「脱落する人ってどんな人?」と子どもに聞かれて立ち止まった話
「脱落する人って、どんな人?」
夕方、長女にそう聞かれて、私は一瞬、返す言葉に詰まった。
今日は在宅勤務。
夕方には子どもたちの習い事があるから、会議はノートPCを持って車の中で参加した。
画面はオフ、音声だけ。
なんとか間に合わせた「いつものやりくり」だったけれど、
そのひと言に、心がグラッとした。
********
ミーティングが終わった直後、会社のメールに目をやると、
育休から復帰したばかりの女性管理職から、
営業担当宛てのメールが届いていた。
彼女は今、15時退勤の時短勤務。
それでも、スマホからかな? 少し大きめの文字で丁寧に返信をくれていた。
昨日は出社予定だったけど、生後半年の下の子が発熱して、急遽在宅に切り替えたと聞いた。
しかも旦那さんは同じ会社に勤めているのに、
今は大阪勤務中。
一人で2人育児をしながら仕事をしているなんて、本当にすごいと思う。
同じ部署の後輩から聞いた話では、
彼女は「マーケティング部から異動したくないから、早めに復帰した」らしい。
本人から聞いたわけじゃないけど、私も似たような気持ちで育休を切り上げたことがある。
だからこそ、すごくわかる気がした。
▼復帰を急ぐしか選択肢がなかった話はこちら。
家に帰って、長女の宿題を見ていたときのこと。
「なんでこんなに勉強しなきゃいけないの?
そんなに難しいこと、意味あるの?」と言われた。
私は、
「たぶん、大人になったときに、“ずっと頑張ってきた頭のいい人たち”が作った問題とか、仕組みに慣れておかないといけないから…とか?」
そんな、答えになっていない返事をしてしまった。

すると、長女はこう聞いてきた。
「このまま頑張れない人はどうなるの?」
私は少し考えてから、こんなふうに答えた。
「うーん……頑張れない人は、その先がちょっとずつ狭くなっていくのかもしれない」
そして、鬱病で辞めていった同期や先輩を思いながら、ぽろっと言ってしまった。
「走り続けられなかった人は……脱落、ってことなのかな」
そのときだった。
娘がまっすぐに聞いてきた。
「脱落って、なに? どういう人が脱落なの?」
はっとした。
その言葉を一番重く抱えていたのは、きっと私だったのだと思った。
私は慌てて言い直した。
「うーん、脱落っていうか、そう思う人もいれば、思わない人もいて……。価値観は人それぞれなんだよ」
そう言いながら、またあの女性管理職の顔が浮かんだ。
子どもの発熱、単身赴任の夫、フル回転で働く彼女の姿。
彼女は“脱落”なんて言葉からずっと遠くにいるように見えて、
実は、誰よりもそれを恐れていたのかもしれない。
──もちろん、それは私の勝手な思い込みかもしれないけれど。
でも、私自身はどうだろう。
“脱落しないように”
“もう戻れないから”
“今やめたらすべてが終わる気がする”
そんな思いで、ずっと会社にしがみついてきた。
子どもの頃はお金もなかった。
やっとの思いで入った会社。
安定だけが希望だった。
でも、その“安定”の中で、
何度も壊れそうになったことを、自分が一番知っている。
脱落って誰が決めるんだろう。
誰かがつくったルール?
ずっと昔の成功モデル?
それとも、自分の中にある「こうあるべき」の正体?
私は、いまも走り続けている。
だけど、それが正解だなんて、
娘には絶対に伝えたくないと思った。
「脱落する人ってどんな人?」
その問いに、
私もまだ、ちゃんと答えを出せていない。
#子育てエッセイ
#働く母
#キャリアと育児
#脱落ってなに
#親としての気づき
#自分を見つめる時間
#note書きました

たべっ子どうぶつの本が欲しいというので
買ってみました。

娘は静かに読んでいました📖
値段もお手頃でした🦁
※Amazonアソシエイト参加中です🐘🦣
いいなと思ったら応援しよう!
※いただいたチップはすべて、困っている子どもたちへの支援に寄付させていただきます。寄付先は月ごとに変えており、詳細はこの記事またはプロフィールでお知らせします。