見出し画像

神社:参拝で「次に」覚えておきたい神々 10選


■能書き(例によって面倒くさかったらスルーしてください)■

以前投稿した「神社:参拝でまず覚えておきたい神々10選」(以降「まず〜」と省略)の続編です。

「まず〜」と合わせて読んでいただける方々には厚く感謝を申し上げます。

「まず〜」ではすんなりと10柱の神々を選ぶことができました。
まさに、「全国の神社で出会いやすい神々トップ10」という感じでした。

「神社の神様に関心を持ち始めた方々に、まず覚えていただきたい」という思いで書きました。つまり「初級編」と言ってもいいと思います。

しかしその次の段階、いわば「中級編」となると、どの神々を選ぶのか非常に悩みました。
まず、以下の5柱の神々(厳密には7柱)はすんなりと決まりました。
・宗像三神(むなかたさんしん)
・大国主(オオクニヌシ)
・少彦名(スクナビコナ)
・武甕槌(タケミカヅチ)
・建御名方(タケミナカタ)
この5柱でも良かったのですが、全国展開する神社の御祭神、特定の分野で人気の神なども重要なのでさらに5柱を加えて10選と切れの良い数字に収まりました。


■ちょっとした注意事項■

・神様の名前は漢字がわかりにくく、慣れないとすぐ読み方を忘れます。なので、2回目以降の登場の際はカタカナ表記とします。
・2回目以降登場の神様の名前は「命(ミコト)」や「尊(ミコト)」、「神」、「大神」などは省略します。
・神様の漢字表記はここで記した以外にもバリエーションがあります。もし違う表記を神社で見たら、神社が書き間違えているということではないのでご注意を。
・「まず〜」で紹介した神々はカタカナ表記とします。


1.宗像三神(むなかたさんしん)

海を守る次の三柱の女神の総称。八幡系の神社では「比売神(ひめがみ)」、「比売大神(ひめおおかみ)」として一柱扱いで御祭神としているところも多い。
・田心姫神(タゴリヒメノカミ) 
・湍津姫神(タギツヒメノカミ)
・市杵島姫神(イチキシマヒメノカミ)
この三神は、スサノオの持ち物の十拳剣(とつかのつるぎ)を、アマテラスが噛み砕いて息を吐いたところ誕生した。
そのためスサノオの娘とされる。

《別の表記》
・多紀理比賣命(タギリヒメノミコト)
・田寸津比賣命(タギツヒメノミコト)
・市寸島比賣命(イチキシマヒメノミコト)

・多紀理毘売命(タギリビメノミコト)
・多岐都比売命(タキツヒメノミコト)
・市寸島比売命(イチキシマヒメノミコト)

《御祭神となる神社例》
宗像大社(むなかたたいしゃ/福岡県)、江島神社(えのしまじんじゃ/神奈川県)

《ちょっと補足》
イチキシマヒメは他の二柱とくらべると特別。
神仏習合では弁財天と同一視された。江島神社などにその影響が色濃く残る。
絶世の美女とも言われる。アマテラスの孫で、ニニギの兄である天火明命(ホノアカリノミコト)の妻という伝承もある。
狭依毘売命(サヨリヒメノミコト)、瀛津嶋姫命(オキツシマビメノミコト)などの別称もある。


2.櫛稲田姫(クシイナダヒメ)

スサノオの妻。そのため、スサノオとともに御祭神となっている神社が多い。女性の守り神とされることも。
八岐大蛇(ヤマタノオロチ)という怪物の生贄になるところだったが、スサノオがこれを打倒。その際、スサノオはクシイナダを櫛に変えて、自分の髪に挿して怪物に挑んだ。

《別の表記》
櫛名田比売(クシナダヒメ)、奇稲田姫(クシイナダヒメ)

《御祭神となる神社例》
氷川神社(ひかわじんじゃ/埼玉県)、六所神社(ろくしょじんじゃ/神奈川県)

《ちょっと補足》
スサノオによって倒されたヤマタノオロチの尾から出てきたのが草薙剣(くさなぎのつるぎ)。天皇の象徴である「三種の神器」のひとつ。


3.大国主命(オオクニヌシノミコト)

スサノオとクシイナダの6代後の子孫にして、日本の国づくりをした神。
アマテラスなど天の神に国を譲り、見返りに出雲大社を建ててもらった。

《別の表記》
大穴牟遅神(オオナムジノカミ)、大己貴神(オオナムチノカミ)
※上の二つの別名で祀られていることも大変多い。
葦原色許男神(アシハラシコオノカミ)、八千矛神(ヤチホコノカミ)、大物主神(オオモノヌシノカミ/ただし、別の神という解釈もある)、宇都志国玉神(ウツシクニタマノカミ)

《御祭神とされる神社例》
出雲大社(いづもおおやしろ、いづもたいしゃ/島根県)、大神神社(おおみわじんじゃ/奈良県)など。

《ちょっと補足》
大国は音読みだと「ダイコク」となるため、七福神の「大黒天」と同化されることもある。


4.少彦名命(スクナビコナノミコト)

海の彼方からやってきて、オオクニヌシの国づくりを手伝った親指大の神。
ガガイモの殻を半分に割った船に乗ってきたという。
役目を終えると、海の彼方へ飛んでいった。
病気快癒、疾病予防など、医療的なご利益で祀られることが多い。

ガガイモの殻。日本各地に生息。

《別の表記》
少名毘古那神(スクナビコナノカミ)

《ちょっと補足》
主祭神としてより、相殿神(あいどのしん。主祭神とともに祀られる神)として祀られたり、摂社や末社で祀られたりしやすい。


5.武甕槌命(タケミカヅチノミコト)

イザナギの剣から誕生。『古事記』には、伊都之尾羽張神(イツノオハバリノカミ)の子という記述もある。
アマテラスの命令で、オオクニヌシに国を譲ることを迫った。
海に剣を逆さに立てて、その切先に座って交渉(ほぼ強要)する場面が有名。武神、勝利の神とされる。全国の春日神社の御祭神。

《別の表記》
武甕雷命(タケミカヅチノミコト)、建御雷之男神(タケミカヅチオノカミ)

《御祭神とされる神社例》
鹿島神宮(かしまじんぐう/茨城県)、春日大社(かすがたいしゃ/奈良県)

《ちょっと補足》
鹿島神宮から春日大社へタケミカヅチを勧請(かんじょう/火を分け与えるように、神の霊を分け与えること)する際に、鹿に霊を乗せたことから、鹿はタケミカヅチの乗り物とされる。
そのため、鹿を飼っている春日神社もある。鹿島神宮でも飼われている。

『日本書紀』では、経津主大神(フツヌシノオオカミ)という神とともに、国譲りを迫ったことになっている。
しかし、『古事記』にはフツヌシは登場しない。そのため、タケミカヅチと比べると影が薄いが、千葉県の香取神宮の主祭神で武神。
武道の道場の神棚の両側に「鹿島大明神」、「香取大明神」と書かれた掛け軸がセットで下げられていることも多い。


6.事代主命(コトシロヌシノミコト)

オオクニヌシの息子。タケミカヅチを前に、父に「国を譲る? どうする?」と聞かれ、すぐに国譲りに賛成した。その後、なぜか海の中へ消えた。
豊漁、商売繁盛の神。

《別の表記》
八重言代主神(ヤエコトシロヌシノカミ)、積羽八重事代主神(ツミハヤエコトシロヌシノカミ)

《御祭神とされる神社例》
美保神社(みほじんじゃ/島根県)、三嶋大社(みしまたいしゃ/静岡県)

《ちょっと補足》
釣りが好きな神のため、釣竿を持つ恵比寿神と同化されることも多い。
父の大国主が大黒天と同化されたのと同じ運命。
まったくの雑学だが、右側の前歯を「恵比寿歯(えびすば)」、左側の前歯を「大黒歯(だいこくば)」という。


7.建御名神(タケミナカタノカミ)

オオクニヌシの息子。国譲りに反対して、タケミカヅチに勝負を挑むが、敗れて諏訪湖まで逃げ、そこから出ないことを誓った。
そのような経緯があるものの、武神、狩猟神、農耕神として尊敬を集める。
全国の諏訪神社の御祭神。

《別の表記》
南方刀美神(ミナカタトミノカミ)、武御名方命(タケミナカタノミコト)

《御祭神とされる神社例》
諏訪大社(すわたいしゃ/長野県)

《ちょっと補足》
諏訪神社以外で御祭神としている神社はほとんどない。摂社や末社では比較的よく見かける。
諏訪神社は長野県と新潟県に偏在しているので、それ以外の地域の人にはあまり馴染みがない神かもしれない。


8.天児屋根命(アメノコヤネノミコト)

天岩戸伝説(あめのいわとでんせつ)で、アマテラスが引きこもる洞窟の前で祝詞(のりと)を読んだ。
ニニギの天孫降臨に同行し、地上に降り立ち、中臣氏の祖先となった。
全国の春日神社の御祭神。
※天岩戸伝説については、「まず〜」の「素戔嗚尊(スサノオノミコト)」の項を参照。

《別の表記》
天児屋命(アメノコヤネノミコト)

《御祭神とされる神社例》
春日大社(かすがたいしゃ/奈良県)、枚岡神社(ひらおかじんじゃ/大阪府)

《ちょっと補足》
中臣氏はのちの藤原氏のこと。「乙巳の変(いっしのへん)」で蘇我氏打倒に功があった中臣鎌足(なかとみのかまたり)が、死の直前に「藤原」という姓を賜った。
高校の日本史で「藤原」という人名の多さに苦しんだ人も多いはず。
春日大社はもともとは、藤原氏が祖先のアメノコヤネを氏神(一族の神)として祀った神社。
645年に起こった事件を「大化の改新」と覚えている方。今はその言い方はしないので、「乙巳の変」にアップデートしておきましょう。


9.天鈿女命(アメノウズメノミコト)

天岩戸伝説(あめのいわとでんせつ)で、アマテラスが引きこもる洞窟の前で踊った。そのため、芸能の神とされる。
ニニギの天孫降臨に同行し、地上に降り立ち、猿女君(さるめのきみ)氏の祖先となった。猿田彦の妻。
猿女君は、古代に宮中で神楽を舞い、祭りや神事を司った巫女の一族。

《別の表記》
天宇受売命(アメノウズメノミコト)

《御祭神とされる神社例》
椿岸神社(つばききしじんじゃ/三重県)、佐瑠女神社(さるめじんじゃ/三重県/猿田彦神社の境内社)

《ちょっと補足》
単独で祀られることは少ない。猿田彦とともに祀られたり、また摂社や末社に祀られることが多い。
しかし、芸能関係者からは絶大な尊崇を集める。
境内社である佐瑠女神社を取り上げたのも、ここには多くの芸能関係者が参拝し、有名人の奉納した名前入りの幟(のぼり)がたくさん立っているから。新海誠監督が幟を奉納して知名度がますます上がった。
私が参拝したときには、EXILE、湘南乃風、相川七瀬、南海キャンディーズ、小藪千豊、生駒里奈、たむらけんじ、みやぞんなどの幟がはためいていた。


10.猿田彦命(サルタヒコノミコト)

ニニギ一行が天から地上に降り立つときに道案内をした神。正体不明。鼻が異常に長い。アメノウズメと夫婦となる。海で大貝に手を挟まれて溺死。
道の神、旅の神とされ、路傍に立つ道祖神という像などと同一視されることもある。

《別の表記》
猿田毘古大神(サルタビコオオカミ)

《御祭神とされる神社例》
椿大神社(つばきおおかみやしろ/三重県)、猿田彦神社(さるたひこじんじゃ/三重県)

《ちょっと補足》
伊勢湾の観光地としても有名な夫婦岩(めおといわ)がある、二見興玉神社(ふたみおきたまじんじゃ)も「興玉大神(おきたまおおかみ)」として、サルタヒコを主祭神とする。
夫婦岩は実際に見ると、予想外に小さくて驚く。


■今回紹介した神々に関する系図■

・「ミコト」、「ヒメ」、「カミ」はすべて省略。
・太字が今回紹介した神々。
・二重線は婚姻関係。
・単線は親子関係。
・破線は説明など。
・配偶者が記されていない場合は単独で産んだことを表す。
・私が自作したものなので、無断引用はご遠慮ください。

今回もややこしい神々の系図と関係図

いいなと思ったら応援しよう!