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コーチ・エィ 『新版 コーチングの基本』

僕にとっての本書:
コーチングの基本。コーチング学習者に最適。5章、6章の実践例がかなりおもしろい。


2009年が初版。
僕が読んだのは2024年版です。
著者は日本初の本格的なコーチングファームのコーチ・エイ。
執筆者は、コーチエィでエグゼクティブ・コーチをしておられる、
栗本渉氏、
片桐多佳子氏、
村方仁氏、 
監修は鈴木義幸氏。

上記のコーチ・エィのチャンネルを見ていると、よくお見かけする方々でした。
この記事執筆時点での直近の動画には、鈴木氏と村方氏が出演していました。
僕はコーチングを学習中の私学歴史教師で、コーチ・エィのアカデミアというところでコーチングを学習中です。上記のチャンネルはだいたい拝見しています。

こちらの本は、初版時、2010年代初頭に組織開発の手法としてコーチングへの注目が高まったことを背景に書かれたとのことでした。

そうそう、このころは僕がいつも身を置く教育現場でも、コーチングという言葉がよく聞こえるようになっていたころでもありました

こちらは、コーチ・エィアカデミアで学習する内容を精選し、さらに具体的な事例を多く盛り込んだまさしく「教科書」とよばれるに相応しい本だなあと感心いたしました。

また、多くの教科書がそうであるように、こちらの書にもひかえめな参考文献目録がついていました。これがとてもうれしい。ビブリオグラフィーに加えておきたいと思います。こちらの本自体も、参考文献からみつけてきたものでした。

第1章 コーチングとは何か
第2章 コーチの持つべき視点
第3章 コーチングの3原則
第4章 コーチング・プロセス
第5章 コーチングのスキルと実践例
第6章 組織へのコーチング

どれも大変学びになります。僕はコーチ・エィアカデミアで学んでいる途中なので、1〜4章は、一度知ったものを深める、という感じで読めました。

アクノレッジメント、コーチング・フロー、PBPの視点、問題&解決とASK&TELLの四象限、タイプわけ……などなど。コーチングの学習でよく出会う言葉が本書にもたくさん登場します。

大きな発見はひとつあって、それは本書が「コーチングの3原則」について、ひとつの章を割いている、ということでした。

あらためて、3原則は、アカデミアではこのように学習します。
・双方向 インタラクティブ
・現在進行形 オンゴーイング
・個別対応 テーラーメイド

本書では、「現在進行形」ではなく、「継続性」という言葉で置き換えられているようです。

いま3原則のなかで僕の関心が強いのは、個別対応、テーラーメイドの部分でしょうか。昨日読んだテーラーと歴史に関する絵本も、ひびくものがありました。個別対応のプロが世の中にはいるものです。

さて、本書で最もおもしろかったのは5章、6章でした。執筆者のどなたかが実際に行ったエグゼクティブコーチングの記録です。

いわゆる「コーチング・ログ」が再現されていて、対話中の「コーチの視点」が書き込まれています。実際のコーチングの場面でコーチがどう考えているのかをよみとることができます。

ちょっと説明が難しいのですが、とてもおもしろいし、参考になりました。たとえば、以下は、設計のプロであったAさんが、人材教育や人事の管理職に抜擢されてしまった、そんなトランジションの状況でコーチングをしたコーチの視点。

過去・現在・未来をつなぐ一筋のストーリーの重要性

 コーチングを成功させる重要なポイント、それは本当に実現したいと思える目的と目標を設定することです。では、目的と目標の設定はどうすればできるのか? それは、クライアントの過去・現在・未来を有機的に結びつける「ストーリー」をクライアント自身に明確にしてもらうことです。
 クライアントの過去の人生において大事にしてきた価値観が明らかになり、その価値観に裏打ちされた「ストーリー」がクライアント自身によって描かれ、その中で未来の目的と目標が描けているとき、クライアントの目標に向かうモチベーションやコミットメントは高まります。
 ここでは、過去の設計部門での仕事も、将来やりたい設計部門の仕事もAさんにとって魅力的であったわけですが、その間に位置している現在の人材教育部門の仕事も含めた「ストーリー」が見出せていない状態でした。コーチはそこに着眼し、将来やりたいことに求められるものに目を向けさせ、それに向けて「いまだからできること」という切り口で、現在の仕事がAさんの「ストーリー」にとって欠かせないステージであることに気づかせたのです。

第5章「コーチングのスキルと実践例」、p159 コーチの視点 より


「目的と目標の設定はどうすればできるのか? それは、クライアントの過去・現在・未来を有機的に結びつける「ストーリー」をクライアント自身に明確にしてもらうことです。」

あら、この部分って、歴史を感じるぞ…
コーチングと歴史は、たぶん関係している。

いや、まてまて、読み進めると、こんなのも出てくる。

会社に「ビジョン」を求めたい、経営者の方。コーチとともにビジョンを策定していきます。

ビジョンのヒントは過去にある

 会社のビジョンを描く時のヒントは歴史の中にあります。会社の歴史や特徴をひもとく質問には、以下のような切り口があります。

・お客様はいままで、どのような人や会社であったのか
・社訓や社是は、どのようにしてつくられたのか
・社員たちの入社、退社の動機には、どんな特徴があるのか

 ビジョンを考える切り口には、会社の得意分野や、心からやりたいと思える分野、マーケットの状況等もありますが、つまるところどの切り口でも、過去を振り返る作業が必要となってくるのです。

第5章「コーチングのスキルと実践例」、p 203 コーチの視点 より


まてまて、歴史教師とコーチングは、いがいと相性がいいのか?

めちゃくちゃ希望がわいてくる話じゃあないか。

コーチ・エィさんの本は読んで元気がでるものが多いですね。



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