雪
先日、雪を見た。
最初は雨混じりの雪が小さな粒となってパラパラと降っていたが、少し経つと大粒の雪となって埃のように空から降り注いでいた。
吐く息が白い。何となく氷の匂いがする。
枯れた紫陽花の枝に雪が少しずつ積もっていく。
人間の耳では判別できない、世界のいろいろな音を、雪が閉じ込めているようだった。
「寒いから早く入りな」
後ろから声がする。
それでもわたしは、目の前に散らばる雪をじっと眺めていた。
それは、世界が春に向かう前に思い切り吐き出した、冬の残りのようだった。
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