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ボブ③ 4/26 献杯に添えられた真心溢れる「キノコ鍋」



亡き両親へ捧げる献杯と、皆で囲む食卓が、孤独だった家を温かな光で満たしていく。


亜夢ちゃん:「ボブさん、出来ました!」
亜夢ちゃんが満面の笑顔で報告すると、ボブは愛おしそうに頷いてから2人でハイタッチ。

ボブ:「おーい! テーブルの真ん中片付けて! 出来たぞー」
一同:「おおー!」
リビングに歓声が上がる。

洋太:「美味そうだなぁ! いい香り。……で、何鍋なんだ?」

ボブ:「よくぞ聞いてくれた。今日はみんな集まってくれて、親父もお袋も凄く喜んでる。だから池堂家から、皆さんに感謝を込めて――“秋の具沢山キノコ鍋”だ!」

一同:「イェー!!」
拍手が湧き起こる中、ボブが重たい鍋をテーブルの中央へと運んだ。

ボブ:「これ、MADE IN 亜夢ちゃんだからな」
一同 : 「亜夢ちゃーん!」

亜夢ちゃん:「やっ! 私はボブさんのレシピ通りにやっただけなんで……」
果音:「亜夢ちゃん、ありがとう! 」

亜夢ちゃんは頬を赤らめ、嬉しそうに手を振る。その「嬉し恥ずかし」な仕草に、ボブはもちろん、その場の全員が心の中で(可愛い……)と呟いた。

総勢11人がテーブルを囲む。亜夢ちゃんはまず二人分を取り皿に盛り付け、出窓に置かれた両親の遺影にお供えした。

亜夢ちゃん:「(小声で)ボブさん、お父さんとお母さんもビールでいいですか?」

ボブ:「あっ、ごめん。そうだったね。ビールで大丈夫だよ、ありがとう」
亜夢ちゃんは丁寧に、遺影の前にもグラスを置いた。

ボブ:「じゃ、いいかな。……今日は両親の為に集まってくれてありがとうございます。親父もお袋も、あんな風に喜んでます。

時間の許す限りくつろいでください。ここで楽しく過ごすのも、一番の供養だと思う。ではグラスを。……献杯」

一同:「献杯」
11個のグラスが、両親の遺影へと向けられた。

エル:「亜夢ちゃん! このキノコ鍋、超美味しい! 出汁が凄く効いてる」
果音:「本当だ、絶品! お店レベルだよ、これ一杯で800円は取れるわね」

ライク:「じゃあ、味噌汁付けて1,000円!」
ボブ:「何でこれにわざわざ味噌汁付けるんだよ! おかしいだろ!(笑)」
一同:「(笑)」

亜夢ちゃんのキノコ鍋を食べてお腹が少し落ち着いたところで、隊長さんが自分の足元から袋を取り出した。

隊長さん:「ボブ君、これ」
ボブ:「何ですか?」
隊長さん:「先日のお礼だよ」

ボブ:「えっ、隊長さんにお礼をされるようなこと……? 逆ですよ! 俺たちの方こそ、お礼しなきゃいけないのに。なぁ、ライク」

ライク:「そうですよ、隊長さん。お二人が神父さんと賛美歌をやってくれたからこそ、あの“号泣結婚式”が成立したんですから」

貴美子:「あら、号泣結婚式……?(笑)」
貴美子さんが興味深そうに目を輝かせると、果音がすかさず身を乗り出した。

果音:「エルの身体を考えて、この家でささやかな結婚式の真似事をしたんです。隊長さんに神父役、奥さんにオルガンの演奏をお願いして……」

貴美子:「まあ、それは素敵なお話しね!」
果音:「その隊長さんの神父役が、ほぼ本物だったんですよ!(笑)」

ボブ:「つまり、そんな感動的な結婚式に一番貢献して頂いた隊長さんが、どうして俺にお礼を?」

隊長さん:「(笑)……皆さん、言い方が正しくありませんでしたね。ボブ君だけじゃなく、皆さんへのお礼です」
隊長さんはそう言うと、袋から薄い箱を取り出した。

お読みいただきありがとうございました。次話はこちら👇

ボブ③ 5/26 レンズが捉えた、奇跡の絆。

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