「できる・できない」ではなく、どんな環境なら力を発揮できるか
評価表シリーズも第3弾です。
今回は、生活介護事業所で実習した生徒たちの評価表を読み返し、感じたこと、考えてみたことをまとめました。
本校の現場実習の場合、生活介護事業所にお願いする評価表は記述式でお願いしています。そこには、作業の様子だけでなく、
どんな活動を楽しめたか
どんな場面で不安になったか
どんな支援があると落ち着けたか
どのような方法で意思を伝えていたか
といった、一人一人の姿が丁寧に書かれていました。
評価表から見えてきたのは、
「生徒が力を発揮できるかどうかは、本人の力だけで決まるものではない」
ということです。
手本があればできる。
見通しがもてれば参加できる。
好きな活動をきっかけにすると意欲が高まる。
個別の机なら落ち着いて取り組める。
苦手な音が少ない環境なら集団活動にも参加できる。
環境や支援が変わることで、学校では見られなかった姿が表れることもありました。一方で、
予定の変更に不安を感じる
苦手な音から離れようとする
自分の困り感をうまく伝えられない
食事や排泄、安全面に支援が必要
といった姿もありました。
ここで大切なのは、行動だけを見て判断しないことです。
「トイレに長くいる」「活動から離れる」
「やらない」と言う」「室内を歩き回る」
それらも、本人なりの意思表示かもしれません。
「音が苦手」「見通しがもてない」「休みたい」「分からない」「一人になりたい」
そうした気持ちを、行動で伝えている可能性があります。
生活介護を考えるとき、
作業がどれだけできるかだけでは十分ではありません。
一日を通して、安心して過ごせるか。
自分の気持ちを伝えられるか。
必要な支援を受けられるか。
好きなことや得意なことを生かせるか。
そうした視点が大切です。
今回の実習評価から、改めて感じたことがあります。
進路選択で大切なのは、
「何ができるか」だけではなく、
「どんな環境なら、その人らしく力を発揮できるか」
を考えることです。
評価表は、生徒のできなかったことを探すためのものではありません。
その人が安心して生活し、活動し、自分らしく過ごすために必要な条件を見つける。そのための大切な資料なのだと思います。
