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ヨコタ博物館『「はじめまして!」の収蔵品展』3


 先の記事では、正体不明の色々な立体物について書きましたが、平面の絵や巻物も色々ありました。文字などがある分、多少は推測の余地がありそうだけど……

チベットの曼荼羅

悟りの境地を表した男尊と女尊
本展示物の中央に描かれているのは
おそらく「チャクラサンヴァラ父母仏」。
ヤブ(男尊)とユム(女尊)が交わることで、
方便と知恵が調和した悟りの境地を表しているのだそう。

展示解説より
チベット曼荼羅

男女の仏が抱き合う姿で表わされる父母仏(ヤブユム)は、チベット仏教に特徴的な仏です。インドでの女神信仰の高まりを受け、男性の仏が妃と交わることで多数の仏たちを生み出すと考えられました。守護尊(イダム)と呼ばれ、絶大な力をもつ仏として信仰されます。

東京国立博物館蔵『チャクラサンヴァラ父母仏立像』
文化遺産オンライン解説より

 曼荼羅というと、密教美術ではメジャーなジャンル。だけど真ん中が歓喜仏なのは、ちょっとピーキーですね。他にもこれは、日本でよく見られる曼荼羅とは色々と違っている。

 日本の胎蔵界・金剛界曼荼羅だと、幾何学的な図形の中に諸仏が配置されている。あえてどこであるかを示さない、抽象的な空間、私たちが認識している三次元空間ですらない、不可知の場所でであるかのように描いていますが、こちらは山や木々のある、普通の風景です。上の方に描かれた仏は雲に乗り、下の方の仏は木陰や岩の上に座っている。現実世界を舞台にした曼荼羅。円も、一番外側は炎を上げているように描かれている……どこからが観念の世界で、どこまでが現実にそくした世界なのか、見ているとコンガラガってくる。

 他にも、描かれた諸仏がほぼ同じ姿なのも、ちょっと見た事がない。曼荼羅は世界の複雑さを図解するものなので、描かれる仏の姿も多種多様なのが普通……衣装とか持物とか。なのに、多少の印相の違いはあっても、この曼荼羅に描かれた仏は、みんなほとんど同じ……そもそも彼らは仏なのか? どの姿にも、首元の三本のシワ「三道」はあるけど、髪は黒くて「螺髪」はなさそう。眉間の「白毫」もない。そう考えていくと、あまりにも奇妙。

 日本で「曼荼羅」というと、寺院に納められ、密教の世界観を表すものだけど、これは全く違うもののようです。いったい、どのような場所で、どんな扱いをされてきたものなのでしょうか?

本展示物は庶民向けのものなのか、文献等を漁っても
似たような構図は見つけられず、描かれているもの
ひとつひとつが何を意味しているのかは不明です。

展示解説より

タイの民画

ハヌマーンかな?

 画面の上で、四人相手に暴れている白いキャラクター、これは見た事ある! タイの猿神、ハヌマーンじゃないか? 1974年の映画『ウルトラ6兄弟VS怪獣軍団』にも出てた。

この絵画は、タイの国民的叙事詩「ラーマキエン」の一場面を描いた伝統的なタイ絵画です。ラーマキエンは、インドの「ラーマーヤナ」を起源とする物語で、タイでは寺院の壁画や伝統芸能の題材として深く親しまれています。
描かれているのは、主人公ラーマ王子の忠臣である猿の軍勢(白い肌のハヌマーンなど)と、悪魔(鬼)側の激しい戦闘や対峙のシーンです。人物の優雅なポーズ、緻密な装飾、独特な岩や樹木の描写は、18〜19世紀以降のバンコク様式(ラッタナコーシン様式)の特徴をよく表しています。
キャラクターは肌の色で識別され、例えば白はハヌマーン、緑はラーマ王子を象徴します。物語と宗教心が融合した、タイ美術の真髄を示す一品です。

GoogleのAIアシスタントGeminiによる画像解析と解説

 試しに画像をGoogleのAIモードに投げたら、こんなお返事が。下の身なりの良い青年がラーマ王子ですね。フンドシやアクセサリがおそろいだし……じゃあ紅白のチューブブラをした黒髪ベリーショートの女性が、ラーマーヤナのヒロイン、シーター姫なの? 棍棒にぎりしめてラーマ王子を指差しているから、どう見ても山賊の女ボスなんだけど。

菩提樹の下で悟りを開くお釈迦様?

提供された画像は、お釈迦様の生涯の一場面(仏伝図)を描いたタイの伝統的な絵画(仏教壁画)のスタイルです。
中央で蓮華座に座り、印相(指の形)を結んでいるのがお釈迦様(仏陀)です。その周囲には、悟りを祝福しに訪れた天界の神々(天人やブラフマーなど)が楽器を奏でたり、供物を捧げたりしながら空中を舞う姿が描かれています。右下には跪いて礼拝する弟子(修行者)の姿も見られ、聖なる場面であることを強調しています。
色彩豊かで平面的な描写、独特の髪型や装飾品は、タイのラッタナコーシン朝様式の特徴をよく表しており、人々に仏教の教えを視覚的に伝える役割を果たしています。

GoogleのAIアシスタントGeminiによる画像解析と解説

 樹の下で禅を組んでいるからお釈迦様。これは分かりやすかった。だけど、ロウソクの火みたいな後光は珍しいかも。お釈迦様と同じ後光をつけた天人は誰だろう? ネックの長い弦楽器を弾いている。ブラフマーは、空中に開いた異次元の窓から顔を出している方だろうしなあ。

山岳民族の民画

馬と謎生物で競走してる?

この画像は、東南アジアから中国南部の山岳地帯に住む少数民族、ヤオ族(ミエン族)が儀式や祭祀で使用する「ヤオ族の民画(道教儀礼画)」です。
ヤオ族の信仰は、独自の道教や精霊信仰(アニミズム)が深く結びついたもので、これらの絵画はシャマン(祈祷師)が儀式を行う際に、神々や祖先を呼び出すための重要な道具として使われます。
図像の特徴
描かれている存在: 上部には白馬にまたがる神、下部には麒麟や龍のような霊獣に乗る神が描かれています。これらは悪霊を退け、人間を守護する「武神」や「神将」を表していると考えられます。
素材と技法: 手漉きの桑紙(マルチベリーペーパー)などに天然染料で描かれ、掛け軸のような形で保管されます。
様式: 中国の道教絵画の影響を強く受けていますが、人物の装束や独特の色彩感覚には、山岳民族独自の文化が反映されています。
ヤオ族にとって、これらの絵画は単なる美術品ではなく、聖なる世界と交信するための「神の依代(よりしろ)」としての役割を持つ非常に神聖なものです。

GoogleのAIアシスタントGeminiによる画像解析と解説

 魔を祓う存在なのか……だとすると「この紋所が目に入らぬか」的に、左手で高々と掲げているのは、護符か、天の神からの令状か何かかな? 武神、神将というなら、祓魔厄除の効能は、お不動様の剣や力士の独鈷みたいに、武器で表すものかと思ってました。こういう、書状を描くというのは面白いですね。物理的な武力よりも政治権力の方が強い、なんて意識があったのかな?

閻魔様に見張られながら、ウドンを作る人たち?

この画像も、前の絵と同じくヤオ族(ミエン族)が儀式で用いる、道教に基づいた宗教画です。
中央の大きく描かれた人物は、死後の世界で亡者を裁く十人の王の一人、「十王(じゅうおう)」(あるいはその配下の高位の神)と考えられます。
図像の解説
中央の人物: 威厳のある表情で椅子に座り、道教的な冠と黄色い法衣を身にまとっています。これは地獄での裁判を司る王、あるいは天界の官僚としての姿です。
周囲の人物: 足元には、裁判の記録を書き記す書記官(判官)や、楽器を奏でて儀式を盛り上げる奏楽者たちが描かれています。太鼓やシンバルのような楽器が見て取れます。
ヤオ族における役割: ヤオ族の道教儀礼では、亡くなった人の魂を救済し、祖先のもとへ正しく送り届けるために、このような「十王」の絵を並べて儀式を行います。
前の絵が守護を司る「武神」であったのに対し、こちらは死後の秩序や魂の救済を司る「文神・官僚神」としての側面を色濃く反映しています。桑紙に手描きされた素朴ながらも力強い筆致は、彼らの深い信仰心と伝統を今に伝えています。

GoogleのAIアシスタントGeminiによる画像解析と解説

 閻魔大王も十王のひとりだから、Geminiと私の意見はだいたい合ってた。めでたい。だけど、楽器を奏でてる、というのは違うと思う。それなら、管楽器だの弦楽器だの、それと分かるものをちゃんと描くはず……AIにはまだまだ頼れないですね。

 自分には、左の頭巾と服が赤いヒゲ、どうみてもウドンを切ってるようにしか見えないし……後ろには、お盆を持って待ってるヒゲもいるし……右側の青い服はお婆さんかな? 白髪の髷を高く結って、鉢だか皿だかに、捏ねた生地を丸めている。その丸い器が、シンバルみたいに見えたのかな? その前の桶は、確かに太鼓っぽいし。

 この二枚の絵の、端っこに書いてある「秀」って字、作者のサインだろうか? 正解は、秀さんに聞いてみないとわからない。

山岳民族の巻物

絵巻物と、絵入りの巻物。最初の部分。

 巻物が二種類。画面上の巻物は、ずーっと人が行列している、絵だけのもの。こちらにも「秀」のサインが入ってる。だけどさっきの掛け絵とは、画風が違う気がする……作者の名前じゃなくて、ブランドとか、何かの印なのかな?

 挿絵が面白い下の巻物は漢字なので、一文字単位なら分かる字も多いけど、かえって文章の意味が分からなくなる。

画像の下にある巻物は、中国南部から東南アジアの山岳地帯に暮らす少数民族、ヤオ(瑶)族に伝わる「評皇券牒(ひょうこうけんちょう)」、通称「過山榜(かざんぼう)」と呼ばれる古文書です。
これは単なる宗教画ではなく、彼らが山々を移動して生活するための「通行許可証」や、自分たちのアイデンティティを証明する「特権階級の証明書」としての役割を持っていました。
文章には、彼らの始祖神話である「槃瓠(ばんこ)伝説」が記されています。伝説では、敵将の首を取った功績により、犬の姿をした「槃瓠」が皇帝の娘を妻として授かり、その子孫がヤオ族になったとされています。
「(槃瓠の)体は長さ三尺、毛の色は五色に輝いていた。…(功績を立てた後、皇帝は)十二の姓を授け、山を越え(過山)てどこへでも住むことを許し、永遠に税や賦役を免除した。」
このように、文書には「自分たちは皇帝から正式に認められ、山岳地帯での居住や移動の自由、さらに免税の特権を与えられた特別な民である」という誇り高い歴史が綴られています。中央に見える三人の人物は、ヤオ族の守護神や祖先を表しており、儀式の際にも大切に掲げられます。
こうした古文書は、過酷な山岳環境で生き抜いてきた彼らの結束の象徴といえます。

GoogleのAIアシスタントGeminiによる画像解析と解説

 よく見ると、絵の左側に確かに「犬身平三尺、毛色五班」とか「賜姓人一十二姓」や「更新生十二姓名」なんて部分がある。税金を免除するとかは、どこに書いてあるか分からないけれど。

 「評皇券牒」「過山榜」というのは、初めて知った。面白いなあ……では、上の絵巻物は何だろう? 行列の最後尾から始まっている。一番最後のはずなのに、後光が差した人物が四人もいる……この行列も、一体なんなのか、正体が分からない。

巻物二種、上の部分の続き。亀が可愛い。

 上の絵巻物に描かれた行列では、後光の差した人物の前を剣を振りかざした人々が歩いている。どれもギョロリと目を剥いていて、三面六臂の者すらいる。だけどその中に、筆と杓を持った者も混ざっています。先の絵に描かれていた、武器の代わりに令状で魔を祓う神将が、思い起こされる。

画像の下の巻物は、ヤオ族に伝わる「過山榜(かざんぼう)」の続きで、始祖から生まれた子孫がどのように増え、各地へ広がっていったかという部族の繁栄と移動の歴史が記されています。
内容の解説
この場面では、皇帝から授かった「十二の姓(名字)」を持つ子孫たちが、山々を越えて移住していく様子や、その暮らしぶりが具体的に述べられています。
漢文の抜粋:「其後所生一十二姓、長男随父姓、盤、沈、黄、鄭、李、鄧、周、趙、胡、唐、雷、馮。…各自分居、各自食受」
現代語訳の要約:
「その後、十二の姓が生まれた。長男は父の姓を継ぎ、盤・沈・黄…(中略)…といった名字を授かった。彼らはそれぞれ各地に分かれて住み、自ら糧を得て暮らすようになった。」
挿絵に描かれた三人の人物は、ヤオ族の信仰において重要な役割を持つ祖先神や道教の神々と考えられ、彼らが子孫の安寧と移動の安全を見守っていることを象徴しています。
この巻物は、文字を持たなかった時代から「自分たちがどこから来たのか」を次世代へ伝える、民族の家系図のような役割も果たしていました。

GoogleのAIアシスタントGeminiによる画像解析と解説

 三人の人物、ヒゲがあるようでもあり、頬が染められているようでもある。男かな? 女かな? この赤紫色は、何で色を付けているんだろう? 足元のカメは何だ? AIの説明は、なんとなくわかる気がするけれど、かえって謎が増えていくような感じもする。

箇条書きになっている

さらに続き。変な帽子の三人。お花が咲いてる?

この場面には、ヤオ族が移動生活を送る中での社会的な特権や禁止事項が記されています。
文章には、ヤオ族の子孫が「山林に住み、自由に移動すること(移録)」が認められ、もし役人が不当な税を課したり、弱者を虐げたりした場合には、皇帝の法(官罪)によって罰せられるべきであるといった自己防衛と特権の根拠が綴られています。
・漢文の抜粋:
「一惟令二十二子孫姓名、挻居住山林、搬移家属、眷大小男女……如邪官勢、……欺負後代、官任更逐……」
・現代語訳の要約:
「子孫たちは山林に住み、家族を連れて自由に移動してよい。もし邪悪な役人が勢力を笠に着て、後代の民を欺き、弱者を虐げるようなことがあれば、その役人は厳しく処罰される。」

GoogleのAIアシスタントGeminiによる画像解析と解説

 『黄金万両』って分かりやすいなあ。見た目が、何かの経典や神話伝承を書いた巻物っぽいのに、実際は契約書というのは面白い。よく見ると、一惟令、一惟令って箇条書きになっていて、確かにこれは契約書ですね……

箇条書きがズラッと続く。

ここに箇条書きにされているのは、ヤオ族の始祖から分かれた「十二の姓(名字)」の具体的な内訳と、それぞれの祖先に授けられた官職や特権のリストです。
箇条書きの内容
「一、賜男(一人の男子に授ける)…」という形式で、以下の内容が記されています。
授けられた姓: 盤(ばん)、沈(しん)、黄(こう)、李(り)、鄧(とう)、周(しゅう)、趙(ちょう)、胡(こ)、馮(ふう)、荷(か)、雷(らい)、馮(ふう)などの十二姓が並んでいます。
官職と地位
「大将軍」「刺史(しし)」「郎君(ろうくん)」といった高い官位が、それぞれの姓の祖先に与えられたことが明記されています。
恩典
「食二千戸(二千世帯分の税収を得る権利)」や「封野侯(侯爵に封じる)」など、破格の待遇が記されています。
これは、ヤオ族の各家系が「自分たちは皇帝から正式に官位と名字を賜った、高貴な血筋である」ことを証明するためのものです。このリストがあることで、彼らは移住先でも他の民族や役人に対して、自分たちの正当な権利を主張することができました。
文末には「夫人」という言葉も見え、夫婦揃って尊称を与えられた一族の誇りが感じられます。

GoogleのAIアシスタントGeminiによる画像解析と解説

 筆跡が微妙に違っている気がする。これはたぶん、複数の人が分割して書いているんだろう。それも理由なのか、大きな判子がペタペタと捺してある……紙幣の透かしとか、ネット画像のウォーターマークを連想させる。このあたりも、契約書というか、公文書らしい。

偉い人の行列?

輿に乗った偉い人

 下の巻物の『黄金万両』のあたり、上の絵巻物では、偉い人の乗った輿が二台、並んで進んでいます。先の輿は椅子だけなのに、後の輿は箱になっていて、屋根には笠つきの灯籠までついている豪華なもの。乗っているのは、この一行の主人なのでしょうか。

画像の上にある絵巻物は、ヤオ族(瑶族)の儀礼で用いられる「祖先図」または「盤王図(ばんおうず)」と呼ばれるものです。下の「過山榜」が法的な権利を記した「文書」であるのに対し、こちらは信仰の対象となる「聖像画」としての役割を持っています。
中盤に描かれたこの印象的な場面は、ヤオ族(瑶族)の始祖神話におけるクライマックスの一つである「盤王(盤瓠)の婚礼」、あるいは「一族の長たちによる巡行」を象徴しています。
二つの輿(こし)に乗っているのは、以下の人物たちです。
輿に乗っている人物
・右側の輿:始祖「盤王(盤瓠)」
ヤオ族の開祖であり、この絵巻の主人公です。伝説では、皇帝の敵将の首を取った功績により、皇帝の娘を妻として娶(めと)ることになりました。高貴な身分として輿に乗り、一族の長として威風堂々と描かれています。
・左側の輿:皇帝の娘(盤王の妻)
盤王の妻となった「三公主(皇帝の第三王女)」です。彼女が盤王に嫁いだことで、ヤオ族は皇帝の親族としての血筋を引き、特別な特権(免税や移動の自由)を得ることになったとされています。
場面の解説
この描写は、単なる移動ではなく、「神聖な婚姻の儀」「新たな土地への入植」を祝う華やかなパレードを表現しています。周囲で輿を担いだり随行したりしている人々は、後に十二の姓を名乗ることになる子孫や家臣たちです。
色鮮やかな衣装や提灯のような装飾は、この旅が喜びと希望に満ちたものであったことを示しており、ヤオ族が自分たちのルーツを「高貴で華々しいもの」として誇りに思っていることが伝わってきます。

GoogleのAIアシスタントGeminiによる画像解析と解説

 「槃瓠」「盤瓠」どっちが正解なのか……検索した限りでは、どっちもあるんだよなあ。展示には解説されてなかったけど、この二種類の巻物が一緒に展示されていることには、明確な意味があった。後からこういう事が分かるのは、なかなか興奮します。もちろん、AIがそう言ったからと言って、間違っている可能性もそれなりにある。他にも確たる証拠がない限り、言い切る事はできないのでしょう。

輿を先導する楽団。

 ただまあ、これほど豪華な行列であれば、祖先の霊であっても何の不思議もない。輿の前には旗持ちに楽隊まで。ドラにシンバル、その前のは太鼓でしょうか? ラッパは長いの短いの、二本ずつ。さっきの、閻魔様の前でウドンを作っている絵、AIは「音楽を演奏している」と言っていましたが、楽器を演奏しているならこういう風に描きますよね。ねえ秀さん。

先頭に立つ力士たち。

 大名行列の場合、先頭は毛槍を振るヤッコさんだけど、この行列では剣や棍棒を振るマッチョ力士のようです。楽隊の先頭、横笛の人のスッキリした顔と、マッチョ力士の濃い顔の落差が激しい。

行列の先には……

それぞれの巻物のラスト。

上の絵巻物(盤王図)
ヤオ族の祭祀で掲げられる聖像画の結びの部分です。供物が並んだ祭壇に向かって、正装した一族の先祖たちが並び、儀式を執り行う様子が描かれています。右端の人物が持つ巻物は、まさに下の「過山榜」を指しており、自分たちの権利や出自を神前で読み上げ、改めて先祖や神々との絆を確認する神聖な場面を象徴しています。
下の巻物(過山榜)
この部分は「過山榜」の締めくくりにあたり、この文書が「本物であること」を強く主張する重要な箇所です。
中央の人物像はヤオ族の守護神であり、その足元には長寿と安定を象徴する「仙人亀」が描かれています。周囲の印章や「萬貴」といった吉祥句は、文書の権威を裏付けるものです。
本文には「評皇奏牒過山榜、防身万民為正、為憑(この過山榜を、万民が身を守り、正当性を証明する根拠とする)」と記されています。これは、厳しい山岳地帯を移動し続けるヤオ族にとって、この巻物が単なる伝説ではなく、外敵や不当な支配から一族を守るための実質的な「パスポート」や「守り刀」であったことを物語っています。

GoogleのAIアシスタントGeminiによる画像解析と解説

 「過山榜」の内容を四字に省略すると「天官賜福」になるのか……皇帝による保護、皇帝から受けた権利という説明があったけど、ここでは天になってるなあ。この違いは、実際に当時、皇帝の権威と天の神の権威が混同されていたという事なのか、それともAIの揺らぎによるものなのか?

 この「過山榜」の巻物を持っている人物も、誰だかハッキリしない。巻物を持つ人物は「評皇」の使者で、この行列はそれを受け取るためか? それとも氏族の代表で、始祖の盤王とその妃に向かって「過山榜」を読み上げているのか?

 そもそも山岳民族なのに、なぜ亀ばっかり? 山の生き物を描かないのはどうして? 疑問は尽きません。むしろ増えたかもしれない。

 だけど「評皇券牒」「過山榜」というものが存在したのは間違いない事実で、それを初めて知ることができたのは、大きな収穫でした。特に山岳民族、少数民族というのは、もっと感覚的な性格かと思っていた。こんな風に、契約だ文書だと、理詰めなイメージではありませんでした。その勝手な思い込みを打ち砕かれました。

 思い返せば、遊牧民だった古代ユダヤ人も「神との契約」という思想を持っていた。定住しない、固定した土地を持たないからこそ、文書に、契約に、ゆるぎないものを求めるのは自然なことかもしれない。

ヤオ族が横田氏にゆだねたもの

 皇帝との契約の証、一族の権利を守る重要な文書であり、氏族のアイデンティティにも関わる、非常に貴重なもの。それがどうしてここにあるのか。

 ヤオ族は、インドシナ戦争や中国の文化大革命など、文化が破壊される危機と常に隣り合わせだった。また、元々の生業であった焼き畑農業が、タイ政府によって禁じられ、観光業などへの生活の変化を余儀なくされた。そんな中で、自分たちの文化を守るために、すくなくとも、その事実を忘れられないものにするために、記録となる文物を、安全な日本に送ることを考えてもおかしくない。

 もちろん、なんの根拠もない。タイの現地で、ヤオ族の手元にこれらの文物が、どれだけ保管されているのかも分からない。真実を知るのは、故横田館長のみ。しかし、一つの民族の歴史を証言する貴重な文化財であり、それが大切に保管されていて、触れることができたというのは、間違いない事実だ。その事に、どんな意味と価値があるのか。それを決めるのは、自分自身の責任だろう。

 そんな責任を、このヨコタ博物館に収蔵された品々、その数だけ、故横田館長は背負ってきたわけですね……こうして色々と見せていただいたことで、多少なりとも、自分もそれを受け継ぐことができればいいのですが。

恋して! 宇宙少年CAFE

野外席で味噌モツ煮込みカレーとアイスコーヒー。

 たっぷり堪能したら、昼食にはちょっと遅い時間。ヨコタ博物館から車で十分ばかりのところの『恋して! 宇宙少年カフェ』に行きました。ここはお店の中にアメトイやいろんなポスターが飾られて、とっても面白いのだけど、今日は風も和らぎ陽射しも暖かく、遠くには桜も咲いていたので、野外席を選択。味噌モツ煮込みカレーをいただきました。バイクでツーリングを楽しんでいる人がたくさん通り過ぎて行きました。

 






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