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本能が呼んだ仮の名前  中編


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本能が呼んだ仮の名前 前編


改札を出て地上に上がると雨☂️だった。
「え!?」
確かに天気予報では所により一時雨と言ってたが
(一時って今かよ!? 所ってここかよ!?)
そう思ったのは信彦だけでなく、この駅の軒下で雨宿りしてる数百人も全く同じ事を思ったはずだ。
「てっちゃん」
信彦は先日の図書館での出来事を思い出した。
やからに追われた女性を助けた?いや、何とか切り抜けたって表現が相応しいかもしれない。
女性からとっさに
「てっちゃん」
と呼ばれた。
信彦はそれを思い出し、顔に出さず心の中で笑った。

ん?誰かもう一回てっちゃんって呼んだ?
(すいません、僕はてっちゃんじゃないんで)
肩を叩かれ
「てっちゃんですよね?」
僕をそう呼ぶのはあの人しか…ゆっくり振り向くと
「あっ、やっぱりそうだ、てっちゃん”笑」
女性が悪戯っぽい顔で言ったので信彦も負けじと
「あー、みっちゃん!」
お互いに笑う。
「その節はありがとうございました」
「いえ、僕の方こそ貴重な体験が出来ました。」
「同じ駅だったんですね!」
「ですね!でも雨だし、傘ないし」
「私折りたたみ傘だけどあります!もしよろしければ、その…先日の御礼させて下さい」
「御礼だなんてそんなの、いいですから!でもこうやって再会出来たのも何かの縁、軽く一杯🍻行きますか?」
「はい!」
2人は決して大きくもない傘に無理矢理入って、駅前の居酒屋に向かった。
「ちゃんと入らないと濡れますよ、てっちゃん」
「みっちゃんこそ、自分の傘なんだから」
「笑笑」
「そこでいい?」
「はい、何処でも!」

「乾杯!!🍻」
「改めてお詫びします。てっちゃんを巻き込んで本当にごめんなさい」
「いいんですよ!うまく切り抜けたし、こうやって再会できたのも僕は嬉しいです。その後大丈夫でしたか?」
「はい、てっちゃんのおかげで!でもびっくりしたでしょ!?」
「そりゃ最初はちょっとパニクりましたよ!知らない美女が切迫感溢れる表情でこっちに来るんだもん!」
「笑笑」
「素朴な質問、何で僕の所に?」
「私のほうがもっとパニクってたんですよ、理由なんてわかりませんけど、たぶん目が合って本能的にそう思ったんじゃないかな?」
「本能…」
「だってあの状況で頭で冷静になんて考えられません。本能的に図書館に入って、本能的にてっちゃんのところに逃げた」
「本能的ねぇ…」
「じゃ私も素朴な質問!何でみっちゃん?笑」
「ほ、本能的に!」
「違うんじゃない?過去に携わった人でしょ!?元カノとか初恋とか?ねっ!?」
「…初恋のみちるちゃん…」
「やったー!当たった!!」
「じゃあ!じゃ、みっちゃんは何でてっちゃん?」
「私も…初恋じゃないけどすんごく優しかったクラスメート…」
「人間ってああいう時は、そういう名前を言うんだね、本能的に」
「何か面白いね。あっ、そう言えばてっちゃん何か勉強してたでしょ?」
「一応国家試験のね。試験は終わったよ」
「どうだったの?」
「結果はまだ。微妙だな~」
「合格したらお祝いしてあげる!」
「本当に!?ありがとう……でも落ちてるかも……」
「自信持って!万が一ダメだったら、慰めてあげる。よしよしって 笑」
「あー!僕そっちのほうがいいかも!」
「馬鹿な事言わないの 笑笑」
「えー、どっちにしてもまた会ってもらえるんだ。嬉しいけどみっちゃん彼氏とか?」
「いません」
「嘘~!!こんな美人なのにー!?」
「そんな事ないー!笑、てっちゃんこそ!」
「僕こそ、いるわけないでしょ!」

ひょんな事で出会った2人。
この先どうなっていくのでしょうか?
(後編へ続く)

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