なんちゃ的 人生を彩った楽曲12
その昔、仕切らせていただいた演奏会の休憩時間中に
少し渋めのブラジリアンジャズの楽曲を会場内に流したため、
その日の主役である某演奏家様から
「音楽耳年増」という、有難いのか有難くないのかよく分からない
称号を戴いたなんちゃです。
以前、「なんちゃ的音楽アルバム4選」という記事を綴りましたが
今回は楽曲ごとのベスト12です。
このベスト12の選考基準は
「私の人生に多大な衝撃を与え、後の人生を動かして変えた楽曲」。
「単純に好きな楽曲」ならここから溢れ返るほどたくさんありますが、
その中でも遭遇した時の衝撃度と人生に及ぼした影響などを考慮し、
選ばせていただきました。
それではアカデミック要素ゼロ!
「私情挟みまくりの薄っぺらいレビュー」と共にどうぞ!
Fantasy / Earth,Wind & Fire
幼少(未就学)期、大阪府内にある某コミュニティに母と通っていたのだが、昼食を摂るのにいつも立ち寄ったアクティ大阪(現:サウスゲートビルディング)内のレストランでふと聞いた楽曲。
家庭の教育方針のもと、まったりのっぺりとした童謡しか聴かされていない、ましてや「ブラックミュージック」「グルーヴ」などという言葉も教えられていない中で、生まれて初めて触れたこの楽曲に対し、直感的かつ純粋に「何コレカッコいい!」と思えた。
と同時に、このカッコよさを親や先生・友人にうまく伝えられない&理解されない「もどかしさ」を覚えた楽曲でもある。
余談だが、本家の「ブラックミュージック」を先に知ってしまったので、小学1年生の音楽の授業で「おどってたのしい こくじんさんのおんがく」として紹介された日本語歌詞の「アイスクリームパラダイス」の「何だかなぁ…感」が当時の私には半端なく、その後しばらくの間音楽の授業に身が入らなかったのは言うまでもない。コレはコレでいま聴くと良い曲なのだが。
Theme From Star Trek / Maynard Ferguson
イントロはなかなか不穏でカオスだが、そこから48秒あたりでニヤリとした方は昭和のクイズマニア確定!
令和の今となっては予算や治安・個人情報管理・権利関係云々で完全体での再放送どころか新作の制作も不可能であろう視聴者参加型クイズ番組「アメリカ横断ウルトラクイズ」のテーマ曲。
特に1989年秋に放送された第13回の準決勝、通称「ボルティモアの決闘」のシーンは録画したVHSが擦り切れそうになるまで小学校から帰宅してはすぐに再生して観ていた。しかも大袈裟ではなく毎日のように。更に親戚宅への外泊にまでこのVHSを持ち込みテレビとビデオデッキを借りて観ていたのだから、今となっては狂気を感じるほど。
そんな毎日飽きることなく楽しく拝見していた壮大なスケール且つ「ヒューマンドキュメンタリー」の一面も持つクイズ番組のワクワク感を、その華やかなトランペットが一瞬で想起させてくれる楽曲。
私もいつか実際に使用するかどうか分からないパスポートを握りしめて東京ドームでの予選会くらいは参加できる!、と思っていたのに…。
Japanese Farewell Song(sayonara) / Martin Denny
上で述べた伝説のクイズ番組「アメリカ横断ウルトラクイズ」の「敗者予想」のコーナーのBGMとして流れていたのだが、番組の中に漂う緊張感をふっと解くような緩さが逆に記憶に残っており、後年、クレイジーケンバンドのVo.横山剣氏のラジオ番組内で紹介されてようやくアーティスト名と曲名を知る。
サブタイトルが「sayonara」だけに、この楽曲を採用した番組関係者のセンスに脱帽。
現在の私自身の創作において取り入れるようにしている「緩急のつけ具合」「適度に加えるツッコミどころ」「気づいたらハッとなるリンク」「思わずクスッとなるもの」の大切さは恐らくこの楽曲と使用シーンにおいて学んだような気がする。
Fly Over the Horizon / Azymuth
小学高学年の時に好んで聴取していたNHK-FMの番組「クロスオーバーイレブン」のOP曲。
俳優・津嘉山正種氏の渋く落ち着いたナレーションとのマッチングは本編のスクリプトや数々の挿入曲と共に私を虜にした。
この頃より寝つきが悪く、就寝前にこのような少し大人めのラジオ番組を聴いていたためか、当時の同級生との価値観の違いが「何となく」から「決定的」になっていったように思う。
「クロスオーバーイレブン、私も聴いてるよ!いいよね、あの番組…」なんて語り合える友人・知人がSNSもないあの頃に一人でも発見できていれば、また違う世界線を生きることができたのだろうか?
Popcorn / Hot Butter
中学生時代、父のコレクションからこっそり拝借して何度も聴いていた楽曲のひとつ。
機械的なのにポップコーンが爆ぜる描写、しかもただ爆ぜるのではなくマシンかフライパンの中かでコーンが爆ぜ始め、やがて勢いよくポップコーンが大量発生し、そしてコーンの爆ぜが収まるまでのストーリーが音でちゃんと表現されていて秀逸。自宅などでポップコーンを調理されたことがある方ならきっとご理解いただけると思う。
日本のテクノユニット「電気グルーヴ」もアルバム「VITAMIN」にて同楽曲をカヴァーしており、この辺からテクノも受け入れられる音楽性(体質?)が整ったのかもしれない。
BEHIND THE MASK / Yellow Magic Orchestra
中学生時代の日曜日、部活動へ出かけるための身支度をする際に聞いていたFM大阪「文珍のJOY JOY LIFE」のOP曲でもあったこの楽曲。
「ゆったりとしたロックンロール」といった曲調と折角の日曜日なのに何故わざわざ好きでもない部活動に行かなきゃいけないんだ?というモヤモヤ、朝から愉快な桂文珍氏司会の番組だった、という私の中でのミスマッチが複雑に絡み合って記憶に残っているのかもしれない。
私の中では「頭の中がむず痒い思春期」を想起させる楽曲のひとつである。
Carnival / The Cardigans
高校時代、ラジオをつければよく流れていた楽曲。この頃はオシャレな楽曲が洋楽も邦楽(所謂「渋谷系」)も街なかにかなり溢れていて、そんな楽曲が流れてくるCDショップに立ち寄ってあれやこれや視聴するのも楽しかったな。
「スウェーデン発のポップなバンド」というのも当時の私としてはかなり新鮮だった。現在私が好きなイギリス発のジャミロクワイもこの頃あたりから日本でも売れ出したような…。
多感な時期にTVをつければ勝手に耳に入ってくるJ-POPだけでなく、能動的にワールドワイドな音楽を取り込もうとした姿勢を「一貫性がない」「音楽雑食性」と友人・知人から揶揄されながらも崩さなかったのは、好みが日本の歌謡曲・演歌一辺倒だった母親への反抗心だったかもしれないが、今になって思えば雑食性なりに音楽に対して「自分の軸」ができて良かったように思う。
Climb Ev'ry Mountain / Peggy Wood
邦題は「すべての山に登れ」。
何故かはよく分からない(タイトルにある「山」は人生における苦悩や重圧・逆境を指す…という説もあるが、たぶんマイナーコードの配置の妙かと)が、一人で聴くと涙腺がつい緩んでしまう楽曲。
下記にオリジナル版のYouTubeリンクを貼らせていただいたが、この楽曲に関してはどこかの小学生か児童合唱団かが日本語訳で合唱した音源でも泣きたくなると思う。
私自身が幼少期にこの楽曲を歌ったり合奏した、という記憶はないが、音楽で魂を揺さぶられる、というのはこういう事なのかもしれない。
Le Poinçonneur des Lilas / Serge Gainsbourg
邦題「リラの門の切符きり」として知られるこの楽曲。
持病の悪化により自宅療養中だった頃、ふとレンタルしたゲンズブールのベスト盤の1曲目として収録されており、聴いてみるとこの楽曲だけがやたらと耳に残った。
和訳は後で知ったが、鬱屈した私自身の日常と、この楽曲が醸し出す不穏な空気感がオーバーラップしたのかもしれない。
後述するガレージシャンソンショーのVo.山田晃士氏が意訳「桜木町駅の切符きり」というタイトルでソロアルバム「Theatre Solo」でも歌うこの楽曲。シャンソンはマダムが朗々と歌うものよりも、こうやってやや攻撃的なものの方が好きかもしれない。
Happy / Pharrell Williams
夫の友人の結婚記念パーティー用に制作したムービーで使用した楽曲のひとつ。
度重なる不運で創作そのものに自信をなくしていた時に「励まし」の意味を込めていただいたオファーだったので「大事なセレモニーで恥をかかせないように」と全力で取り組んだあの頃の集中力を想起させる。
当時の自宅近所のショッピングモールにてBGMとしてこの楽曲を初めて聴いた時はまず特徴的なハイハットシンバルの音だけが耳に残り、その後徐々にハイトーンのヴォーカル、ゴスペルを思わせるコーラス、軽快なベース…と認識できていった私にとっては不思議な楽曲だが、現在に至るムービー制作の起点となった楽曲なので今でも明るい気分になる。
いざ進めよ、いばらの道を / ガレージシャンソンショー
私の人生5年分を狂わせた「魔曲」。
演奏する本人たちがかつて出演したラジオ番組にて「ライブ映えする」と紹介していた通り、私がこのユニットの「追っかけ」、現在でいう「推し活」をしていた当時、この曲が演奏されるとライブ会場が非常に盛り上がった。
表現はやや遠回しではあるがその奥に秘めたメッセージがとても力強く、私自身がカラオケで歌っても非常に手ごたえのある楽曲だが、この楽曲を当時お世話になっていて且つ「この曲イイネ!」と宣っていたフットワーク激重の年長者に聴かせるため、場末の店ならぬカフェバーにこのユニットをお招きして単独公演を開催する、という暴挙を完遂出来たのも魔曲たる所以か?
STAY TUNE / Suchmos
90年代に好きだった渋谷系・シティポップ系音楽の超進化形?のようなこの楽曲。
「HONDA VEZEL」のCMで知り、オシャレでカッコいいな…と思っていたら、演奏しているバンドメンバーのヴィジュアルもヤンチャで分かりやすくカッコよかった。
2010年に体調を大きく崩して以降、創作活動どころかライブ参戦・コンサート鑑賞の類も人混みを理由に拒否していた私が心の底から「彼らの演奏を聴く為なら人混みのひとつやふたつくらいは我慢しなきゃ!」と自然に思え、運よくチケットが手に入ればライブ会場にも再び足を運ぶようになったきっかけの、Suchmosの言うまでもなく出世作。
いわゆる「数の暴力による団体芸」にもウンザリして音楽から離れていたところにこの楽曲が流れたその衝撃たるや…。
以上、「なんちゃ的 人生を彩った12曲」でした。
「ガキが洋楽なんかを好きになるわけねーだろ!」
「大半が洋楽で何をカッコつけてんだか!」
と呆れられた方もいらっしゃるかもしれませんが、
幼少期より私の心のアンテナに刺さった楽曲の大半がたまたま洋楽だった、
このせいでどれだけ親しい友人であっても音楽の話は全く成立しなかった、
ということでどうかご容赦ください。
それと前述の通り、楽曲のジャンルや内容に一貫性がないのは認めます。
寧ろ一貫性がないからこそ、
今まで生きていて紆余曲折いろいろあったからこそ、
様々なジャンルの楽曲を選ぶことができたのであり、
それはまるでバラエティに富んだクッキー缶の中身を
覗き込んでいるかのような楽しさがある、と
勝手に思うのであります。
また何年後かに人生を振り返って選曲すると
結果が変わってくるかもしれませんね。
最後までご覧いただき誠にありがとうございました。
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