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第2回:見えないものを「見える」ように

企業風土って、掴みどころがない。だから「醸成せよ」と言われても戸惑ってしまう。けれど、本当に「つくる」もの? 前回はそんな問いから始まりました。今回は、わたしたち風土醸成チームが続けてきた“編集”や“おすそ分け”の営みを「風土の可視化」と言い換えて、それがどんなふうに風土に作用してきたのかを語り合います。



風土は「可視化」するもの


ミクニ:
前回は、 わたしたちのやってる施策って「言い合えある空気」というか、「おせっかいをありがたいと思える空気」の土台をつくるものかも、というところで終わりましたが。

室長: その流れで言うと、先日わたしが出演したNewsPicks Stage.の中でカオナビの佐藤社長がおっしゃっていた「風土の可視化」という言葉が、すごくしっくりきたんだよね。

ミクニ:わたしもそうです。

ウエムラ: 風土を可視化することで、社員一人ひとりが「この風土ならもっとやれる」「ここなら一緒にやっていきたい」と思えるようになる、という。

室長: そうなんだよね。風土は「つくる」ものではないけど、人が動かないと変わらない。やっぱり誰かが発信することで、見えないはずの風土が「見える」ようになる。


「編集」と「演出」で風土を「見せる」


ミクニ:
2023年に、わたしたち風土醸成チームの活動を見直したんです。それまでは「当社に足りないのはこれだ」「これがあった方がいい」って、提案するスタンスでした。でも、そういう提案に共感してくれたのはアーリーアダプターばかりで、会社全体にはなかなか受け入れられていない感じがずっとあったんですよね。で、いろいろもがいてたら、ある日、わたしたちがやるべきことは新しい価値観やかっこいいキャッチフレーズを提案することじゃないなと気づきました。

当時の雑パワポ

ミクニ:ヒアリングをしていても、「もう『美しい時代へ』(東急グループの存在理念)があるじゃないか」という声や、「良い取り組みがたくさんあるのに伝わっていない」という課題感が多かったんですよね。

室長: たしかに、こんなに素晴らしい理念があるのに、それについて考えたことのある人ってそんなにいなかったと思う。つまり、新しい何かを生み出すのではなく、「あるものをちゃんと編集して演出することで、その良さを広め、伝える」こと。それが結果的にエンゲージメント向上に繋がるんじゃないか、と。

ミクニ:そうです。 まさに「編集」という感覚ですね。個人的に「風土の可視化」っていう表現がしっくりきたのはそのせいです。

ウエムラ:わたしはそのあたりから風土醸成チームに片足をつっこみはじめるんですけど、当時、我々がやっていたNewsPicks東急グループ版というメディアのキャッチコピーを「知ればもっと好きになる。読めば力がわいてくる。あえて伝えたい、東急の『人』と『静かな熱狂』」に変えました。

それまでのコピーは「挑戦する。挑戦を応援する挑戦もある。」。めっちゃ提案してるし、ぱっと見よくわからない(笑)。

室長: うんうん。その「知ればもっと好きになる」に、活動の全てが集約されていると思う。「挑戦しませんか」って突きつけるのではなく、「こんな人もいて、こんなに楽しそうにやってるんだったら自分もできるかも」って、受け手が自ら感じて踏み出してくれるのが理想。

ウエムラ: まさに。こちらから「踏み出しましょう!」とは言わないスタンスでやってます。人材戦略室として「個の最大化」を掲げている以上、わたしは「これが正解!」「これがいいよ!」ということは言いたくないし、押しつけるのも違うと思っていて。

だから、インタビューもいろいろな価値観やバックグラウンドを持った人たちを人選しているし、そこに対してわたしたちの感想や教訓みたいなものもはさまないようにしている。いまやっている「風土醸成チーム発信サイト」のキャッチコピー「みんなちがって、みんなナイス!」に、そのスタンスを込めたつもりです。

ウエムラ:へらへらとラフな感じでやってますけど(笑)、そこだけは絶対的なポリシーとして貫いています。

ミクニ:ほんとにそこはそうです。唯一のブレない軸。で、わたしも「楽しそうでいいね」ってよく言われます。

室長: うんうん。わたしもNewsPicks Stage.の感想をいろいろな人からもらったんだけど、「よかった!」というポイントが一人ひとり違ってて。こっちの狙いとはぜんぜん違うところにすごく反応してる人とかもいてさ。何がどこで誰に刺さるかわかんないな~、とあらためて思ったとこ。

ウエムラ:わたしも最近「マキ個の部屋」*の感想をよくもらいますけど、たしかにそれは感じますね。人によって刺さる回も箇所もバラバラ。そのたびに、わたしたちのスタンスはやっぱりまちがってないよな、とちょっとほっとします。

*マキ個の部屋:社内サイトで連載している、室長と従業員が仕事をするうえでの幸せをテーマにとことん語り合う対談企画

ミクニ: 私はこの間、「昼のテレビに出てる人だ!」って声をかけられました(笑)。ランチセッションの司会をしてるから。

一同:

室長:実際にさ、最近、風土醸成チームに他部門からも相談が来たりしてるじゃん? 「ランチセッションに出てみたい」って声をかけられたり、「自分たちのことをもっと発信してほしい」って依頼されたり。そういう変化は確実に起きているよね。

ミクニ:たしかにそうですね。忙しくなってきた気がします。

室長:「楽しそうでいいね」って言われるってさっき言ってたけどさ、言葉を選ばずに言うとこのチームの活動って、遊んでるように見えることもあると思うんだよね。

ミクニ&ウエムラ:苦笑

室長:でも、そうやって風土醸成チームに依頼が舞い込んで忙しくなってきたってことは、その「遊び」みたいな活動が効いてる、意味があるってみんなが気づきはじめたってことじゃないのかな。気づき始めた人たちが、自分たちもそうやって少しずつ動き始めた。結果、風土が変わり始めている、というか。

ミクニ:だとしたら、めちゃめちゃうれしいです。

室長:風土って、やっぱり行動の積み重ねなんだよ。風土は、いま確実に変わってきていると思う。

ウエムラ:それもまた、わたしたちが可視化して。なんか、やっと自分の役割も可視化されてきました!


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