それでも、大学にいかせますか
子どもが生まれると、多くの親は学資保険や教育費を考えはじめる。
私もそうだった。
でも、調べれば調べるほど、ある問いが頭から離れなくなっていった。
「大学には行った方がいい。」
昔から、その言葉が引っかかっていた。
大人になり、結婚してからも、
「大学費用は親が出すもの」「できれば奨学金は使わせたくない」
そんな言葉をよく耳にした。
子どもが生まれてからは、他の家庭と同じように教育費を調べ、老後資金や将来のことを考えた。
少し違ったのは、同じ時期に投資も学びはじめたことだ。
時代の変化を知るうちに、ずっと胸の奥にあったその引っかかりが、少しずつ輪郭を持ちはじめた。
私は大学を出ていない。
だからこそ、「大学に行かなかった側の現実」も、「大学進学を前提にしない考え方」も、自分なりに見えてきた気がしている。
大学進学を否定したいわけではない。
ただ、「なんとなく」や周りに流されて選ぶのは、違うと思っていた。
AIの進化により、社会の地図が書き換わりつつある今。
学歴に頼る生き方は、どこか脆弱に見えた。
自分で考え、選び、問いを立てる力。
それこそが、これからの時代に本当に必要なものだと思うようになった。
だから我が家では、家庭内金融教育をしている。
その中の一つがお小遣い制度。
毎月1000円。年間12000円。使い方は自由。
ただし、一つだけ約束がある。
年末の12月に、残金の10%を上乗せする。
目的は二つ。
一つは、我慢が小さく報われる感覚を、生活の中で感じてほしかったから。
もう一つは、小さく失敗させたかったから。
小さいうちからお金に触れ、考え、選ぶ経験を積ませている。
それが、自分で問いを立てられる人間への、一番小さな一歩だと思っている。
別の角度からも考えてみた。
大学4年間にかかる費用——授業料、生活費、機会費用を含めれば、家庭によっては1000万円前後になることもある。
その1000万円を、子どもが18歳になった時点から30年間、全世界株式インデックスファンドやS&P500連動ファンドで運用し続けたとしたら。
1000\text{万円}\times(1.07)^{30}\approx 7612\text{万円}
過去データに基づく試算ではあるが、その威力は凄まじい。
しかも、運用期間中は特に何かする必要すらない。ほったらかしでこの数字だ。
もちろん、お金だけの問題でないことはわかっている。
大学でしか得られない学び、経験、出会い。それは確かにある。
だからこそ、今の時代に大学へ行くなら、この3つが必要だと思っている。
• 明確な目標があること
• そこまでの道筋が見えていること
• 何より、本人の強い意欲があること
「みんな行くから」「とりあえず行っておけば安心だから」
そんな理由で選ぶ時代は、もう終わったと思っている。
大学に行くかどうかよりも、自分で問いを立て、自分で選べる人間になること。
その力の方が、これからの時代はずっと価値がある。
私はそう考えている。
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