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薔薇の牧場(まきば)に舞う者は (2020/01) 新春#04 『GO!³/この家の内から外へ』 【7】  連載:(33)



◆君主論・再考◆①

 
 玲音(レオン)の回想はさらに続く。

(2018/07/29)RUCA @ 名古屋・日本

(1)『平成ガメラ』=『マクスウェルの悪魔』

「『マクスウェルの悪魔』ですって!」
 オリガは素っ頓狂な声を挙げた。
「そうだ。
『平成ガメラ三部作』のガメラの本質とは、
『マクスウェルの悪魔』なんだ。
「世間ではそうは言ってはいない。
 だが、少しでも自然科学に造詣のある者が見たら、一目瞭然の筈だ。オリガが観たら一発で理解出来る。
 一度観てみろ。」
「わかりました。三部作通して一気に観ます。」
「そうしろ。······ああそうだ!注意すべき点が一つある。」
「何でしょうか?」

(2)『平成ガメラ三部作』の観方

「第1作目『大怪獣空中決戦』から観るな。
 必ず、『ガメラ2/レギオン襲来』から観ろ。
「その後、『GⅢ/邪神(イリス)覚醒』を観て結末を知った上で、事の発端は?と、いうことで、第一作目の『大怪獣空中決戦』を観るんだ。
「さらに時間と興味があれば、もう一度、『ガメラ2』と『GⅢ』を通して観るといい。
 
『平成ガメラ』=『マクスウェルの悪魔』

であることがはっきり解る。」
「何故ですか?何故、第一作目から、ではなく、第二作目から?」
「第一作目の『大怪獣空中決戦』を真っ先に観ると、第二作、第三作を観る気が失せてしまう可能性があるのさ。
 特に、オリガのように知的レベルが高い女性の場合は······。
「これには理由があって···監督の責任ではなくて、当時の製作会社:大映映画のスタンスの違いに問題があるんだ。」
「と、言いますと?」

(3)『平成ガメラ三部作』製作Behind

「元々『ガメラ』というのは、昭和期に大映映画が、東宝映画の『ゴジラ』シリーズの成功に刺激を受けて送り出した怪獣映画のシリーズだ。
「その第一作目から、ガメラは巨大怪獣ではあるが、何故か人間の子供に優しく、その守護者として振る舞うキャラクターが与えられていた。
 これが世に受けて、そのツボを最前面に押し出すようになり、全体として『子供向けの怪獣映画』という印象を強く残したままでシリーズを終えた。
「それが、1990年代を迎え、『ガメラ』生誕30周年を期して復活させようとの企画が起ち製作決定→金子修介監督による撮影!となったのだが······」
「『なったのだが·····』何です?」
「製作側と監督側とで、作品に対する認識にずれがあったのだ。

大映側:あくまでも昭和期の復活=子供達の守護者のキャラクターを前面に出せ!

監督側:新たなる『ガメラ』像の創造=子供向けにするのではなく、大人の観賞にも耐える作品に!

「結局、監督側の要望は通らず、ついた予算も監督の希望額よりも少なめだった。
『こりゃあ、パロディ怪獣映画路線で行くしかないな!』
と、ガックリきた監督だったのだが······」
「何ですか?」
「何と何と!樋口真嗣氏が特技撮影監督に決定!!というニュースが飛び込んで来た!!!それを聞いた途端、
『よし!行けるぞ!!』
と、脚本家の伊藤和典氏と共に俄然やる気が出たんだそうだ。
「そうこうして公開された『大怪獣空中決戦』だが、これが大ヒット!!!
『金子監督チーム!お手柄!!』
ということで、続く、第二作/第三作は監督自身のやりたいように撮らせてもらえるようになった、ということだ。」
「つまり、第一作目は大人からすると、若干幼稚に感じてしまう出来、というわけですか?」
「そう思える大人もいる、と俺は思う。決して内容がつまらない訳ではない。面白い作品だと思う。
 面白くはあるが、その後、第二/第三作目と時間を拘束されてまで観なければならないのか?という疑念をオリガが持つことを俺は恐れる。
「その点、第二作『レギオン襲来』は大人が観てもしっかり造られているSF作品だ。
 なんと言っても、
映画作品として初めて日本SF大賞を受賞した記念すべき作品
なんだからな!
「それまで日本でも優れたSF小説はあった。例えば、小松左京作『日本沈没』がそうだ。
 だが、映画オリジナルとして、日本SF大賞を獲れる作品は『ガメラ2』が始めてだったんだ。

「それを踏まえて、第三作目『邪神(イリス)覚醒』を観れば、

『ガメラ』=『マクスウェルの悪魔』

であることが明瞭になる。そこまで観てしまえば、次は
『ことの発端はなんだったのだろう?』
と知りたくなるだろう?そうなったら、第一作目を観たらいい。」
「もう一つ。三部作を通じて、ガメラの外見が変化するのだが·····」
と、玲音(レオン)が続けた。
「変化する······?」
「そうだ。顔もそうだし、体型・身体のパーツもだ。飛翔時の腕の有り様など著しく違ってくる。
 それが、第二・第三作は良いのだが、第一作目では······
「多分、第一作目の顔や飛翔時のスタイルを観て『カッコいい!』
と感じることはない、と思うね。『カッコいい』と思えないと、その後さらに観たい、という気が起きないだろう?
 だから、第一作目は後回しにしろってことさ。」
「そう!玲音(レオン)の言う通りだ。
 飛翔時の腕の有り様なんだが···これも監督の提案では、第一作目から第二・第三作の形態にしよう、と言ったのだけれど、大映側によって却下されたのだそうだ。」
「ついでに顔も、第一作目は感心しない。
『可愛い』
とは言えるが、精悍さに欠ける。
 少なくとも、オリガの好みではない筈だ。
 第二作目➔第三作目
に進むにつれて、ガメラはいい顔つきになってくるんだ。」
「まあとにかく観てみろ!観てからまた話そう。」
と、Esterraが引き取った。
「ガメラについては、玲音(レオン)とさんざん話した。なあ、そうだよな?」
「しましたね。一晩中、徹夜で語り明かしましたね。」
「一晩中!?、徹夜で!!」
「そうだ。それだけ、色々な情報が引き出せる作品なんだ。
「且つ、その後の『世界の映画の脚本創り』に影響を与えた可能性がある作品でもある。」 

(4)『平成ガメラ三部作』とEscallics作品創り

「つまり、
『作品創りとは?』
というテーマでモノを考える際に非常に参考になる映画なんだ。」
「オリガ!君はこれから、Escallics作品を創ろうとしているのだろう?」
「そうです。」 
「そのためには、必ずタメになる映画だ。観ることを強く勧める。」
「ところで、オリガ!
 君は映画を観る際、
①エンドクレジット終了後、館内が明るくなるまで待つタイプ?
か、それとも
②エンドクレジット終了前、本編が終わった途端に席を立つタイプ?
どちらのタイプだい?」
「エンドクレジットは最後まで観ます。」
「それはいい!そうこなくっちゃ!!
 オリガ、映画ってのはね、エンドクレジット終了までが映画の作品なんだよ。
「特に、『GⅢ/邪神(イリス)覚醒』のエンディングテーマは絶対に最後まで聴け。その歌詞をよく噛み締めてな。」
「歌詞の意味が深いのですか?」
「深い!金子修介監督自らの作詞だからな。明らかにこの作品のメッセージを伝えている。」
「承知しました。
『平成ガメラ2→3→1』の順番で一気に観ます。」
「観たら、また語り合おう。
 来週、この場所、この刻限、このメンバーで集合だ!
 玲音(レオン)!お前もいいか?」
「はい、私は構いません!」
「よし!決まりだ!!」

(2018/08/05)RUCA @ 名古屋・日本

「先生!観ました!!観ましたよ!!!」
 入って来るや否や発した第一声がそれである。
「おっしゃる通りでした!確かに

 『平成ガメラ』=『マクスウェルの悪魔』

ですね!!それを、『ガメラ』という怪獣に託して描いているのがはっきり判りました。」
「そうか!それは素晴らしい!!さすが、オリガだ!!!それじゃあ、この作品についてさらに掘り下げて行こうじゃないか!!!!」


※以下、次回『◆君主論・再考②◆』に続く

※下記:『ガメラ生誕55周年プロジェクト』時の動画・告知




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