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行政書士って、何ができるの?

はじめに

前の記事(行政書士渥美洋行政策法務研究所、はじめます)では、僕が何者で、なぜこの仕事を選んだのかを書きました。

ただ、行政書士は何ができるのか、何が依頼できるのかわかりにくかったと思います。

「1万種類の書類が作れます」――これは本当のことなのですが、言われた側はたいてい困った顔をします。1万種類のメニューを渡されて、さあどうぞ、と言われても、何ができるのかわからなければ、依頼のしようがありません。

なのでまずは、行政書士という資格が社会のどこに関わるのかを説明します。そのうえで、僕が得意とする領域について触れていきます。

行政書士は、社会のどこに関わるのか

相談する側の場面で並べてみます。日本行政書士会連合会は、暮らしとビジネスの相談先として、業務を次の10の場面に整理しています(日本行政書士会連合会「行政書士の業務」 https://www.gyosei.or.jp/service )。

1 建設業・宅地建物取引業。建設業の許可、宅建業の免許。事業に「許可がないと始められない」典型です。

2 農地・土地。農地を宅地に変えたい(農地転用)、農地を借りて農業に新規参入したい、土地を開発したい。

3 運送業・自動車。運送業の許可、自動車の登録。電子申請(OSS)の世界でもあります。

4 飲食・風俗営業。飲食店の営業許可、スナックなどの開業に必要な許可。

5 遺言・相続。遺言書の作成支援、遺産分割協議書の作成、相続財産の調査。

6 契約書。売買、賃貸借、金銭の貸し借り、交通事故の示談。人と人との約束ごとを、後で争いにならない形で残します。

7 法人・企業支援。株式会社、合同会社、NPO法人、公益財団法人、公益社団法人、一般社団法人、一般財団法人、医療法人、組合などの設立と、設立後の運営支援。

8 国際業務。帰化申請、外国人の雇用、在留資格(VISA)。

9 知的資産・知的財産。著作権の文化庁への登録申請は、実は行政書士の専管業務です。

10 その他。産業廃棄物処理業、障害福祉サービス事業、そして補助金・助成金の申請など。「その他」と書いてありますが、ここに大事な仕事がたくさん詰まっています。

事業の立ち上げ、人の動き、土地の利用、お金の流れ、暮らしの節目。行政書士は、社会のかなり広い範囲に関わっています。そして10区分はすべて、行政書士法が定める三つの業務――官公署に出す書類、権利義務に関する書類、事実証明に関する書類――のどれかに収まっています。
(日本行政書士会連合会 https://www.gyosei.or.jp/info/service )。

そのうえで、僕が得意とする領域

「全部できます」は、誰の役にも立てないので、元・国家公務員として自分が何をやる行政書士なのかを示します。

一 公益法人

公益認定等委員会事務局で、審査監督調査官として認定と監督の現場にいたので、その経験を、まるごと注ぎ込める領域です。

公益認定に関わる有識者からも「行政書士として公益認定の申請代理人も是非検討ください。制度がいろいろ変わる中、渥美さんのようなしっかりとした代理人が必要です」とのコメントをいただきました。

扱うのは、新規の認定申請から、認定後に発生する一連の手続きまで通しで。認定申請、変更認定、変更届、毎年の事業計画・事業報告の提出、行政庁からの報告徴収や検査への対応。入口だけの代理人ではなく、認定後の運営の局面に立てる代理人になりたいと思っています。

公益法人制度は、いま大きな転換点にあります。新制度(2025年4月施行)で、収支相償が中期での均衡に柔軟化され、公益充実資金という考え方が入り、外部監事のあり方も見直されました(AA WAVE合同会社「公益法人ガバナンス支援」 http://www.aawave.co.jp/governance/ )。

なお、外部監事については、行政書士としてではなく、一個人として――公益認定等委員会事務局の元審査監督調査官という立場から――お引き受けすることもできます。行政の運用実態を内側から知る目で、外部監査の役割を担いたいという法人の方は、お声がけください(ご相談は AA WAVE合同会社の窓口へ。なお利益相反を避けるため、同一法人で顧問業務と外部監事の兼任はお受けできません)。

制度が動くときほど、運営に伴走できる代理人が要ります。公益法人を立ち上げたい人、すでに認定を受けて運営に悩んでいる人、改正に追いつけずに困っている事務局の人。そのどれであっても、現場を知る人間として力になれると思っています。公益法人の申請代理をする行政書士の方はたくさんいますが、文章が書けても数字が読める方は少ないと感じています。

僕は会社も経営していますし、数字にも強い。中小企業診断士の方からも、極めて珍しいタイプの行政書士になれますと力強いコメントをいただきました。

→ 公益法人については、新制度のポイントとあわせて別記事で詳しく書きます(近日公開)。

二 補助金 ― 「書いて終わり」にしない

補助金で本当にマズいのは、採択されたあとに「事業計画書に何を書いたか、自分で説明できない」という状態です。実績報告で数字が合わない。検査で根拠を聞かれて答えられない。最悪の場合、交付決定の取消しと返還命令、加算金。事業計画書を他人事の作文にしてしまった瞬間に、補助金は地雷になります。

だから僕は、事業者が自分の言葉で計画を語れるようになるところまで一緒に作ります。書くのは代理人ですが、語るのは事業者です。

なお2026年1月施行の改正行政書士法で、無資格者による書類作成代行が「いかなる名目でも」禁じられ、両罰規定も整備されました(日本行政書士会連合会「会長談話」 https://www.gyosei.or.jp/news/20250606 )。誰に頼めば安全か、という意味でも、潮目が変わりました。

三 外国人ビザ・国際業務 ― 中華圏

在留資格認定証明書の交付申請、ビザ変更、永住許可、帰化準備。日本で働きたい人、家族を呼びたい人、日本で事業を始めたい人。入口の手続きは、行政書士の出番です。

僕は中国語を学んできてHSK5級も取りました。台湾はほぼ全土を回ったこともあり、台湾に縁のある仕事を続けていきたいと思っています。日本側の制度と、中華圏の事業者・家族のあいだに立って、書類だけでなく言葉のところから一緒に整えます。中華圏の文化を理解している行政書士は、東京にもまだそう多くありません。ここは自分の強みとして看板に掲げておきたいと思っています。

四 法人の立ち上げと運営 ― 一歩手前から考える

会社設立、一般社団・財団の設立、NPO法人の設立。設立して終わりではなく、定款変更、役員変更、機関設計の見直しまで、法人の節目に出てくる書類を継続して扱います。

ただ、世間は起業ブームです。「合同会社なら数万円でできる」「法人にすれば節税になる」――そういう話があふれています。僕自身、2026年4月に合同会社をつくってわかりました。法人を持つことと、法人を経営することは、ぜんぜん別のことです。毎月の社会保険料、決算と申告、赤字でも発生する均等割。そして法人になった瞬間、自分が自分ではなくなります。社員総会、業務執行社員の決定、議事録。機関を通さなければ、契約も報酬も定款変更も、対外的に成立しません。一人法人であっても、です。

だから「会社をつくりたい」と言われたら、まずその一歩手前から一緒に考えます。本当に法人格が要る事業なのか。要るとして、株式会社か合同会社か、一般社団かNPOか。設立して三年後、五年後、自分の手で回せる仕組みになっているか。設立の書類を整えるのは僕の仕事ですが、整える前に、考えるべきことを一緒に考えます。

→ 法人設立の話は、僕自身がつくってみた実感とあわせて別記事で書きます

おわりに

会社を立ち上げるとき。許可を取りたいとき。補助金を取りに行くとき。公益認定を受けたいとき、運営に行き詰まったとき。海を越えて人を呼ぶとき。次の世代に何かを渡すとき。

どの場面にも、役所に出す書類がついて回ります。その書類を、文章と数字の両方で、あなたが次の一歩を踏み出せる形に整える。それが僕の仕事です。

「1万種類できます」は、相変わらず誰の役にも立ちません。でも、「あなたが今いる場所なら、ここから始めましょう」なら、役に立ちます。

お困りごとがあったらぜひ僕にお声掛けください。

行政書士渥美洋行政策法務研究所
公式サイト:https://www.atsumi-hiroyuki.jp

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