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職人のいないSDGs

SDGs(持続可能な開発目標)の理念に基づき、家具の修理・リペアを始めました。


そんなお知らせが、いつも利用している家具屋から届いた。

「愛着のある家具を修理し、長く使うことでゴミを減らす」

その言葉に背中を押され、長年使っている革のソファーの張り替えをお願いしようと思った。




我が家のソファーは、3人掛けの手動リクライニングと、1人用が2つ。

特に3人掛けの革の劣化が目立ってきていた。



電話で相談し、写真を送ると返ってきたのは、
「直せなくはないのですが、買い替えた方が安いと思います」
という、少し拍子抜けする言葉だった。



それでもと思い見積もりを依頼した。

提示された金額を見て、思わず固まる。

新品で同じ型のソファーの、約3倍。

さすがに考えてしまう。


ではせめて座面のクッション部分だけでも、と食い下がったが、
値段はわずかに下がる程度で、大きくは変わらない。


理由は、型紙を一から取り、革の張り合わせなどの加工をしなくてはならない。すべて手作業になること。

そして、対応できる職人が少なく、時間もかかること。


結果として、やはり「新品購入をおすすめします」とのことだった。



……最初のお知らせは、何だったのだろう。
相談の時点で、すでに現実的ではない。
そんな印象だけが残った。
 

結局、保留のままになっている。


同じようなソファーを買えば、また同じように劣化する。
その繰り返しなのだろうか。


何より、こんな大きなソファーをゴミとして出すのもかなり気が引ける。




そういえば、バッグでも似たようなことがあった。

中級ブランドの革バッグを修理に出そうとしたとき、
「リペアは行っていません」ときっぱりと断られた。



一方で、高級ブランドのバッグは違った。

修理代は高かったが、驚くほどきれいに修復されて戻ってきた。

まるで新品のように。

そこには、お抱えの職人がいるのだろう。

長く使い続けられるものとは、
結局そういう体制に支えられているのだと思う。


SDGsと言うのは簡単だ。


けれど、それを現実にするには、技術を持つ人が必要だ。



その職人が減り続けている今、
本当に目を向けるべきなのは、そこなのではないか。
理想を語ったところで解決方法は「買い換え一択」なんて……


そんなことを考えていると、自分でどうにかできないものだろうかと考え始める。
ただ、思ったよりも構造が複雑だった。
 


へたったソファーに身を預けたまま、
まだまだ答えは出ていない。



私が職人になるべきか?





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