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ヨコタ博物館『「はじめまして!」の収蔵品展』2


タイ・ミャンマーの塼仏

 先の記事で「念持仏って、東南アジアにもあるのか」なんて書いたけど、まさにそれそのものが展示されていました。

 塼仏は粘土板に仏や菩薩像などを浮き彫り状に表現したものです。木の型(笵型)に粘土を押し当てたものを乾燥させて焼いた後に、絵の具や漆で色を塗ったり、金箔(金泥)などで飾ったりしたきらびやかなもので、寺院の壁面装飾に使われたと考えられています。

展示解説より
塼仏

 手のひらほどの大きさに、いったい何体の仏があるのか。かと思えば、三尊像はやたら緻密で、粘土じゃなくて金細工みたい。

 粘土を型押しした、浮彫タイル状の仏像。中国では六世紀中頃……つまり、仏教が日本に伝来する頃、もう作られていたとか。ここに展示されているものが、その頃のものかどうかは分かりません。ここの展示物は、かなり作り方がこなれている感じだから、だいぶ時代は下るかもなあ。この、三尊像みたいにていねいに作られたものは、さすがに壁面装飾じゃなくて、個別に祀られたんじゃないかしら。

塼仏

 小さいのは、まるでネイル。上のようなプレートに作られたものを、細かく切り分けたのかな? ここまで小さいと、やはり建築装飾じゃなくて、身に着けていたんじゃないだろうか? お財布に入れる金運の御守りみたいに。

アカ族の守り神

村の入り口にたたずむ男女のペア
災いの侵入を村の出入口で防ぐ風習は、
日本のほか様々な国にあり、
それは時に「性」という形で表現されます。
タイの山岳民族であるアカ族の村では、
その風習の一つとして、村の出入口の道の両側に
木彫りの男女の像を置いています。
これらはアカ族の祖霊をあらわす守護神で、
男性の像は男性器を突き出し、
女性の像も女性器が分かるようになっているそう。

展示解説より
アカ族の守り神・男女

 左は烏帽子か何かを被っているのかな? 右は肩がややなで肩で、手も前を隠すような仕草。なので、左が男神、右が女神かと思うんだけど、どうだろう? 生殖器はあまり強調されていないというか、よく見えない……右の像の足の間には、丸いものがぶら下がっているけど、コレは子供かな?

 いよいよ仏像とかじゃない、土着感のあるものが出てきました。顔からして面白いし……妄想がはかどりますね。

 パッと見では、目の間が繋がってそのまま鼻筋になっているようだけど、実は目のようなところは鼻の穴で、顔の横に耳の穴みたいについてるのが実は目だとしたら……クトゥルフTRPGで言う所の、インスマス顔? 人知れず「深き者ども」が、東南アジアの奥地に進出していた? 人間の理解を超えた存在は、今もジャングルに潜んでいて……

 もちろんそんなのは絵空事なんですが……無骨な彫り跡に濃密な亜熱帯の空気がしみ込んだこの像には、人間が触れられないような、異質な世界とのつながりを感じるのです。

そのような守護神であるこれらを、
どのようにして館長が入手したのかは不明です。

展示解説より

か……館長? 大丈夫だったんですか?

パラッド・キック

衝撃的なタイのお守り
「男性器」の形をしたインパクトのある収蔵品。
これは、タイのお守りの一種である
「パラッド・キック(palad khik)」と思われます。
ヒンドゥー教の神で、破壊と再生を表すシヴァ神は
人の姿のほかリンガ(男性器)の姿としても象徴されています。
また、よく見ると、パラッド・キックには刻印や
腰に下げるための穴が付いています。

展示解説より
中央:パラッド・キック(?)

 日本の縄文時代の石棒とか、古代ギリシャやローマのファスキヌスとかティンティナブラムとか。どこの文明でも、男性器の形のお守りというのはありますね。しかしこの、小さい人間が抱き着いているような意匠は、あまり見かけないかなあ。どこの文明でもあるから、かえって差異を見出すのが難しかったり、面白かったり。

同じ収蔵棚に保管された「女性器」の
収蔵品は何なのか……情報をお待ちしています。

展示解説より

 向かって左の、やや紫がかった石に刻まれているのは、亀の型じゃなくて、女性器なの? 棒状だったり、穴が開いていたりするのが、実際に生殖器がモチーフになった意匠なのかどうか……どうやって区別すればいいのかな。

謎の嬰児像

嬰児像

 素焼きだと思われる、小さな嬰児の像……怖い! 怖すぎる! 親指くらいの大きさなのに、このリアルさ……頬肉の表現なのか、アゴが埋まっていたり、目尻から耳へ線が流れているのが、ドクロを連想させる……耳の位置が妙に高い? 非常に緻密で写実的なのに、人間の姿から少しだけズレているのが不気味でしょうがない……手の指をキッチリ組んでいるのも、下腹がポッコリしてるのも、肉芽のような性器も、生々しくてかなり嫌……館長は、なんでこれを持って帰ろうと思ったんでしょう?

 いや、もしかして、館長が知らないうちに入り込んでいたとか……ひょっとしたら、館長は何度も置いていこうとしたのに、いつの間にか手元に帰ってきてしまったとか……そんな事があったとしても、おかしくないこの禍々しさ……

 か……か、館長……ホント、大丈夫だったんですか?

故・横田館長がゆだねられたもの

 続きを書きました。ヤオ族の絵巻物というか、古文書を、AIに解読してもらいながら読んでいきました。そうしたら、その民族のアイデンティティに関わるような、かなり貴重な物だと分かりました。

 そんな貴重なものを、現地の人が故・横田館長に、なぜ委ねたのか。その理由も、少し見えて来た気がするのです。

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