30万が5時間で消えた日|海外カジノで1000 万円負けた話②
マカオで30万円が5時間で消えた日
マカオで30万円が消えた。
それにかかった時間は、わずか5時間。
香港・マカオ旅行から帰国してから、僕の頭の中にはずっとカジノのことが残っていました。
仕事をしている時も、テレビを見ている時も、思い出すのは観光地ではありません。
チップを置く瞬間、カードをめくる瞬間、あの独特の緊張感です。
もう一度あの場所に行きたい。
もう一度あの興奮を味わいたい。
そう思い始めたら止まりません。
飛行機とホテルサクッと予約して、
人生初の海外一人旅としてマカオへ再び。
前回の旅行から、まだ2週間ほどしか経っていません。
資料を確認しましたが2015年のことでした。
軍資金は30万円です。
マカオに到着したのは昼頃。
ホテルにチェックインすると、荷物を置いただけで一直線に
カジノへ向かいました。
僕が向かったのは、前回と同じ グランドリスボアカジノ。
当たり前ですがカジノは変わらずそこにありました。
エスカレーターを上がり、僕は2階のブラックジャック(以下BJ)コーナーへ向かいました。
マカオのカジノテーブルはほとんどがバカラです。
テーブルの周りには中国人プレイヤーがびっしり集まり、二重、三重の輪になってゲームを見ています。
彼らがみているのは「ツラ」と呼ばれる連続した結果の波で、同じ目が
続く限り追いかけて、その流れが切れるまでテーブルに張り付きます。
そして流れが切れた瞬間、あれほどいた人たちが一斉に散っていく。
そんな光景が、マカオのカジノでは当たり前のように起きています。
でも僕が好きだったのは、BJでした。
ディーラーとの勝負。
そしてプレイヤーにある「もう1枚カードを引くかどうか」という
判断とアクションが「やってる感」があり好きでした。
僕が座ったテーブルの最低賭け金は300香港ドル。
100香港ドルのチップを3枚置くのがミニマムベットです。
2015年当時のレートで、1回の勝負は5000円くらいだったと思います。
今だと6500円くらいですから円安怖い。
僕はまず、30万円のうち10万円をチップに換えていざスタートです。
ところが、この日は最初から流れが違いました。
最初からおかしかった。
負ける。
また負ける。
チップが3枚ずつ、きれいに消えていく。
僕はそれをただ、焦りながら見ていました。
ディーラーは愛想のないおばちゃん。
おばちゃんディーラーが、淡々とカードを配り、僕のチップを回収していきます。
余談ですが、マカオのディーラーは基本的に愛想がありません。
映画のように、美人ディーラーが笑顔で接客してくれるカジノは、マカオではほとんどありません。
最初「怒ってる?」と思いましたが、ただのお国柄でした。
ただ淡々と仕事をこなすだけです。
その無表情おばちゃんディーラーが、
僕のチップをすごいスピードで回収していく。
もちろんディーラーが儲かるわけではありません。
ただゲームを進めているだけです。
それでもその時の僕には、
自分の命を削られているような感覚がありました。
BJは確率のゲームです。
例えば最初の2枚の手札合計が12〜16のとき。
もう1枚カードを引くと、10・J・Q・Kが来ればバーストします。トランプのカード13枚のうち、約3分の1の確率でバーストです。つまり引けば、かなりの確率でバーストする。
それでも引かなければ勝てない。
前回の旅行では、僕はかなり慎重でした。
13や14でもカードを引かず、ディーラーが勝手に
バーストして勝つ展開が多かった。
前回は慎重にプレイして結構うまくいきました。
だから、今回も行けると思っていたんです。
でも全然ダメでした。
引かなければ、デーラーが17~21に収まって負け。
引けば大きい数字が出てバーストして負け。
うまく収まって、自分が18のとき、ディーラーは19。
自分が20のとき、ディーラーは21でブラックジャック。
2枚の合計が8でカードを引けば4が出て合計12
もう1枚引いて絵札が出て、あえなくバースト
なんで?なんで毎ゲームこうなるの?
心の中でずっとそう思いながら、
それでもチップを置き続けました。
チップはどんどん減っていきます。
追加で現金をチップに変えて、また着席。
その時の僕は、チップを完全に現金として見ていました。
いや、現金なんですけどね
「今ので5000円消えた」
「また5000円」
「もう8万円飛んだ?」
そんな計算を頭の中でずっとしていました。
今なら分かります。
カジノで長く戦う人は、チップを現金として見ません。
現金だと思うと、怖くて正常な判断が出来なくなるからです。
でも、止められないんですね。
自分のお金だから
そして僕は、前回のカジノでの勝ちを
普通の結果だと思い込んでいました。
あれは完全にビギナーズラックでしたが
それがわかりませんでした。
バカですねー
結果として、この日
30万円が消えるまでに5時間もかかりませんでした。
まだ夜にもなっていません。
食事もしていません。
マカオに着いてカジノに直行し、
気づいたときには現金がすべて消えていました。
しかも今回の旅行は2泊3日。
まだ初日です。
僕はホテルの部屋に戻りました。
ベッドに座って、ただ呆然と状況を整理していました。
考えても結果は一切変わりませんが。
当時の僕にとって
30万円は大金でした。
それが、ほんの数時間で消えた。
しかも、あんなに簡単だったBJで。
カジノではクレジットカードでチップを購入することもできます。
キャッシャーでクレジットカードを出し「チップ〇〇香港ドル」と
伝えるだけです。
でも、僕はチップの追加をしませんでした。
ビビったのです。これ以上負け額を増やすことに恐怖したのです。
戦意喪失です。
残りの2日間、僕はマカオ観光をしました。
世界遺産に指定されている
マカオの美しい街並みを
マンゴージュースを片手に散策しました。
有名店でエッグタルトを食べました。
セナド広場、聖ポール天主堂跡、聖ドミノコ教会を見て歩きました。



おじさん一人で。
全然楽しくありません。
僕は観光がしたくてマカオに来たわけではありません。
「カジノがしたかった」
BJがしたい。
バカラがしたい。
カードゲームがしたい。
でも、お金がない。
ちなみに帰りは香港経由で帰国です。
見知らぬ街、香港。
そのとき僕の財布に残っていた現金は
香港ドルで約8000円分だけでした。
30万円を持ってマカオに来た男の、帰りの所持金です。
心細ーい。
この時の僕は、まだ知りませんでした。
依存症のメカニズム
①初期快楽→②記憶固定→③再現行動までを
きれいに追いかけていることを。
そして、このあと僕が
海外カジノで1000万円以上負けることになるということを。
現在の収支:±0
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