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絢里シリーズ③-6絢里と恋のボリューム


絢里シリーズ③は全14話ですのでお楽しみに!


【前話はこちら】
#05  美人は1人だけ?!



DVD見ないの?

「私そんなにアピールしてないんだよ」
「急に何だ?何も聞いてないけど」
「笑笑笑」
「飴とかあげてるけどね、それくらいだよ」
「だから誰も聞いてないし、佐々本さん、絢は何を言ってるんですか?」
「たぶんですけど、いいなって思っている人との経緯を話してるんですよ、そうだよね?」
「笑笑、聞きたいの?笑」
「うん!聞きたい!」
「仕方ないなー、笑笑」
「自分から話を振っといて…あつかましいにもほどがある!」

絢里は伸彦の言葉などまるで聞かず
「取引先っていうか、出入りの業者っていうか、週に何度か来る人でね」
「うん」
伸彦はそこでDVDのボリューム📢を少し上げた。(うるさい、俺は聞きたくない)
佐々本さんがそれをチラッと見て、また絢里と向き合う。

「その人は普通に挨拶するんだけど、私にだけ名前呼んでくれるの」
「へー!」
伸彦がまたボリュームを少し上げる。(絢はボーッとしてるから名前呼ばないとわからないと思ってんだろ)
絢里も少し声を大きくして言う。
「他の人にはちょっと省略した言い方、わかる?『ざまーす』とか『おつかいーす』とか(笑)。でも私には『栗部さんおはようございます』とか、『栗部さんお疲れ様です』って!」
「何かいい感じじゃない?」
伸彦がまたボリュームを上げた。(そんなことで舞い上がんな)
絢里も更に声を大きく。
「で、今度食事🍝行きませんかって誘われた!」
「凄いじゃん!」
伸彦がまたボリュームを上げる。
絢里も一番大きな声で叫ぶように言った。
「明日行くのー!」
「良かったね!」
「うん!ってのぶ💢」
「笑笑笑笑笑!」
伸彦が爆笑しながらボリュームを元に戻す。

「何でそんないたずらするの!?」
「俺は聞きたくないって言ったじゃん」
「だからって……喉潰れるわ」
「笑笑笑!」

「じゃ明日絢里はデートなんだぁ💓いいなあ」
「デ、デートとか そんなんじゃなくて食事食事食事食事食事食事食事!」
「何回食事するんだ?」
「笑笑笑笑笑!」

「お前、佐々本さんとしばらくはシングル同士で楽しもうって言ってたのに、あっさり裏切るんだな」
「大牟田さん!私そんなふうには思ってませんから!」
則子が少し声を荒げる。
「ごめんね則子」
「言い方!」
「何もアクション起こしてないんだけどね、笑笑」
「しっかりと飴🍬あげてるだろ」
興味ないと言ってるが、伸彦も話をしっかりと聞いてる。

「でもほら則子は、この中でただ1人の美人さんだから!」
「その話蒸し返すな!」
「笑笑笑」
「則子ならいっぱいいるでしょ?食事とかデートに誘ってくる男性いるでしょ?」
「んー、いないこともないけど……いいなって思う人じゃないんだよね」
「いいなって思う人はいるの?」
「ん?ん……」
則子の微妙な態度に、親友の絢里はすぐ気づく。
「あっ、いるんだー(笑)」
「いや!でもその人には大切な人がいるみたいで」
「えっ!既婚者? やめなよ則子!」
「(笑)違う!ちゃんと独身の人。でも私の入る隙はないよ」
「その人は誰かとお付き合いしてるの?」
「いや、誰ともお付き合いはしてないみたいだけど」
「じゃあ!」
伸彦の鼻が2割膨らんだ。
絢里がバックミラー越しに伸彦を見る。

(のぶあんたまさか、則子の彼氏候補にエントリーする気?無謀者!)
(俺は別に)

こんな会話がなされたかは定かではないが、車内は微妙な空気が充満した。

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