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私の小説を原案として、すごい曲を創ってくださった天才の方々

人生、こんなことがあるんだな……

と、しみじみ思ってしまう出来事がありました。

私は、『太宰治は、二度死んだ』という長篇小説を書いており、noteのマガジンに全文を掲載しております。

太宰治――当時は落ちこぼれ東大生の津島修治――と田辺あつみの心中事件を題材とした作品です。その第一章第1話は、こちら。

当時、田辺あつみは数えで十九歳、満年齢では僅か十七歳

十七歳の少女の視点から、ひとつの物語を綴りました。彼女がどういう経緯で未来の文豪と情死事件を起こすに至ったのか――田辺あつみに関する資料は非常に少なく、その暗い荒野のような空間を、私は自分の想像力で少しずつ、手探りで進むように埋めていきました。

書いている間は、まるであつみと同化したような気分になるほど入り込んでおり、そうした意味で、この作品は私自身、かなり思い入れの強い作品です。そして幸いなことに、note上で(私のようなアマチュアにしては)びっくるするほど多くの方に読んでいただきました。

それだけでも望外のことだったのですが、日頃noteで親しくやりとりさせていただいている櫟茉莉花さんが、なんとこの作品を原案として作曲をすると言ってくださったのです!

正直、夢じゃないかしら、と思いました。

茉莉花さんは多才な方で、重厚な長篇ミステリからエスプリの効いたショートショート、音楽の専門知識やイタリアでのお仕事経験を活かしたエッセイまで幅広く執筆活動を展開されているばかりでなく、作曲もされています。それらの楽曲も、茉莉花さんの小説やエッセイと同様、本当に素晴らしいものなのです。

そんな方が、私の小説からインスピレーションを得て、曲を作ってくださるですって?!

私が自分の頬を思い切りつねりたくなったのも、無理からぬことだと言えるでしょう。(ほっぺがかなり痛かったことを、ここに告白します)

ところが、奇跡はそれだけでは終わりませんでした。

茉莉花さんと親交が深く、また私が心ひそかに令和の向田邦子とお呼びし、敬愛している弓葉ゆみ(半径100m)さんも拙作を読んでくださっていて、作詞を担当するとおっしゃってくれたのです!

な、なんという贅沢さ‼

更に――

茉莉花さんの曲で何度も編曲を手掛けていらっしゃるむーむーさんが、この曲の編曲を引き受けてくださるばかりでなく、更にピアノも弾いてくださるというお話を茉莉花さんから伺うに至っては、感動で胸が熱くなってしまいました。

その上――

noteではショートショートの執筆を中心に活動しておられるLadybugさんが、歌を担当してくださることになったのです。

そして、ついに――

楽曲が、出来上がりました。

初めて茉莉花さんに完成曲を聴かせていただいた時、ありがたすぎて、嬉しすぎて、溢れる気持ちをどう表現していいかわからず、ただおろおろするばかりという、語彙力崩壊、感情洪水の状態に陥ってしまった私……。

なにしろほぼ錯乱状態だったので、よく覚えていないのですが、確か「ありがとうございます」、「嬉しいです」しか言えていなかったような気が……(笑)

と、以上のような経緯がありまして、では皆さま、お待たせしました。その楽曲がこちらです。

ジャジャーン!!


※このすばらしすぎる動画を作ってくださったのも、茉莉花さんです。

す、すごすぎる――


いやいやいや、これもうやばくないですか?!

茉莉花さん、弓葉ゆみさん、むーむーさん、Ladybugさん――皆さん、天才としか言いようがないです。

心が透き通っていくような美しい旋律。原案小説のエッセンスを巧みに散りばめてくださった、胸に染み入る歌詞豊かで且つ繊細な歌唱力。全てを包み込んで更に高く昇華させるような編曲の妙。まるで天から降ってくる、やわらかな光のようなピアノの囁き――

この曲を聴いてくださった方々には、わたしの言葉が1ミリも誇張でないのがわかっていただけると思います。

楽曲のタイトルは、僭越ながらわたしが提案したものを、茉莉花さんがそのままの形で採用してくださいました。

――「海の哭くおと」

既に何度聴いたのか、自分でも数え切れません。

この楽曲に原案者として関わることができて、わたしは心から嬉しく、また誇らしく思っております。

弓葉ゆみさん、むーむーさん、Ladybugさん、そして、やはり何と言っても最大級の感謝を櫟茉莉花さんに――

本当に、本当にありがとうございました!!


※※※※※

昭和五年十一月二十八日夜――

鎌倉市腰越の小動崎の畳岩の上で(いわゆる〝太宰伝説〟とは異なり、二人が海に跳び込んだのでないことは研究によって明らかにされています)、再
び目覚めることのない眠りに就いた、満17歳の少女。

この楽曲を聴く度に、少女が最期に聴いたはずの、岩に打ち寄せる波の音と同じ「おと」が、痛切な哀しさと限りないやさしさをもって、わたしの耳の底に鳴り響くような気がします……。


※Ladybugさんが、この楽曲に関するエッセイをお書きになっています。↓↓

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