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海の哭くおと【コラボレーション楽曲】

櫟茉莉花さんからお誘いを受け、またまた楽曲制作をしました。
すでに櫟茉莉花さん、南ノ三奈乃さん、弓場ゆみ(半径100m)さんが完成された楽曲の公開投稿をされ、ご存じの方もいらっしゃると思います。
諸事情により遅れましたが、コラボメンバーの一員であるLadybugも、この楽曲制作秘話と共に楽曲公開をいたします。

本記事の末尾で、出来上がった曲を紹介させていただきます。
以下、長くなりますので、読み飛ばしたい方はスクロールなさって下さい。(下部に動画を埋め込んでおります。)


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楽曲の原案小説『太宰治は、二度死んだ』の南ノ三奈乃さんは、昨年創作大賞にこの物語を出されていました。私はnoteでの活動がなかなかできなくなり、閲覧さえもまばらだった頃で、この連載とあとがき連載が終わった直後くらいに知り、一気に読んでしまいました。フォロワーではないので、スキマークを押し過ぎないようにしつつも…
感動してついコメントまで書いてしまいました

太宰治作品は暗いイメージがあって苦手だったので、私にとっては読むのを避けてきた作家でしたが、南ノさんの物語、あとがきを読み、私の中での太
宰治のイメージがガラリと変わりました。
太宰治の作品を別の視点で読んでみようかと初めて思いました。
この太宰治のイメージは、一度目の心中相手の女性の視点から見たもので、この女性の物語こそが『太宰治は、二度死んだ』です。

分量もある重厚な物語ですが、私は、みなさんにお時間をかけてぜひこの作品をじっくり読んで味わって頂きたいと思っています。


『太宰治は、二度死んだ』はこちらからお読みいただけます。



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そして、この物語を楽曲にしませんか、と櫟茉莉花さんからお誘いがありました。茉莉花さんは、私がnoteでアカウントを創って間もなかった頃、「54字の物語」企画をされていた方で、それまで”読み専”だった私に、”楽しく書く”きっかけを下さった方です。それだけではありません。「54字の物語」以外に試行錯誤しながら投稿した記事にも時々コメントを下さり、他のフォロワーさんと共に豊かな交流をして下さる方です。
その交流がご縁で、1年ほど前にikue.mさんの童話『あかり』を基に楽曲制作することになり、私が歌を担当する機会に恵まれました。今回の南ノ三奈乃さんの『太宰治は、二度死んだ』を基に楽曲制作をすることに決まったコラボメンバーは、その楽曲『あかり』企画のコラボメンバーがほぼスライドしております。そして、『海の哭くおと』という楽曲名は、原案小説作者の南ノ三奈乃さんですから、そういう意味でもこの企画が前回の楽曲制作『あかり』と相似形をなす、というのもご理解頂けるのではないでしょうか。

まず、茉莉花さんからはこの楽曲制作の企画とメロディーが送られてきました。今回の楽曲『海の哭くおと』では、楽曲『あかり』の制作上判明した私の声の音域が考慮された調のメロディーであるだけでなく、編曲が凝っていました。よくあるような単純なABA形式(同じフレーズAに対して、盛り上がるフレーズBで構成される曲)ではありません。
アナリーゼ(曲がどのようにできているか考えること)をするとよくわかるのですが、曲そのものが美しいメロディーを持っていながら、曲が進むごとに少しずつ変わっていく物語性があるのです。
歌詩がまだ付いていない状態のメロディーから、譜面に書き起こすアナリーゼをしたり、ドレミで歌うとそれがよくわかりました。

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次に届いたのが、歌詩です。最後の最後に弓場ゆみ(半径100m)さんがほとんど作詩をされたと判明するまで、誰による歌詩なのか私はまったく知りませんでした。ただ、楽曲『あかり』の歌詩とは違い、随分と大胆でありながら、言葉に品格がありました。
そして、私がこの歌詩の威力を知ったのは、前回同様むーむーさんのピアノ伴奏が届き、練習で歌っていた時です。
楽曲の編曲がそもそも複雑なので、全体の曲がわかるように楽譜に書き直したメロディー、歌詩、和音(基礎的な和音。むーむーさんのピアノ伴奏は更にブラッシュアップされた斬新な和音・コード進行からできています。)を見ながら、むーむーさんのピアノ伴奏を流して歌っていると、まるで南ノさんの物語が歌の中で進んでいくような歌詩だと気づいたのです。
例えば、
”まちがえたのは どこかしらね…”
”まちがえたのは いつかしらね…”
と1番、2番の歌詩は似ているようで違っていて、しかも続きは物語のように先に進むのです。
こういう部分が、歌っていて、絶妙な歌詩だと感じました。

弓場ゆみさんのフィクション作品の中では、『エロを小さじ1』『球体の動物園』、最近では『きりのたまご』が私の心に特に印象に残っているのですが、言葉遣いが大胆でありながら、絶妙な引き際があるのです。それは、読者に対して自由に想像して解釈できる余地を残してくれているかのようで、そのバランス感覚が素晴らしいのです。それが歌詩にも活かされているような気がしました。この素晴らしい作詩が弓場ゆみ(半径100m)さんによるものだと知った時、そういう意味でとても納得しました。

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時間をかけてピアノ編曲と演奏を担当して下さったピアノ伴奏のむーむーさんの素晴らしいところは、茉莉花さんの楽曲投稿記事にほとんど書かれています。茉莉花さんと長年コラボレーションでピアノ伴奏を担当されただけあり、メロディーに対する伴奏はぴったりと合っています。
前回の楽曲『あかり』でのピアノ編曲と伴奏にも非常に感動した私ですが、今回は何といっても、同じフレーズ(メロディー)に対して、違う和音・コード進行を使うという編曲・伴奏の妙に痺れました。
私はむーむーさんとはお会いしたことも、言葉を交わしたことも一切ありません。しかし、彼女のピアノの音からは、「ここでこう歌ってね♪」というのが明らかにわかるのです。”音による対話”とでもいうのでしょうか。歌をどのように創り込んでいくのかの過程で、このむーむーさんのピアノ伴奏の音との対話はとても楽しいものでした。
また、コラボレーションメンバーの方々も触れていらっしゃいますが、最後の後奏(コーダ)の伴奏は圧巻です。
rit.(リタルダンド)で曲全体のテンポがゆっくりになり曲が終わっていく過程、最後に曲を閉じる時に響く小さな和音は、まるで洗練されたJAZZの曲の終わり方のようなセンスの良さが光っています。


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最後の仕上げは、動画制作をして下さった茉莉花さんです。
私の録音技術では、できることに限界があったのですが、コーラスアレンジと歌、ピアノ伴奏の音とのバランス調整を(iPhoneのアプリのみで!?)でして下さったのが茉莉花さんです。まるで音響エンジニアです。音楽の専門職をなさっているので、音がきれいに響き合うバランス感覚については、一般人にはないものがあると思います。演奏者の立場では、どうしても演奏に集中しがちでそこまで気が回らないのものなので、楽曲全体の音のバランスを指揮者のように考え調整して下さった茉莉花さんには本当に感謝しております。
また、歌に合うように、動画の中に出てくる写真を探し、歌詩が出るように動画を調整して下さったのも茉莉花さんです。
コラボメンバーの間でやりとりの調整をして下さり、楽曲制作の企画から最後まで、私は本当にお世話になりっぱなしでした。
彼女がいなかったら、こんな素晴らしいコラボレーションは成り立たなかったと思います。

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ここまで長々お読みいただき、ありがとうございました。
時間はかかりましたが、その分メンバーの総力をかけて、楽しく制作できたと思っております。
そんな楽曲を読者のみなさまとも分かち合うことができたら、とても嬉しいです。


『海の哭くおと』


原案:南ノ三奈乃

作詞:弓葉ゆみ
作曲:櫟茉莉花
編曲:むーむー
歌:Ladybug
ピアノ:むーむー
コーラスアレンジ:Ladybug
動画制作:櫟茉莉花

『太宰治は二度死んだ』(南ノ三奈乃著)より

愛好家仲間の合作による拙い楽曲ではありますが、『素材』のつもりはなく、関係者全員の総力を注いだ『作品』です。
無断での複製、転載、転用、改変等の二次利用は、固く禁じさせていただきます。



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