕入れが上がれば価格を見直します。

もちろん簡単ではありません。
それでも選択肢はあります。

でも医療介護は、
診療報酬や介護報酬の中で動きます。

単価を自由に上げることはできません。

「人件費が上がったので、
明日から料金を2割上げます」

とは言えません。

だから数字を見ないと苦しくなります。

稼働率。
売上。
人件費。
採用費。
離職率。
必要時間。
必要人数。

ここを見ない管理者の施設は、
静かに破綻していきます。

そしてこれは、
医療介護だけの話ではありません。

どの仕事でも同じです。

単価を上げにくい仕事ほど、
数字で見ないと頑張りが消耗に変わります。


数字がない優しさは、人を苦しめる

「みんなで頑張ろう」

この言葉は、悪い言葉ではありません。

でも、数字がないまま使うと危険です。

みんなで頑張ろう。
助け合おう。
現場力で乗り切ろう。
もう少し工夫しよう。

こういう言葉だけで進めると、
負担は真面目な人に偏ります。

断れない人。
責任感が強い人。
仕事が早い人。
周りを見られる人。

こういう人が、
少しずつ疲れていきます。

本当に人を守るなら、
頑張りを数字にしないといけません。

誰に負担が偏っているのか。
何時間不足しているのか。
どの業務が重いのか。
何人いれば無理なく回るのか。
放置すると何が起きるのか。

ここまで見て初めて、
優しさは仕組みになります。

数字は、冷たいものではありません。

優しさを形にするための道具です。


0.1は大きいのか、小さいのか

ここで、0.1の話です。

0.1と聞くと、
多くの人は小さいと感じます。

たしかに、
小さい場面もあります。

でも、いつも小さいとは限りません。

0.1%でも、母数が大きければ重い。
0.1%でも、毎月続けば効いてくる。
0.1%でも、人数が多ければ影響が出る。
0.1%でも、利益に直撃するなら大きい。

逆に、
判断が何も変わらないなら、
騒ぐ必要はありません。

大事なのは、
0.1という数字そのものではありません。

その0.1によって、
何が変わるのか。

誰の負担が変わるのか。
いくら変わるのか。
何時間変わるのか。
判断が変わるのか。

ここを見ることです。

数字に強い人は、
0.1を見てすぐに騒ぎません。

でも、軽くも見ません。

文脈で判断します。


「忙しい」を数字に変える

たとえば、
「忙しいです」と言うだけでは弱いです。

それは本当でも、
相手は判断できません。

でも、こう言えば変わります。

夕方の記録業務が毎日90分残っている。
月20日で30時間になる。
特定の職員に偏っている。
このままだと離職リスクが高い。

ここまで言うと、
忙しさが判断材料になります。

人を増やすのか。
業務を減らすのか。
シフトを変えるのか。
やり方を変えるのか。

相手が考えられるようになります。

これが数値化です。


「採用できない」を数字に変える

「応募が来ません」

これもよくある言葉です。

でも、これだけでは弱い。

応募が少ないのか。
面接につながらないのか。
内定辞退が多いのか。
入社後に辞めているのか。

どこで詰まっているかが分かりません。

だから数字にします。

先月の応募は3件。
面接は1件。
採用は0件。
紹介会社なら採れるが費用が重い。
直接応募を増やさないと利益が削れる。

ここまで言うと、
採用の問題が見えます。

媒体を変えるのか。
条件を変えるのか。
面接を見直すのか。
定着を改善するのか。

数字にすると、
次の行動が見えます。


「丁寧に対応している」を数字に変える

ホスピタリティも同じです。

「丁寧に対応しています」

これは大切です。

でも、仕事として守るなら、
数字に変える必要があります。

ご家族対応に1日60分使っている。
新人教育に週5時間使っている。
看取り対応が重なる月は記録時間が増える。
クレーム対応が1件あると管理者が半日使う。

こうして数字にすると、
丁寧さが見えるようになります。

ホスピタリティは、
気持ちだけでは守れません。

時間が必要です。

その時間を確保するには、
数字で説明する必要があります。


40代以降は、頑張りを翻訳する力が必要になる

若い頃は、
一生懸命やっている姿を見てもらえます。

でも40代以降は、
見られ方が変わります。

何を改善したのか。
どれくらい売上に貢献したのか。
どれくらい時間を減らしたのか。
何人を動かしたのか。
どれくらい損失を防いだのか。

ここを見られます。

これは社内評価でも同じです。

転職でも同じです。

副業でも同じです。

「頑張りました」だけでは、
相手は価値を判断できません。

でも、

月30時間の残業を削減した。
採用単価を下げた。
稼働率を改善した。
離職を減らした。
50拠点規模の運営に関わった。
赤字施設の改善に関わった。

こう言えれば、
相手は経験を理解できます。

数字は、自慢ではありません。

自分の価値を、
相手に伝えるための翻訳です。


今日からできる数値化の型

難しく考える必要はありません。

まずは、この順番で考えてください。

感覚。
現象。
回数。
時間。
人数。
お金。
判断。

たとえば、

「忙しい」

これを、

何が忙しいのか。
何回起きているのか。
何分かかっているのか。
何人に影響しているのか。
いくら影響しているのか。
何を変えるべきなのか。

ここまで分解します。

これだけで、
感覚は数字になります。

そして数字になると、
相手と共有できます。

共有できると、
判断がそろいます。

判断がそろうと、
行動が変わります。


数字は、現場を縛るものではない

数字が嫌われる理由も分かります。

数字だけで見られると、
現場は苦しくなります。

人の気持ち。
事情。
背景。
関係性。
空気。

こういうものは、
数字だけでは見えません。

でも、数字を見ないことも危険です。

数字を見ないと、
頑張っている人の負担が見えません。

必要な時間が見えません。

失っている売上が見えません。

増えている採用費が見えません。

離職の予兆が見えません。

だから大事なのは、
数字だけで判断することではありません。

数字も使って、現実を見ることです。

数字は、現場を縛るものではありません。

現場を守るための共通言語です。


結論

数値化とは、
管理のためだけにあるものではありません。

頑張りを伝えるためにあります。

「頑張っています」を、
相手が判断できる形に変える。

「忙しいです」を、
月何時間不足しているのかに変える。

「人が足りません」を、
どの時間帯に何人足りないのかに変える。

「丁寧に対応しています」を、
そのために何分必要なのかに変える。

これが数値化です。

医療介護のように、
数字にしにくい仕事でも同じでした。

ホスピタリティ。
必要時間。
人数。
稼働率。
売上。
採用費。
離職率。

ここを見ないと、
現場は静かに苦しくなります。

しかも保険ビジネスでは、
単価を簡単に上げられません。

だからこそ、
感覚を数字に変える力が必要でした。

これは、どの仕事でも同じです。

頑張っているのに伝わらない人は、
努力が足りないのではありません。

共通言語に変えられていないだけです。

数字は、冷たいものではありません。

自分の頑張りを、
相手に届けるための言葉です。

仕事・収入・キャリアを感覚ではなく数字で判断したい方は、
フォローしておいてください。

次回は、
頑張りを伝えたいなら、結果ではなく「過程の重み」を数字にする

ハッシュタグ

#仕事
#キャリア
#マネジメント
#数値化
#40代
#管理職
#転職
#働き方
#仕事術
#ビジネス
#仕事の考え方
#キャリア戦略
#40代の働き方
#管理職の悩み
#現場マネジメント
#医療介護
#介護経営
#数字で考える
#職務経歴書
#年収アップ

いいなと思ったら応援しよう!