〔講義005〕『ミシャスタイル⑤ 3-4-2-1 vs 4-3-3』[シェッツェン大学|蹴球学部|分析学科]
◉ レッズ攻撃時
1トップ・2シャドーの3人を相手2CBとアンカーの3人で対応するため、
中央エリアでは数的同数となる。
WBの宇賀神・平川を相手SBが、
DFの槙野・森脇を相手WGがマーク。
サイドでも数的同数は保たれる。
相手チームは守備時に4-1-4-1になるが後ろが重たくなりすぎず、
カウンターのチャンスを虎視眈々と狙える状況にある。
さらに、インサイドハーフ2人のうち1人は「トップ下」然として振る舞い、
柏木へプレッシャーをかける。→相手は「中盤の空洞化」を防げる。
◉ レッズ守備時
レッズの守備時には、
リベロの遠藤とボランチの阿部が相手CFをマーク。
相手WGがサイドに張ったらWBの宇賀神・平川がマークし、
カットインしたら槙野・森脇がマークする。
しかし、このときのマークの受け渡しがスムーズにいかないと、
相手WGがフリーになり相手の3トップに対し5バックで対応することに。
結果として、レッズは押し込まれる展開が続き、
なおかつカウンターも狙えない。
◉ レッズ攻撃時の中央での攻防
柏木→興梠のホットラインが相手のアンカーにパスコースを消された場合、
柏木・阿部のダブボラ対相手インサイドハーフ2枚+アンカーの3人という図式になってしまう。
サイドの幅をとるのはWBの仕事で、
相手DFラインはスライドで対応する。
そこで、興梠・武藤・李の3人はあえて中央から動かないことでパスコースを作り出し、
柏木からスイッチを入れるクサビのパスが出ると連動して動き出す。
しかし、元々運動量で勝負するタイプではない柏木と阿部にとっては、
数的不利+前線へのパスコースを切られた状況でできることは限られる。
後方で焦れずに繋いでも、横パス・バックパスが続き、攻撃のスイッチが入れられないのだ。
◉ まとめ
相手が3-4-2-1や4-4-2よりも、
4-3-3の方がいたる局面でミスマッチが起こりやすいといえる。
ミシャ政権の終焉とJリーグに4-3-3が流行った理由はリンクしている。
◉ 戦術史の変遷
前回も述べたが、4-4-2対策として完成したミシャの3-4-2-1も、
完璧な戦術・システムとはいえず。
ミシャの3-4-2-1対策として浮上した4-3-3だが、
この4-3-3対策として、いま世界のトレンドになっているのが、4-2-3-1である。
その時々の流行りのシステムをこうして変遷として並べると、
このコラムは戦術史とも捉えることができる。
なおかつ、サッカーは相手があってのスポーツである以上、
自チームの都合だけで物事を考えるのはナンセンス。
相手チームの戦力・システム・戦術を総合的に分析してこそ本当の対策。
対策される側の苦労は、世界共通である。
結局、ベスト16で敗退した日本代表にしても、
同じことがいえる。
ドイツ・スペインに勝てたからといって、
まだどこと当たるかわからない状況でも、
ただ「ポゼッションしたい」と発言する日本代表監督。
日本代表選手の個々のスペックは非常に高く、期待したいところではある。
しかし、次回のW杯で期待のしすぎは禁物だろう。
話が逸れに逸れてしまった。
偽SB・偽9番・偽CB…いろんな偽ものが誕生している昨今、
4-2-3-1を打破するシステム・戦術を編み出せれば、その人物は本物といえる。
このミシャスタイル考察を通して、
相手チームとの噛み合わせで自チームのシステム・戦術を考える方が増えてくれれば、
これほど嬉しいことはありません。
【了】
◉ 前回講義
◉ 次回講義
◉ ガイダンス
◉ オリエンテーション
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