うどが苦手な私が沢山のうど料理を作った話【調理の記録】記憶に紐づけられた香りから呼び起こされるプルースト効果について
うどが苦手だ
子供の頃、今くらいの時期になると私の家には大量の『うど』がやってくる。
私の家族は、私と小鳥の餌ほどの食事しかしない酒飲みの父との二人きり。
大量の食品をさばききれる訳のない人員しかいない我が家に、毎年毎年大量の『うど』がやってくる。
父がうどを好んで食べたかどうかは覚えてないが、
毎日食卓に大量のうどが並ぶのは仕方のないことである。
口に広がる爽やかな香りとシャキシャキの食感。
まだ子供であった私は香りが強い食材が大の苦手だったが、うどは苦手中の大苦手。
食べたくないけど、毎年毎年食卓に並ぶ大量の『うど』。
食べたくないと懇願しても、決して許されず泣きながら食べた『うど』。
けんちん汁にも入ってた『うど』。
毎年毎年、うど祭りが開催されていた。
大人になっても父と一緒に暮らしていた期間は不本意ながらかなり長かったので、毎年のうど祭りは大人になっても開催されていたし、自分で調理もしていた。
(ただこの頃にうどを調理する際、私も父もアク抜きをしていたかどうかは怪しいし、アク抜きしなかった気もする。)
大人になった私は嫌々ながらも文句言いながらも、うどを食べれるようにはなっていた。
しかし、決して好きではない。
出来るならばなるべく食べたくない。
数年前に父が亡くなったので、うどをもらうツテが無くなった。
久しくご無沙汰していた『うど』。
父が亡くなった後くらいに一回、うどを克服しようとして食べやすいレシピを探して食べた覚えもあるが、克服することが出来なかった。
この時は水に長時間さらしてサラダにした覚えがある。
今思えば、香りが苦手な食材を生で食べようとしたのが間違いであった。
その後、うどを積極的に購入することはなかった。
そして先月。
夫がウキウキしながら仕事から帰宅すると大きい新聞紙の包みを持っていた。
(ウキウキの理由は謎。)
ご実家でネギでも貰ったのかなと呑気に考えていたが、新聞紙の包みから出てきたのは、大量の、『うど』。
台所に響き渡る私の悲鳴。
夫のご実家で大量に『うど』をもらったらしく、そのお裾分けらしい。
そういえば姑さんも私と同じでうどが苦手なお人である。
姑さんはどうやって食べるって言ってたか聞いてないかと夫に尋ねると、トマト缶と合わせてどうこう言ってたと教えてもらった。
なるほど。
香りが強い食材とトマト缶。
スパイスやハーブなどをガッツリ入れればうどの香りをごまかせるのかもしれない。
まずは、最近の私ブーム『薬膳』で、うどがどのような効能があるのかを調べてみた。
うど
五味…辛・苦
五性…温
帰経…腎・肝・膀胱
五味は味の区分
五性は体を温める食材なのか、冷やす食材なのかの区分
帰経は五味と臓腑の関係や季節にも関係する(肝・心・脾・肺・腎)
うどには『体を温め、血の巡りを良くする作用がある。足腰の冷えにもおすすめ』とのこと。
うどには素晴らしい効能があることが判明した。
苦手な食材だが冷え性の私には良いのかもしれない。
うちの敷居を跨いだからには、この『うど』たちをなんとか美味しく調理しようとこの時、心に誓う。
※ちなみに、うどの調理前の写真がないのは、記事にするつもりがサラサラなかったから…。
あと最近知ったのだが『うど』は高級食材らしい。
ならばなるべく捨てるところが出ないように大事に食べなければ。
本当にうどは苦手だけど…ね…。
もらった当日は二品のうど料理を作る
この日はうどの皮を剥いて千切りにしたものを念入りに水にさらしてから、茹でてマヨサラダにして 、剥いた皮は千切りにしてきんぴらにした。
うどと人参の梅マヨサラダ
皮を剥いてあく抜きしたうどを千切りにして人参と一緒に軽く茹で、調味料と混ぜる。
【材料】
・うど
・人参
・マヨネーズ
・はちみつ梅干し
・白ごま
うどの何が苦手って、独特の香り。
これを誤魔化すために、はちみつ梅干しを入れてみる。
この作戦がうまくいったようでかなり食べやすいうどのサラダになっていた。
よしよし。
うどのきんぴら
ウドの皮を千切りにしてあく抜きして炒める。
めんどくさいので味付けはめんつゆ一択。
【材料】
・アク抜きして千切りにしたうどの皮
・サラダ油
・麺つゆ
きんぴらの方は安心安定の『The UDO』感が満載のきんぴら。
ウドの皮はかなり筋っぽいので、繊維の方向に切るのではなくて繊維を断ち切る方向に切ったほうが良かったなと後悔。
歯に挟まるやつ。
そもそも、うどのことを記事にするつもりがなかったので、ビジュアル的に地味に仕上がった『うど』のみのきんぴらの写真なんか撮ってません。
2日後、6品のうど料理を作る
翌々日、冷蔵庫の野菜室を開けると、大量のうどが視界に入る。
大量のうどが冷蔵庫に入っていたのをすっかり忘れていた。
まだまだ『うど』が残っている。
うどは高級食材と聞いたので次に調理する時に使おうと思って一昨日調理した『うど』の芽の部分も取っておいたのだが、葉の部分がほんのり黒ずんでいる。
もしかすると『うど』は傷みやすい食材なのかもしれない。
ならば早急に残りの『うど』も調理してしまおう。
冷蔵庫の中身との兼ね合いも考え、6品のうど料理を作ることにした。
芽の部分を切り落とす。
細い茎を適当な大きさに切る。
皮を剥いて、千切りにする。
皮を剥いた物を短冊切りにする。
皮を剥かないで斜めに切る。
今回も、うどを念入りにアク抜きする。

切り方が違ってても同じボウルに入れちゃう。
うどの辛子酢味噌あえ
【材料】
・皮を剥いて短冊切りにしたうど
・田舎味噌
・穀物酢
・三温糖
・からし
辛子酢味噌あえは辛子を入れすぎたようで、食べる時に辛子の香りが鼻にツンとくるが、私には心地いい辛さだ。

味噌と混ぜるときに目に沁みまくり。
クミンとフェンネル香る、うどと人参のバルサミコマヨサラダ
マヨサラダには、うどの中心部を千切りにしたものを使う。
あく抜きした後、人参と一緒に軽く茹でる。
【材料】
・皮を剥いてアク抜き後千切りしたうど
・人参(多め)
・クミン
・フェンネル
・乾燥パセリ
・マヨピュアセレクト
・ピンク岩塩
・バルサミコ酢
クミンとフェンネルの香りでうどの香りが主張が弱くなってる気がするが、しばらく噛んでいると遠くの方からうどが手を振っている。
「おーい!ここだよ!うどはココにいるよー!」

バジル炒め
皮を剥いて千切りにしたうどは炒めてから半量を他の料理に使うために分けた後に、バジルソースを絡める。
【材料】
・うどの皮の千切り
・オリーブオイル
・何かのピザについてたバジルソース(未開封品)
ウドの皮を千切りにして炒めたバジル炒めと梅おかか和えは、うどの繊維感がすごいので、年をとったら食べられなくなりそうだ。
しかし沢山の繊維が取れるので、お通じがよくなりそうな予感がする。
うどとバジルの組み合わせは案外良い。

梅おかか和え
千切りにして炒めたうどの皮の半量にはちみつと鰹節を混ぜる。
【材料】
・うどの皮の千切り
・はちみつ梅干し
・鰹節
・塩
・オリーブオイル
やはりうどの皮は固いが、梅おかか和えは私の好物なので、これもまた良い。

今回たまたま買ってあった。
ブラボー!
うどと豚肉の炒め物
芽の部分と細い茎との半量と、皮を剥かないで斜め切ったもの全部は、豚肉と一緒にごま油で炒めて味付けをする。
亡き父が作れてくれた私の苦手だったうどの料理だ。
今でも苦手な味なのかを再確認するために作った。
【材料】
・皮を剥かないで斜めに切ったうどと茎の部分と芽の部分
・豚こま肉
・醤油
・ごま油
・みりん
・日本酒
・顆粒だし

もっとうどが大きく切ってあった覚えがある。
切り方が小さいからか、あく抜きがうまくいったのか、私の舌が老いたのか、昔食べたものよりもうどのパンチが弱かった。
うどと温燻サーモンと新玉ねぎのトマトパスタ
思い切って、冷凍しておいたとっておきの温燻サーモンを贅沢に使ってトマトパスタも作ってみる。
苦手食材と、とっておきの美味しい食材のコラボ。
さて、どう出るか。
うどの新芽と細い茎を使用。
細い茎は皮を剥かないで使う。
【材料】
・うどの新芽と細い茎
・乾燥パスタ
・新玉ねぎ
・温燻サーモンフレーク(佐藤水産)
・にんにく
・トマト缶
・水
・コンソメ顆粒
温燻サーモンフレークの香りとトマトソースがうまくうどを包み込んでくれていて、うどが入っていても全く気にならない程度の香りになっていた。
むしろ結構おいしかったような気がする。


合計8種類のうど料理を作った
こうして6種類のうど料理が完成した。
前々日に作ったものも入れると8品。
まあまあ食べやすく調理できたんじゃないかと思うが、うどはうどだな…などと思いながらパスタを食べていたら、夫が一言「俺は結構、うど平気かも」と言った。
山菜や香り物の類を苦手とする夫が「結構平気」と言ったのが私の中でかなり意外な展開だった。
そして私もまじまじと、うどを一口かじって咀嚼する。
飲み込む。
うどの香りが口の中に広がる。
う〜ん…??
そんなに嫌な香りじゃないかも?
ここ数年でパクチーや身欠きにしんを克服してきた私。
もしかすると『うど』も克服する日が近づいてきているのではないだろうか。
そもそも今の私は香りが強い食べ物は好きな食べ物が多いのに、何故うどばかりを毛嫌いするのか。
記憶に紐づけられた香りから呼び起こされるプルースト効果について
そういえば記憶と香りは密接な関係にあるらしく、香りで記憶がフラッシュバックする事は多々あるらしい。
これは『プルースト効果』と呼ばれる。
香水の香りやシャンプーの香りで特定の人を思い出すこともよくあること。
私は幼い頃から自分の血縁の家族との関係が悪く、彼らは私から見ると毒親と呼ばれる部類の人間だったと思う。
父と一緒に住んでいたころの自分は泣いて怒ってばかりいた。
大人になっても毎日そんな生活だった。
人生に絶望していた。
うどの香りはそんな辛い過去を思い出させるのかもしれない。
不思議なことに夫が「俺は結構、うど平気かも」と言ったことにより、私の『うど』に対する苦手意識が少し和らいだようで、この日作ったうど料理の数々は、特に苦痛に感じることもなく数日かけて私と夫の胃袋に収まっていた。
(息子は香りが強い野菜が嫌いなので、あまり食べなかった。少しは食べた。えらい。)
これは『大好きな夫と息子と一緒に、うどを楽しく美味しく食べた』という新しい記憶だ。
プルースト効果が上書きされるものなのかどうかは私にはわかないけど、きっと次に『うど』を食べるときは今回のように楽しく美味しく食べられるんじゃないかなと漠然と感じた。
以上、
うどが苦手な私が沢山のうど料理を作った話【調理の記録】記憶に紐づけられた香りから呼び起こされるプルースト効果について
でした。

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