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* 「汚いサッカー」と呼ばれたアルゼンチンを、僕は否定できなかった。

ワールドカップ決勝が終わりました。

今大会を通して素晴らしいパフォーマンスを見せた素晴らしいチーム同士のカードだった。

しかし歓喜の声がある一方で、SNSを開けばアルゼンチンに対する批判も目立つ。

「なんて危険なプレーだ」
「彼らはフットボールをしていない」
 
その中心にある言葉が、“マリーシア”だ。

スペイン語で「狡猾さ」や「ずる賢さ」を意味するこの言葉は、日本ではどちらかというとネガティブな意味で語られることが多い。

だからこそ今回の決勝でも、「あんなのはサッカーではない」という声が数多く上がった。

でも、自分的には少し違かった。

はっきり言うと僕はアルゼンチンのスタイルは好きです。
なんなら魅了されてすらいるかもしれません。

そう思う理由が僕にはありました。


アルゼンチンフットボールとの出会い

学生時代、僕はアルゼンチン人のチームと対戦したことがありました。

試合前、「ある程度汚いこともしてくるだろう」という程度のことしか思っていなかった。

ところが、キックオフから数分でその認識は覆されました。

それはまさに皆さんがW杯で目にしたもの。

こちらの足を折るくらいのつもりで飛び込んでくる球際。
こいつらは頭がおかしいのかと笑えるくらい。

体の強さ。
シンプルに体も強いがおそらく当たり方も教え込まれているんだろう。全体重と魂を乗せてタックルしてくる感じ。

そしてマリーシア
ピンチの際にプレーを切るようにファールを連発してくるのはもちろんのこと、こちらディフェンス時に少しでも足が「カツッ」と当たろうものならすぐに大声を出して倒れる。
次の瞬間逆サイドのハーフだろうがセンターバックだろうが全員が大騒ぎし、近くの選手は猛スピードで駆け寄ってきて罵倒してくる、どついてくる。。。

ベンチメンバーやスタッフはは全員総出で審判団に圧力をかけ、下部組織の選手(応援団)や見にきている親達もファールが起これば大騒ぎし、指笛を吹く。

圧とマリーシアのみで支配された試合

正直なところ腹が立ちました。

私たちは実際に実績のあったチームでプライドもありましたので(実際に全国2位にもなった)黙って引き下がるはずもなく。
初めは「売られた喧嘩は買うぜ!」の勢いで試合は大荒れの展開へと突入していきました。

かなりの強度の高い試合展開が続く中、
私達は時間を追うごとに押され始めます。
個の能力はこっちのほうが断然高いにも関わらず

そのマリーシアの応酬に次第に
「こいつらはまともじゃない」
「まともにやり合ったら自分たちが怪我をする」

11人対9人で負けた衝撃

さらに流れは相手に傾いていきます。
・球際での恐怖心から守備が緩む選手
・熱くなりすぎて冷静さを失う選手
・自チームが苦戦しているのかと錯覚させられる空気作り
・ファールや抗議で試合を切られ、流れを作れないチーム

次第に相手に飲み込まれ行くチーム。
審判を味方につけようと同情を誘うが、相手の猛アピールの圧に審判も動揺し甘い判定も出始める。

次第に僕はラフプレーやマリーシアを繰り返しても際々で退場をしないその立ち回りに尊敬の念すら抱いていました。笑

しかしラフプレーが続く中で70分くらいに相手は2人が退場しました。笑笑
ですが全く衰えない相手の勢い。
(W杯決勝でのアルゼンチンのよう。)

そして11人対9人(相手は2人退場している)の展開で1-0からなんと1-2に逆転されてしまったのです。

後の詳しい展開はあまり覚えていませんが、
なんだかあまり感じることのない清々しい気持ちになっていました。
「ああ、世界にはこういう勝負の仕方があるんだ。」
「今日のこいつらともう一度戦っても勝てなかったな」


そう感じたことを今でも覚えています。
少なくとも自分のサッカー人生の中で
後にも先にもこんな負け方をしたのは初めてでした。

僕らに起こったこと

僕たちは相手に完全にコントロールされました。

日本では、多くのスポーツでフェアプレーという価値観がとても大切にされています。

試合が終われば握手をする。
相手をリスペクトする。
子どもたちの模範になる。

そういう文化が根付いているからこそ、日本サッカーはここまで発展してきた。
日本サッカーは素晴らしいです。

あの時の僕らも素晴らしい技術と規律を持った強いチームだったはずなのに、
自分たちとって非常識で、異常と言えるようなプレーの数々を前にその試合に敗れた。

まさに理屈(サッカー批評家が語るような戦術論や技術論)ではなかったと個人的には感じました。

サッカーは、芸術的な方が魅力で
攻撃的なサッカーは見ていて楽しく、
正々堂々戦った方が美学だと言われる。

しかし、その試合に敗北した時に僕自身は心底悔しかった。
少なくともあんな(汚い)プレーをするくらいなら負けた方が良いと、こんな闘い方は恥ずべきことだ、とは1ミリも思わなかったのです。

それからアルゼンチンサッカーに魅了された

決勝戦が終わって、多くの人がアルゼンチンを批判しています。

見ていて気持ちがいいサッカーではなかったと思う人もいるでしょう。
ただ改めて考えました。

サッカーとは何だろう。
そもそも何を求めてプレーするのか。

僕はプレイヤーとして【勝つ】こと。
【サッカーで自分の力と存在価値を示すこと。】
これが全てのエネルギーだった。 

そう。
僕はこのサッカー(汚いと言われる)に負けた張本人だから否定はできなかった。

なんなら散々やり合ったそのチームのことをその日から少し好きになったくらいだ。笑
そしてその後もこのチームとは何度もやり合ったのとても良い思い出です。笑(たのしかった笑)

一般的には好き嫌いが分かれる。
それでも、世界最高峰の舞台では、技術だけでは勝てないという現実を、少なくともアルゼンチンに敗れた各国のサポーターは思い知った節もあるでしょう。

ただ現実問題こんな要素が試合を支配してしまうことがアマチュアレベルはもちろんワールドカップのレベルでも起こり得る。

現に決勝の試合を見ていてもあの展開の中でアルゼンチンが90分0点に抑えたことがいかに驚愕のパフォーマンスか。日本対ブラジルを見た日本人は一番わかっているでしょう。
(確か90分のでシュート0対20くらいだったはず)

そして延長後半。アルゼンチンはいくつか決定的なチャンスをつくりました。120分の中でたったの数本でしたがもしあれが入ればPKまで持ち込んでいた可能性すらあります。
そうゆうことです。笑

改めてサッカーは上手い人が勝つわけではない。
それを改めて見せてくれたアルゼンチン代表に個人的には最大の敬意を払っています。

※皆様の考察どんどんお待ちしております!


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