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背表紙は、捨てなくてはならない

 本を買うと、 まず帯を外す。
そして、 背表紙のカバーも外す。
僕には、あれが邪魔だ。

辞書は、 新品である必要はない。
黒く手垢がつき、 角が丸くなり、
折り目が増えた辞書のほうが好きだ。


本当は、 そこまで勉強していない。


だから、 少しだけ、ずるをする。
水で濡らし、
折り目をつけ、
ときどき放り投げる。
時間を先回りして、

「使い込まれた辞書」

を作る。

新品は美しい。
でも、 ボロボロの辞書には、
新品にはない物語がある。

僕にとって、
辞書は読むものではない。
育てるものだ。
だから、

背表紙は、 捨てなくてはならない。



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