Photo by
komatam52nz
#36 小さな反撃
月曜日の朝は、重さと光が同居していた
そもそもは、
早起きしてカフェに行くつもりだった。
頭の中で、何度もシミュレーションした。
お気に入りの席、
温かいカップ、
静かな音楽。
順番はぐちゃぐちゃになったけれど、
その目標は——
曲がりなりにも叶うのでは、と思った。
むしろ、
もっといい形で。
奮発して、ホテルの朝食に行くことにした
どうせなら、
少し贅沢をしてもいい。
以前、女子会プランで泊まったことのあるホテル。
オフィス街の真ん中にあって、
ビジネス目的の外国人が多く行き交う場所。
決してお安くはないけれど、
スタイリッシュで、
居心地のいいレストランがある。
白いクロス、
静かなカトラリーの音、
コーヒーの香り。
あの空間なら、
今日の私を
少しだけ救ってくれる気がした。
ヨガウエアを丸めて、洗濯籠に放り込む
自室のベッドの上には、
昨日のままのヨガウエアが置きっぱなしだった。
見た瞬間、
胸の奥が少しざわついたけれど、
その感情には触れないようにした。
ウエアを丸めて、
洗濯籠にぽんと投げ込む。
その音が、
小さな区切りのように響いた。
昨日の続きではなく、
今日を始めるための音。
シャワーをひねると、
湯気がゆっくりと世界を塗り替えていく
バスルームの蛇口をひねると、
白い湯気がふわりと立ちのぼった。
その湯気が、
昨日の重さを
少しずつ溶かしていくようだった。
肩に落ちる水の音が、
心の奥のざわつきを
静かに撫でていく。
今日の私は、
まだ完全には立ち直っていない。
でも、
それでもいい。
ホテルの朝食に向かうために、
湯気の中で
ゆっくりと呼吸を整えた。
