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「まとまった時間」は一生来ない。だから、あえて「中途半端」に手を付ける。

こんにちは、46歳の「ふつうの会社員」ちゃんさこ46です。

このnoteでは、私が社内で実施している「ふつうの人が仕事を完遂するための技術」研修の内容を共有しています。

前回の「レジリエンス」の記事には、想像以上の反響をいただき、本当にありがとうございました。

今日は、社内研修の第2回で伝えた「タイムマネジメント」の話を共有させてください。
といっても、手帳を華麗に駆使するとか、分刻みで動くとかいったようなストイックな話ではありません。むしろその逆です。

いかに中途半端に、食い散らかしながら仕事を進めるか」という、
一見胡散臭い、でも抜群に効く技術の話です。


カレンダーに「大きな枠」を確保して、安心していた日々。

「来週が期限の資料作成、だいたい3時間くらいだろうから、月曜の午後に3時間枠を確保して、一気に終わらせよう」といった計画を立てて、その通りに事が運んだ試しってあるでしょうか。
私はほぼありません。

現実は非情です。
急なチャットの相談、割り込みの作業依頼、さらには、始めてみたら大抵見積りよりも作業時間を要するという現実。

PMの世界には『ホフスタッターの法則』という皮肉な言葉があります。

『仕事は、常に予定より時間がかかる。
それを織り込んで計画を立てても、やっぱり予定よりかかる。』

実際、私の20数年の経験でも、見積りに対して実績は1.4倍くらいに膨らむ感覚があります。
これは我々がサボっているからではなく、脳が「完璧なコンディションで仕事が進む」という前提で見積もってしまうことが原因だと捉えています。

当日の状況は周囲の動きに合わせて、いかようにも変わります。
何なら前日の夜に、思っていた以上に飲み過ぎてしまうこともあります(不可避)。
だからこそ最初から『3時間枠』に賭けるのはギャンブル過ぎるのです。

結局、確保した3時間の枠は細切れになり、見積り以上の作業に圧倒され、金曜の夜に「マジで終わらん」と震える。これが、我々が日々直面している現実です。

なぜこんなことになってしまうのか。
それは我々が「まとまった時間がないと着手できない」という呪いにかかってしまっているからです。


脳のピークは、最初の「15分」にしかない

ここで、人間の脳の「仕様」をひとつ紹介します。
実は、重たい仕事に対する人間の集中力は開始15分ほどでピークを迎え、30分後には下降し始めます。

例えば、会議の後に「まとめて取った3時間枠」をイメージしてみます。
まずコーヒーで一息ついて、たまっているチャットに返事をして、脳の片隅ではこの後の重たい作業を考え始めーーと過ごしている間に、脳の一番美味しい時間は終わってしまいます。

そこで私がおすすめしたいのが、大きな仕事を細かく刻んで、あえて「中途半端に手を付ける」という逆転の技術です。


「脳への予約」が、勝手に仕事を進めてくれる

3時間かかる重たいタスクを、会議や移動前のすき間の10分~15分に「あえて」始めてみてください。
当然、終わりません。表紙を作って、骨子を3行書いただけで、会議の開始時間がやってきます。

でもこれが抜群に効くのです。
これを私は「脳への予約」と捉えています。
人間の脳には、「未完了のタスクを勝手に考え続けてしまう」という、非常に優秀な(あるいは厄介な)性質があります。

ちょっとだけ手をつけて中断すると、会議の合間も、移動中も、脳のバックグラウンドでは勝手にその続きを練っています。

次にその作業に戻った時、脳はすでに温まった状態です。
ゼロから考え始める時間は消え、一気に走り出すことができます。


「中途半端」がもたらす、4つの素晴らしい副産物

この「ちょっとだけ手をつけて放置」には、実務を進める上で最高の副産物が4つあります。

  1. 着手のハードルが下がる
    「これから3時間掛かる作業に着手する」ーーそう覚悟を決めようとしても、脳はその重さからついつい逃げてコーヒーを淹れ始めます。ですが「5分だけ」と思えば、割とすんなり着手できます。

  2. 見通しが立つ
    3時間かかると思っていた作業が、実際どの程度かかる作業なのかの判断がしやすくなります。「意外とあっさり終えられそうだ」と捉えたときの脳の解放感たるや。

  3. アイディアが勝手に湧く
    脳がその仕事の周辺情報を気にし続けているので(「カラーバス効果」、意識している情報が目に飛び込んでくる現象)、関連していることに気づきやすくなったり、良いアイディアが浮かびやすくなったりします。
    会議中や移動中も、脳が勝手に「材料」を集めてくれる。お得感。

  4. 「詰み」を回避できる
    締め切り直前に始めて、他の人に確認しないとダメな要素に直面し、絶望を味わう、なんてことが無くなります。 先に着手しておけば、予め必要な協力を周りに頼んでおけます。


今日のまとめ:

やらなきゃいけない重たい仕事は、森の奥からじっとこちらを見ている「くまさん」のようなものです。 戦うのは怖いし、逃げても視線を感じて落ち着かない。
これが、未完了のタスクが頭の片隅にあるときの状態です。
私はこれを「森のくまさん現象」と呼んでいます。

「森のくまさん」を見なかったことにせず、対処する。

ずっと無視していても、恐怖は消えません。
でも、ちょっとだけ対処してみると、実はぬいぐるみだったとか、戦いようが分ったりとか、弾みが付くことが多いのです。
見積もった時間内だけに詰め込もうとせず、とりあえずちょっとだけやってみる。
この中途半端な一歩が、結果として期限内に仕事を完遂させる近道になります。
是非試してみてください。


この記事を書いた人:
2005年株式会社ブイキューブ入社。PM系の実務の人。
日々「あえて中途半端」に仕事を仕込みながら、なんとか期日内にこなしている。
昨晩は麦と芋の割合を多めにして、たくさん飲むことを実践した。
次回は「目的論」に触れてみようと思います。
説教臭くなりそうなテーマなので、そうならないようがんばります。


過去の記事:
「気合」も「根性」もいらない。ふつうの人が「最後までやり切るプロ」になるための脳の使い方

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